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【長編:USJの約束③】彼女は「やたっ!」と可愛らしく喜んでいた
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長瀬です。
私は、人が喜んでくれたり、楽しんでくれると、自分も嬉しくなるタイプです。
たとえ、それがこんな形であっても──
彼女と知り合ってから一月ほど経過しました。
基本的に、週一回のペースで会いながら、緊急でお金が必要な時は、別途会う──そんな形です。
親戚の件以外でも、電気代が払えないから助けてほしい、という事がありました。
まだ会って一月ほどですが、毎回いろいろな話をしているせいか、だいぶ私を信用してくれているようで、最近は困りごとなどを相談してくれるようにもなっていました。
彼女の家族の場合、お金の管理が杜撰な面もあるのですが、そもそも根本的にお金が足りないようです。
私自身の望みも含め、いろいろと考えた結果、彼女に一つの提案をすることにしました。
出会い系やマッチングアプリでは、「専属」と言われるそれです。
彼女にもわかりやすいように、パソコンで簡単な資料を作って、一緒に画面を見ながら説明しました。
具体的には、下記のような内容です。
・毎月固定額のおこづかいを渡す
・特別な用事がなければ、毎週会う
・毎月遊びに連れて行く
・他の男性との関係を控える
・3年後を目安に関係を終了する
・もし好きな男性ができたら関係を終了する
私から話を聞いた彼女は両手を軽く握り、小さな声で「やたっ!」と言って喜んでいるようでした。
こづかいの額は、そんなに多くありません。ここ一月で彼女に渡した総額よりも少ないのです。
それでも、安定した支援が得られるのは、彼女にとって喜ぶべき事なのでしょう。
私の側としても、毎月の固定額は決して小さな負担ではありませんが、彼女が他の男性との関係を控えると言うのは、それを遥かに上回る価値があります。
3年後に終了としたのは、あまり長期間続けるとお互いの人生への影響が大きくなると思ったからです。また、3年あれば、彼女の置かれた環境を改善できるのではないかと考えたためです。
実は、マッチングアプリで知り合った女性にこうした提案をするのは、これが初めてではありません。過去に同じような提案をして長期間関係を続けた事があり、その時の経験を参考にしています。
※第一話の女性です
毎月遊びに連れて行く──。この提案にも彼女は喜んでくれました。
この一月の間に一度だけ室内型遊園地で彼女と遊んだのですが、とても楽しんでくれ、私自身も楽しかったこともあり、このような提案をしました。
私の希望で他の男性との関係を控えてもらうわけですし、ある意味、その責任を果たすためでもありました。
そして、この提案は、私が彼女に仕掛けた策でもありました。
彼女を楽しませ、彼女といる時間を増やすことで、少しでも彼女の心を得たい──そういう気持ちが、確かにありました。
彼女の心を得たいと願いながら、初めから終わりの決まっている関係を築こうとしていた。
今になって振り返れば、なんと身勝手で愚かな欲望でしょうか。
そして、自分自身もまた、彼女に心を奪われてしまう可能性があることを、私は完全に見落としていたのです。
この後も、彼女にはいくつもの困難が訪れることになります。
けれど、それはまだ──運命の星が彼女に見せた、ほんの序章にすぎなかったのかもしれません。
そんな中でも、デートで見せる楽しそうな笑顔を、長瀬は忘れることができないのです。
私は、人が喜んでくれたり、楽しんでくれると、自分も嬉しくなるタイプです。
たとえ、それがこんな形であっても──
彼女と知り合ってから一月ほど経過しました。
基本的に、週一回のペースで会いながら、緊急でお金が必要な時は、別途会う──そんな形です。
親戚の件以外でも、電気代が払えないから助けてほしい、という事がありました。
まだ会って一月ほどですが、毎回いろいろな話をしているせいか、だいぶ私を信用してくれているようで、最近は困りごとなどを相談してくれるようにもなっていました。
彼女の家族の場合、お金の管理が杜撰な面もあるのですが、そもそも根本的にお金が足りないようです。
私自身の望みも含め、いろいろと考えた結果、彼女に一つの提案をすることにしました。
出会い系やマッチングアプリでは、「専属」と言われるそれです。
彼女にもわかりやすいように、パソコンで簡単な資料を作って、一緒に画面を見ながら説明しました。
具体的には、下記のような内容です。
・毎月固定額のおこづかいを渡す
・特別な用事がなければ、毎週会う
・毎月遊びに連れて行く
・他の男性との関係を控える
・3年後を目安に関係を終了する
・もし好きな男性ができたら関係を終了する
私から話を聞いた彼女は両手を軽く握り、小さな声で「やたっ!」と言って喜んでいるようでした。
こづかいの額は、そんなに多くありません。ここ一月で彼女に渡した総額よりも少ないのです。
それでも、安定した支援が得られるのは、彼女にとって喜ぶべき事なのでしょう。
私の側としても、毎月の固定額は決して小さな負担ではありませんが、彼女が他の男性との関係を控えると言うのは、それを遥かに上回る価値があります。
3年後に終了としたのは、あまり長期間続けるとお互いの人生への影響が大きくなると思ったからです。また、3年あれば、彼女の置かれた環境を改善できるのではないかと考えたためです。
実は、マッチングアプリで知り合った女性にこうした提案をするのは、これが初めてではありません。過去に同じような提案をして長期間関係を続けた事があり、その時の経験を参考にしています。
※第一話の女性です
毎月遊びに連れて行く──。この提案にも彼女は喜んでくれました。
この一月の間に一度だけ室内型遊園地で彼女と遊んだのですが、とても楽しんでくれ、私自身も楽しかったこともあり、このような提案をしました。
私の希望で他の男性との関係を控えてもらうわけですし、ある意味、その責任を果たすためでもありました。
そして、この提案は、私が彼女に仕掛けた策でもありました。
彼女を楽しませ、彼女といる時間を増やすことで、少しでも彼女の心を得たい──そういう気持ちが、確かにありました。
彼女の心を得たいと願いながら、初めから終わりの決まっている関係を築こうとしていた。
今になって振り返れば、なんと身勝手で愚かな欲望でしょうか。
そして、自分自身もまた、彼女に心を奪われてしまう可能性があることを、私は完全に見落としていたのです。
この後も、彼女にはいくつもの困難が訪れることになります。
けれど、それはまだ──運命の星が彼女に見せた、ほんの序章にすぎなかったのかもしれません。
そんな中でも、デートで見せる楽しそうな笑顔を、長瀬は忘れることができないのです。
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