最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

文字の大きさ
254 / 270

250話 - スマホ

しおりを挟む
 おばあちゃんが欲している知恵や知識はこの世界では手に入らない。
 そしてこの世界の書物という書物は使えないということが分かった。

『とりあえず僕が持ってる知識の共有はエデンにだけはしていこうと思うよ。ダンジョン内でやりたいことが終わったらエデンに図書館でも作ろっか』

「助かるのじゃ。この世界の書物は信用ならんのじゃ……。あぁ、紙の作り方くらいなら本に載っておったぞ?」

『枠に木の繊維とノリ入れて水の中でジャバジャバしてたりする?』

「クロムは本当に何でも知っておるんじゃなぁ……」

 いやいやいや。
 和紙作ってる映像とか見たことあるって……。

 この世界の紙は和紙っぽい作られ方してるんだな。
 問題はその詳しい木の種類とかノリの種類とかがわかんないのよ……。

「クロムさんはどうしてそんなに色んな情報を知っているのです?教育機関などで学んだのですか?」

『まぁそれもあるけど……。僕の前世では情報を探す箱みたいな機械があったんだよ。そこに調べたい単語を入力すれば回答が出てくるの。世界中の情報がそこに入っててね?そこにみんなアクセス……うーん。その箱から自由に情報取り出せた、みたいに思ってくれればいいかな?手持ちサイズの図書館、みたいな?それをみんな持ってたんだ。この星みたいに魔法が使えない分、機械文明が少しだけ進んでたんだよね』

 コンピューターとかスマホとかね。
 まぁ、とは言えこの星も地球も神様の文明から見れば似たようなもんだろうけどね。

「手持ちの図書館ですか。羨ましいですねぇ……」

「便利な箱じゃのぉ……。そんなものがあれば我の悩み等なかったであろうなぁ……」

 地球人からすれば魔法使える方が絶対羨ましいと思うけどね。
 まぁ、ないものねだりだな。

『僕が作った電話もその機械の機能なんだよ?箱同士で通信が出来るんだ。他にも音声や映像を残せたり、いろんな機能があったんだよね』

 クルードの違法奴隷の件でスマホがあれば証拠撮影してやれるのにって思ったよねぇ。
 スマホって偉大だよなぁ。

『パパはそれつくれないの~?』

『無理かなぁ……。すごい複雑な道具だし、例えばその機能がある機械や魔法を作れたとしてもダメ』

「……なんで?」

『その箱の中に入ってる情報って何万人という世界中の人が情報を蓄積したものなの。例えば僕が図書館建てるでしょ?でも本書くのは僕じゃないよね?そこに本書いて、置いてくれる人がいないと中身すっからかんでしょ?』

「ギルドの掲示板みたいなものです?」

『あ!そう!そういうこと!掲示板作るからみんなで情報書いて整理しておいてね。それは自由に見ていいからねってことだね』

「その機械がなくとも情報を好きな時に書き留めて置いて、どこからでも誰でも自由に見ることが出来るのは便利じゃのぉ」

 確かにそれは便利かも。
 僕も神様から聞いた情報とかみんなに伝え漏れちゃったりするしなぁ。

 書いておくから好きな時に勝手にみて、って?
 それ最高じゃん。

 情報を溜めこんでおく用の掲示板か。
 それくらいなら作れないかな?
 光魔法で文字の形くらい表現できるよね?

 んで、光の屈折で色の表現くらいできるでしょ。
 僕極光魔法使えるんだよ?

『あー。でも情報の蓄積場所どうしよ。鯖が……』

「……さば?」

 僕の魔力サブスクで払うからサーバー代わりにできるかなぁ……。
 鑑定使うと前に僕が調べた情報引っ張ってきたりも出来るんだよね。

 エロフの時にやったじゃん?
 僕が調べたエロフの強さとエステルの強さを比較するために。
 前に鑑定した結果出してって。

 あの時は特に何の意識もせずにそれ言ってたけど……
 ってことはデータを蓄積しているシステム鯖はあるってことだよね?

『きょうのばんごはんなにがいい~?とかきける~?おでんわなくなっちゃったの~』

『あ、そうか……。僕寄生したんだもんね。すっかりわすれてた……』

 ぷちクロ電話を1番使ってたのはクラムなんだよね。
 今日何食べたい?とか、服は何色が好き?とか気軽に電話してきてたんだ。
 なんなら暇なときに雑談にかけてきたりもしてたもんね。

 ……。

 あら?
 ってか鯖あるなら電話できんじゃね?
 今までって魔法やスキルとして意思伝達してたから魔力が届く場所までしか意思伝達できなかったんだよ。

 その代わりとしてぷちクロ……
 まぁ僕を複数体作って端末代わりにしたんだよね。

 だって世界中で魔法使えるじゃん。
 このシステムさんには世界中どこからでもアクセスできてるからみんな魔法やスキルが使えるんでしょ?

 なんならダンジョンの中からでも使えるはずなんだよ。
 じゃなかったら僕、ダンジョン内で鑑定つかえないじゃん。

 ねぇねぇシステムさん?
 僕が魔力払うから僕専用にちょっと鯖かしてくれないかなぁ?

 あ、いや魔力要ら無くね?
 僕、神界と通信できるんでしょ?

 この星で完結するシステムの通信エネルギー料くらい神力から支払えるよね?
 神力からすれば凄く些細なもんでしょ?

 ねぇねぇ、システムさん?ダメ?
 勝手にエネルギー取って行っていいから……

≪依頼を受託しました。アクセスキーワードを設定してください≫

『あ、できた……。創造魔法すご……』

 言ってみるもんだなぁ。
 それにしても盲点だった。

 システム経由で通信すればぷちクロム要らなかったじゃん……
 今までも出来たのかなぁ……。

 いや、僕何度も想像したことあるぞ?
 その時点で出来てたら出来てるでしょ?

 創造魔法とかスキルって何となく考えた段階で作っちゃうことあるもん。
 確か創造魔法って少しシステムへのアクセス権限を付与してるんだっけ?

 これ……使徒のせいかな?
 確か僕が使徒になった時にソフィア様がシステムへのアクセス権限をあげるとかなんとか……

『パパ~?なにができたの~?』

『あ、ごめんごめん。考えに浸ってたよ。ちょっと待ってね?で、システムさん。アクセスキーワードって何?』

≪魔法名、スキル名が該当します≫

 あ、そういうことか。

『んじゃ、”スマホ”で』

≪創造魔法【スマホ】を作成しました≫

 お、じゃあ早速……

『”スマホ”ッ!』

「……すまほ?なにか魔法を唱えたのです?」

「……なにもない」

『あれ、スマホ出てこないなぁ……』

 あぁ、鯖借りただけだもんな。
 ちゃんと機能とか形とか考えないとダメか……

 えっと素材は……
 液晶はガラスより結界でよくね?
 で、タッチパネルで……。

 外装はプラスチック?金属?
 中身は半導体とかプラスチックとか……
 いや、そんな細かい事わからん!

 ってかそもそも魔法で作ってるんだもん!
 魔力通信してるのに半導体とか電力とか要らん!

 つーか全部魔力でいいんじゃないの?
 やっぱオール結界でよくね?
 結界って色付けれないの?

 無理なら光魔法と混ぜて組み合わせればいいよ。
 行けるでしょ多分。

 頭でスマホを想像して……
 引きこもりのときずっとスマホ触ってたからイメージはバッチリだぞ!

『もいっちょ!”スマホ”っ!』

 ブォンッ、ガンッ!
 カラカラ……

『ああ!作ったばかりなのに落としたっ!!僕前足で握れないッ!!』

『「「「…………」」」』

 あ、別に素材結界だし大丈夫か。
 割れても魔力注げば直るな。
 新品のスマホ買ったばかりで落とした気分になったよ……。

 とりあえず緑色の外観のスマホ。
 ワカメ転生しちゃったからか緑色にすごく愛着あるんだよね。

 スマホ裏返っちゃった。

 よいしょ……(サッ)
 よいしょ……(ススーッ)

 ……。

『ひっくり返して欲しいの……』

 僕の手……
 スマホ作ったのに使えない……

「は、はい!どうぞ」(カタンッ)

『あ!見ちゃダメっ!いろいろとダメっ!モザイクッ!』

「えぇ!?は、はいっ!」(サッ)

 僕が使ってたスマホ某果物マークのやつだったから画面にモロに出てたわ……。
 真っ黒な画面に白色で某果物が表示されてた……。
 起動画面だよねこれ。

 えっと、果物のマークのところを……。
 電話作ったきっかけスライムだしスライムでいいや。
 ほいっ。(キラッ)

 お、変わった。
 すげぇ簡単に操作できるな。

 これって半分僕の魔法だけど半分システム利用してるようなもんだからかな?
 システムさんが僕の脳内のイメージ読んでやってくれてる感じだろうなぁ。

『あ、エステル?見ていいよ?』

「え、えぇ……。わぁ!スライムのクロムさんが箱に入ってます!ぷちクロちゃんが消えてしまったのでうれしいです♪」

『それ僕かなぁ?今だとライムじゃない?』

「ちょっと表情が違うんですよ?これはクロムさんのお顔ですね、ふふ♪」

 ふーん?
 僕自分の表情までみたことなかったなぁ。
 そう言われてみればライムはもうちょい無表情で眠そうな感じかな?

「ただ、クロムの姿以外は真っ暗じゃの?これをどうにかするのかぇ?」

『多分外観だけ真似てつくったけど、僕が考えうる機能を1つずつ作って行かないとダメなんだよ』

『おでんわほしい~!』

『そだね。電話は必須だね。あとはメールアプリとメモとか……?』

 電話は意思伝達イメージでできそうでしょ?

 メールは単純にシステムサーバーにアドレス付きの文字データを格納すればいいんだよ。
 SQLとか勉強したなぁ。
 そのイメージでやってくれそうだ。

 プログラマーの時にデータベース見てたことあるからある程度具体的にわかるよ。
 メモに関しても同じだね。

 ただ、写真とか動画とか作れるのかなぁ?
 さすがに構造知らないんだけど……うーん。

 写真や動画ってなってくるとシステムの機能じゃないでしょ?
 端末にその仕組みを持たせないとダメだから僕の知識じゃちょっとキツそうかなぁ。
 一応外装だけカメラレンズはあるんだけどなぁ……。

「……ぼく、協力できない。なにいってるかわからない。寝ていい?」

『クラムも~!はぁ~あ。ねむい~』

『あ、うんうん!みんなご飯も食べたしお風呂入って寝な?僕夜通しやっとくから!』

「いや、一旦そこまでにしてクロムも寝るのじゃ……」

 ・
 ・
 ・

『できた……。……めっちゃねむい。あ、朝5時だ……』

「私も眠いです……。クロムさん寝ましょ?」

『寝てよかったのに……』

「久しぶりのクロムさんなんです!一緒に寝るんです!」

「やはりクロムは寝んではないか……」

 だって、目の前にスマホあったら弄り倒すでしょ!!
 とりあえず白い背景に電話とメールとメモと時計アプリ作るとこまでは出来た……。

 あ!あとセキュリティ設定。プライバシー大切!
 これ簡単だった。
 設定画面開いて魔力流せばユーザー登録できるってイメージしたら出来たんだ。

 僕、知らないうちに創造魔法の使い勝手めちゃくちゃ上がってる……。
 ソフィア様、使徒になっても気軽に話せるようになるだけって言ったじゃん……。

 まぁいいや。
 で、みんな用のスマホも作ったんだ。
 一回作ったら同じものを魔法で出すことは可能みたい。

 ただ、創造魔法だし僕しかイメージわからない完全オリジナル魔法。
 だからエステルにもおばあちゃんにもスマホ魔法は使えなかった。

 でも、この魔法魔力全然使わないの。
 元は光魔法と無属性魔法だしね。

 出しっぱなしで渡せばいいや。
 どうせ普段はアイテムボックスに入れてるしね。

 僕用にシステム枠もらったからそれを保持するエネルギーはかかると思うんだ。
 でも魔法としてのエネルギー使用度は全然低レベルっぽい。

 むしろ出し続けても魔力減ってるのなんてわかんない。
 魔力急速回復しちゃうしね。

 ってか一応これ結界だからさ。
 スマホがそんな大ダメージくらって壊れることなんてないよ。
 魔力注ぐ必要ないし出しっぱなしで全く問題ナシ!

 一旦最低限作れたかなぁ……。
 まさか僕がスマホ作る事になるとは………はぁ~あ。
 とりあえず寝よっと。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中
ファンタジー
⭐️チート薬学4巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

青い鳥と 日記 〜コウタとディック 幸せを詰め込んで〜

Yokoちー
ファンタジー
もふもふと優しい大人達に温かく見守られて育つコウタの幸せ日記です。コウタの成長を一緒に楽しみませんか? (長編になります。閑話ですと登場人物が少なくて読みやすいかもしれません)  地球で生まれた小さな魂。あまりの輝きに見合った器(身体)が見つからない。そこで新米女神の星で生を受けることになる。  小さな身体に何でも吸収する大きな器。だが、運命の日を迎え、両親との幸せな日々はたった三年で終わりを告げる。  辺境伯に拾われたコウタ。神鳥ソラと温かな家族を巻き込んで今日もほのぼのマイペース。置かれた場所で精一杯に生きていく。  「小説家になろう」「カクヨム」でも投稿しています。  

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...