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63話 - 最悪の予感
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工場らしき建物の裏手に回ってきた。
『あそこから見れそうだからあの木の上に連れてってー』
≪は~い≫
よいしょっと……じゃあここから…
クラムに飛ばせてもらい窓の向かいの木にによじ登ろうとした…その時
(ガシャーン!)
中から何かが割れる音が聞こえた。
『なんだ!?トラブルか!?』
中の様子を伺うとどうやら1人のハイエルフが瓶の入った木材の箱を倒してしまったようだ。
ここは……落ち葉を仕分けして薬剤の入った瓶に詰め込んでいるのか?保存容器かな……
本当に工場みたいだ。
「なにをやっている!!その瓶ひとつひとつもお前らの給金で賄えない程高価なんだぞ!?ガラスの瓶なんてとても希少なのに……これで怒られるのは俺なんだぞ!!きっさま~」
そういいながら瓶を割ったハイエルフの胸倉をエルフが持ち上げた。
「すみませんすみませんすみません……」
そこにエステルが飛び出した!
「やめてください!すみません。私が片付けますから……」
「あ゛!?なんだお前は!?ん?お前は……確かルイズ様が話していた娘か?よし、この場は抑えてやる。そのかわりお前あとで俺のところにこい。ルイズ様のところへつれていく。これで気が済めばいいが……」
「……わかりました。」
マズいことになった!!ルイズってあの領主候補だろ!?昨日エステルを館に連れ込もうとしてたやつだ!
≪エステルだいじょぶかな……≫
どうすればいいんだ……。
僕が出て行ってもなにもできないぞ……。
その場はとりあえず抑えられ仕事に戻った。
たまにエルフの怒号が飛び交っている中黙々と皆で作業が行われていた。
そこから数時間後……
仕事が終わる時間になりエステルが先程のエルフに呼びつけられた。
「おい娘!早く来い。館にむかうぞ。」
そこに先程瓶を倒していたハイエルフが……
「すみません、私が責任をとりますので許していただけませんか……」
「お前がどう責任をとるんだよ!ガラスの瓶なんか俺たちでも普段使いできない程高価なものなんだぞ!?世界樹の葉を保存するのに必要だから特注でつくってるんだぞ!!」
「労働でも小間使いでもなんでもしますのでエステルを連れていくのは……」
「うるさい!そこをどけ!」
エステルがエルフにこっそり話かけている……
「大丈夫ですよ兄様。少し行ってお話をして来るだけです。この方々は私たちに手出しはできないはずですから……」
職場の外に連れられて館の方に歩いて行く。
他のハイエルフも止めようとはしているが尻込んでしまっている。エルフにはなかなか強く出られないみたいだ……
エステルは館に入っていった。
魔力感知!どの部屋だ!?室内の廊下を歩いているのか……?
お、止まったここか!
『クラム窓際に回るぞ!』
ちなみにこの成金屋敷にはハイエルフの家と違い窓にガラスが使われている。
窓もかなり多い……聴力強化していればきっと声が……
あった!この部屋か!?
『ちょっと離れて望遠でのぞくぞクラム!』 ≪わかった~!≫
・
・
・
「ルイズ様、失礼します」
「なんだ」
「ハイエルフが保存用の瓶を割ってしまいまして……」
「またか!私が逐一報告をあげなければならんのだぞ!今月はもうこれで7本目だ!なぜ私の任期の時に限って……」
「……ルイズ様話は変わるのですが……あの娘を連れてまいりました。」
「なんだと!?ほぅ……でかした。お前は娘を入れて下がれ」
「はっ……では失礼します……」(ガチャ)
あんのやろう……
「入れ。」
「はい。ご用はなんでしょうか。」
「貴様、先日はなぜ来なかった。」
「用があると申し上げたはずですが……」
「ほぅ。強気なところも好みだな……。貴様、私がお前を夜伽相手にでも連れ込もうと思ったのではあるまいな?」
「……」
違うのか?そうとしか思えなかったが……
「私は来週で任期が終了し領へ戻る。」
「そうですか。」
「ついてまいれ。」
「はい?」
「世話役が足りぬのでな。貴様を気に入ったからついてまいれと言っている。奴隷にしてやろう」
奴隷だと……?ふざけんなよ……くっそ。
「いやです……」
「ほう……断れると思っているのか?」
「どういうことでしょうか?」
「貴様、私が何も知らぬとでも思っているのか?日々集落を抜けだしていたであろう?この集落からでるのは禁止されているはずだが?この前に至っては長らく帰ってこなかったな?お前の兄によれば寝込んでいたのであったか?」
「知っていたのですか……」
「そんなこと気付いているに決まっておろうが。ただそこで貴様を罰しても何も私に利がない。それでは面白くないから泳がせていただけのことだ。他のエルフには何もするな、と申しつけてあっただけのこと。」
……一番悪い予感が当たってしまった。
実は僕もその可能性は考えなくはなかった。
この少人数で狭いハイエルフの集落で管理ができていないわけがない……
何度も抜け出していてバレていない方がおかしい。
そうなると単にめんどくさいから見逃していたか、何かに利用するために見逃していたことになる……
前者の可能性は低いだろうと思っていた。
むしろエステルが抜け出した日に何か罰がある方が自然だった。
奴隷のように扱っている種族に対して病気で寝込んでいるから、で何も咎めない方がおかしいだろ。
病気で寝込んでいようとなにか罰則はあるはずだ。
エステルは何もなかったと言い続けていたが、何もないが一番不自然だ……
見て見ぬふりをしていただけだったんだ。
「ハイエルフは集落で世界樹の資材を集めるというのが義務のはずです!そんな……奴隷なんて……認められないはずです!!」
「そうだが?ただお前は私達エルフが貴様ら劣等種にこのようにふざけた真似をされて何も罰を与えないとでも思っているのか?基本的には我らは貴様らに手出しはするなと言われている。国の利にもなるのでな。ただ例外は何事にもあるのだ。貴様らが謀反を起こした場合、集落から脱走した場合等だな。」
「……」
「脱走した場合他種族に捕えられる可能性がある。そうなるとこちらの不利益になることがでてくるのだ。そのような場合はそこで切り捨てることも認められている。貴様は我らが手出しできんと思って舐めた真似をしていたのであろう?」
「そんなこと……他のハイエルフが黙って見ているわけありません……」
「では、言えばいいのではないか?反乱が起きるなら仲間もろとも切り捨てるだけの話だ。それも認められている。数人目の前で血祭りにあげれば大人しくなるだろうな。」
「汚い……」
「国には貴様はそもそも脱走したときに切り捨てたと報告すればよい。脱走中に魔物に喰われたことにしてもいいが、反乱を防いだことにした方が私に利があるのでな。死んだと報告するのだからな。死人を私がどう扱ってもよいであろう。」
「……」
「機会をうかがっていたのだ。どのようにするのが一番自分に利があるか。貴様が私の任期中に集落から長期間抜けだしてくれて助かったぞ。貴様の身の振り方をよく考えてみるのだな。何も言わず私についてくるのが貴様の一族の為になるとおもうがな、はっはっは。」
「……逃げようとは思うなよ?来週、騎士が迎えに来る日の早朝、集落を出てしばらく直進したところに池がある。そこで待て。そこに貴様がいなければ集落に戻り、お前の脱走を隠した兄を脱走の手引きをしたとして処刑する。」
「……!」
「貴様に選択肢などないのだよ。わかれば下がってよいぞ。」
くそエルフがあああ……
・
・
・
エステルが自分の家に帰ってきた。
『エステル、聞こえるか?』
「……はい。」
『話は聞いていた。』
「そうですか……」
『……僕があいつを殺そうか?』
「私の為にクロムさんにそんなことをさせたくありません……少し考えさせてください……」
『わかった。』
………
『あそこから見れそうだからあの木の上に連れてってー』
≪は~い≫
よいしょっと……じゃあここから…
クラムに飛ばせてもらい窓の向かいの木にによじ登ろうとした…その時
(ガシャーン!)
中から何かが割れる音が聞こえた。
『なんだ!?トラブルか!?』
中の様子を伺うとどうやら1人のハイエルフが瓶の入った木材の箱を倒してしまったようだ。
ここは……落ち葉を仕分けして薬剤の入った瓶に詰め込んでいるのか?保存容器かな……
本当に工場みたいだ。
「なにをやっている!!その瓶ひとつひとつもお前らの給金で賄えない程高価なんだぞ!?ガラスの瓶なんてとても希少なのに……これで怒られるのは俺なんだぞ!!きっさま~」
そういいながら瓶を割ったハイエルフの胸倉をエルフが持ち上げた。
「すみませんすみませんすみません……」
そこにエステルが飛び出した!
「やめてください!すみません。私が片付けますから……」
「あ゛!?なんだお前は!?ん?お前は……確かルイズ様が話していた娘か?よし、この場は抑えてやる。そのかわりお前あとで俺のところにこい。ルイズ様のところへつれていく。これで気が済めばいいが……」
「……わかりました。」
マズいことになった!!ルイズってあの領主候補だろ!?昨日エステルを館に連れ込もうとしてたやつだ!
≪エステルだいじょぶかな……≫
どうすればいいんだ……。
僕が出て行ってもなにもできないぞ……。
その場はとりあえず抑えられ仕事に戻った。
たまにエルフの怒号が飛び交っている中黙々と皆で作業が行われていた。
そこから数時間後……
仕事が終わる時間になりエステルが先程のエルフに呼びつけられた。
「おい娘!早く来い。館にむかうぞ。」
そこに先程瓶を倒していたハイエルフが……
「すみません、私が責任をとりますので許していただけませんか……」
「お前がどう責任をとるんだよ!ガラスの瓶なんか俺たちでも普段使いできない程高価なものなんだぞ!?世界樹の葉を保存するのに必要だから特注でつくってるんだぞ!!」
「労働でも小間使いでもなんでもしますのでエステルを連れていくのは……」
「うるさい!そこをどけ!」
エステルがエルフにこっそり話かけている……
「大丈夫ですよ兄様。少し行ってお話をして来るだけです。この方々は私たちに手出しはできないはずですから……」
職場の外に連れられて館の方に歩いて行く。
他のハイエルフも止めようとはしているが尻込んでしまっている。エルフにはなかなか強く出られないみたいだ……
エステルは館に入っていった。
魔力感知!どの部屋だ!?室内の廊下を歩いているのか……?
お、止まったここか!
『クラム窓際に回るぞ!』
ちなみにこの成金屋敷にはハイエルフの家と違い窓にガラスが使われている。
窓もかなり多い……聴力強化していればきっと声が……
あった!この部屋か!?
『ちょっと離れて望遠でのぞくぞクラム!』 ≪わかった~!≫
・
・
・
「ルイズ様、失礼します」
「なんだ」
「ハイエルフが保存用の瓶を割ってしまいまして……」
「またか!私が逐一報告をあげなければならんのだぞ!今月はもうこれで7本目だ!なぜ私の任期の時に限って……」
「……ルイズ様話は変わるのですが……あの娘を連れてまいりました。」
「なんだと!?ほぅ……でかした。お前は娘を入れて下がれ」
「はっ……では失礼します……」(ガチャ)
あんのやろう……
「入れ。」
「はい。ご用はなんでしょうか。」
「貴様、先日はなぜ来なかった。」
「用があると申し上げたはずですが……」
「ほぅ。強気なところも好みだな……。貴様、私がお前を夜伽相手にでも連れ込もうと思ったのではあるまいな?」
「……」
違うのか?そうとしか思えなかったが……
「私は来週で任期が終了し領へ戻る。」
「そうですか。」
「ついてまいれ。」
「はい?」
「世話役が足りぬのでな。貴様を気に入ったからついてまいれと言っている。奴隷にしてやろう」
奴隷だと……?ふざけんなよ……くっそ。
「いやです……」
「ほう……断れると思っているのか?」
「どういうことでしょうか?」
「貴様、私が何も知らぬとでも思っているのか?日々集落を抜けだしていたであろう?この集落からでるのは禁止されているはずだが?この前に至っては長らく帰ってこなかったな?お前の兄によれば寝込んでいたのであったか?」
「知っていたのですか……」
「そんなこと気付いているに決まっておろうが。ただそこで貴様を罰しても何も私に利がない。それでは面白くないから泳がせていただけのことだ。他のエルフには何もするな、と申しつけてあっただけのこと。」
……一番悪い予感が当たってしまった。
実は僕もその可能性は考えなくはなかった。
この少人数で狭いハイエルフの集落で管理ができていないわけがない……
何度も抜け出していてバレていない方がおかしい。
そうなると単にめんどくさいから見逃していたか、何かに利用するために見逃していたことになる……
前者の可能性は低いだろうと思っていた。
むしろエステルが抜け出した日に何か罰がある方が自然だった。
奴隷のように扱っている種族に対して病気で寝込んでいるから、で何も咎めない方がおかしいだろ。
病気で寝込んでいようとなにか罰則はあるはずだ。
エステルは何もなかったと言い続けていたが、何もないが一番不自然だ……
見て見ぬふりをしていただけだったんだ。
「ハイエルフは集落で世界樹の資材を集めるというのが義務のはずです!そんな……奴隷なんて……認められないはずです!!」
「そうだが?ただお前は私達エルフが貴様ら劣等種にこのようにふざけた真似をされて何も罰を与えないとでも思っているのか?基本的には我らは貴様らに手出しはするなと言われている。国の利にもなるのでな。ただ例外は何事にもあるのだ。貴様らが謀反を起こした場合、集落から脱走した場合等だな。」
「……」
「脱走した場合他種族に捕えられる可能性がある。そうなるとこちらの不利益になることがでてくるのだ。そのような場合はそこで切り捨てることも認められている。貴様は我らが手出しできんと思って舐めた真似をしていたのであろう?」
「そんなこと……他のハイエルフが黙って見ているわけありません……」
「では、言えばいいのではないか?反乱が起きるなら仲間もろとも切り捨てるだけの話だ。それも認められている。数人目の前で血祭りにあげれば大人しくなるだろうな。」
「汚い……」
「国には貴様はそもそも脱走したときに切り捨てたと報告すればよい。脱走中に魔物に喰われたことにしてもいいが、反乱を防いだことにした方が私に利があるのでな。死んだと報告するのだからな。死人を私がどう扱ってもよいであろう。」
「……」
「機会をうかがっていたのだ。どのようにするのが一番自分に利があるか。貴様が私の任期中に集落から長期間抜けだしてくれて助かったぞ。貴様の身の振り方をよく考えてみるのだな。何も言わず私についてくるのが貴様の一族の為になるとおもうがな、はっはっは。」
「……逃げようとは思うなよ?来週、騎士が迎えに来る日の早朝、集落を出てしばらく直進したところに池がある。そこで待て。そこに貴様がいなければ集落に戻り、お前の脱走を隠した兄を脱走の手引きをしたとして処刑する。」
「……!」
「貴様に選択肢などないのだよ。わかれば下がってよいぞ。」
くそエルフがあああ……
・
・
・
エステルが自分の家に帰ってきた。
『エステル、聞こえるか?』
「……はい。」
『話は聞いていた。』
「そうですか……」
『……僕があいつを殺そうか?』
「私の為にクロムさんにそんなことをさせたくありません……少し考えさせてください……」
『わかった。』
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