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89話 - 奴隷商と魔物商
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あれは……貴族と奴隷か……?
『エステル、あれは奴隷か?』
「おそらくそうだと思います」
『奴隷ってこの世界では合法なのか?』
「あ、はい。実際みたのは初めてですが……。しっかり法で規制されていてちゃんと人権の保障をされているそうですよ?自ら希望してなる人もいるみたいです。」
『どんな奴隷がいるんだ?』
「一般奴隷と犯罪奴隷ですね。一般奴隷は主に借金や身売りです。仕事も見つからず借金を返す当てがなかったり食べていけない人が自分を売り込むみたいですよ。奴隷になると購入された時点で利子がストップするんです。で、奴隷商が奴隷につけた金額にプラスして購入者が変わりに利子を払う感じになっています。身売りの方の場合は購入までに奴隷商でかかった生活費もプラスされますね。借金が莫大なものは購入費もそれだけ高くなるのであまり買い手がつかないですね……」
『犯罪奴隷っていうのは?』
「犯罪奴隷はそのままです。法を犯した物が刑罰として落とされる奴隷です。あと購入者がつかない一般奴隷が3年すると犯罪奴隷に落とされるみたいですね」
『奴隷ってどんなことさせられるんだ?』
「一般奴隷は自分で決められます。労働や家事、護衛や戦闘奴隷……冒険者の補助をしているような人もいるそうですね。極論……夜の奉仕等を許可するかどうかも本人次第です。もちろん購入者を選択することも可能です。自分を売り込めればいいわけですから多種に渡りますね。借金を完済できればおしまい。そのまま雇われることもあるそうなのでそこまで忌避する感じではないですね」
『あ、すまん!言いにくい事言わせた!ごめんな!』
「あ、大丈夫です!犯罪奴隷は購入者の選択はできません。期間も犯罪の度合いによりますし、基本一般的に劣悪な環境で厳しい労働が科せられます。本当に重罪な物は国に所有権がうつって戦争に駆り出されたりも……。そこは犯罪の度合いによりますね。期限間近の一般奴隷は必死になるそうです」
なるほど……
一般奴隷は最後の就職チャンスみたいなものなのか?
何でもやるから雇ってください!!的な……
でも選りすぐりしすぎると3年で犯罪奴隷に落とされると。
犯罪奴隷の方は刑罰の代わりって感じかな?
『ただ……』
ん?
『やはり違法奴隷も中にはいるようです。この辺りは私はあまりわからないのですが……契約条件外の労働を強いたり、契約期間を無視して従わせたり……以前クロムさんに言った隷属魔法のようなものがあるらしくそれを強制的に行い闇取引されている者もいるとか……。あと私がエルフに強制的に従わされそうになっていたのもこれにあたります。犯罪以外に強制的に奴隷に落とすのは禁止されていますので……』
なるほどな……
あのエルフ……まぁもうどうなったか知らんけどな。
『ありがとう、勉強になった』
この世界の奴隷は違法でない限りは得に忌避する感じではなさそうだ。
今、前を通った奴隷も身なりも普通で痩せこけてもおらず暗い顔もしていなかった。
あの人は良い主なんだろう。
どっちにしろ僕は奴隷を従えたいとは全く思わないので関係のない話だ。
-----
冒険者区画の方まで歩いてくると見慣れない看板の店があった。
ここは……?
「これは魔物商じゃないですかね?」
『魔物を従わせてるのか……』
「あ、いえいえ。おそらくお店の方が育てたんですよ」
あ、そうなの?
「馬のように足の速い魔物を行商の為に貸し出したりしているんだと思いますよ?魔物を強制的に縛る魔法もあるのかもしれないですが、そんなことをしても言うことは聞いてくれないですからね。ご飯をあげる代わりに働いてもらってるんだと思います。」
へー。色んな店があるんだなぁ……
ここはちょっと気になるな。飼わなくていいがどんな魔物がいるんだろう?
「入ってみます?私も本で読んだだけで実際に見るのは初めてなので興味ありますね!」
『おお!それじゃ入ろうぜ!』
(ガチャッ)
「いらっしゃーい。お、ねえちゃんテイマーか?」
「あ、テイマーって訳でもないんですけど少し見せていただきたくて」
「おー。ゆっくり見て行ってくれ。うちは騎乗と行商用専門だ。みんな人懐っこくていいやつだ。馬に比べりゃ力強いし足も速いぞ!ちと馬借りるより値ははるがな。いつでも利用してくれ」
『お、すげぇ!鱗生えた青い馬がいる!』
「そいつぁケルピーだな。足そんな速くねぇけど沼地とか行きたいならいいぞ。水を恐れねぇからな。悪路に強いぞ」
(ブヒヒーン)
「こっちは……大きい鳥さんですか?」
「ハンマービークだ。口が鈍器みたいになってる走るの早い魔物の鳥だぞ。ただなぁ……そいつ馬よりだいぶ足早いけどちょっと臆病な性格してんだよ……。安全なとこ行くなら早いぞ。可愛がってやってくれや」
(グエェェ)
(ワオオオオオオン) 『びっくりしたあ~』
クラムが舐められている……
こいつはウルフじゃないのか?ちょっとドッシリしてるな?
「そいつ一押しだぞ!ロックハウンドだ。野生のは獰猛だがそいつは優しい性格してるぞ。荷物も引けるしちょっとの魔物なら跳ね飛ばしてくれるな。土魔法も使えるし強いんだ!ただ……すげぇ食うんだよそいつ……。餌代かかるな……。気にしないならそいつが万能でおススメだけどな」
その他にもいろんな魔物を見せてもらった。
色んな魔物がいるんだなぁ……それに店主さんにみんなすごい懐いてた。
人と共存してる魔物もいるんだな~。
「魔物は馬よりいいとこあるけど癖あるやつが多いかもしんねぇな?平均的なの欲しいなら馬の方がいい。ちょっと面倒な旅とか行くときは魔物がいいな。馬も裏手に店があって嫁が貸し出してるからまた見てってくれや」
「はい!また是非♪ご説明ありがとうございました!」
いや~、楽しかった。
魔物がみんな幸せそうな顔をしていた。
また騎乗用の魔物を借りて散歩にいったりするのもいいな。
『わんちゃんかわいかった~』
「そうですね♪一度くらい借りてみてもいいかもしれません」
全力で走ると僕らのほうが早いから必要として借りることはあんまりないだろうけどね。
ただそういう気楽な旅っていいよなぁ……
さて、じゃあそろそろ宿でも探すか。
(ガヤガヤ……)
ん?外で揉め事か……?
「だから金は払うといっておろうが!!」
「すみませんクルード様……本人の希望にそぐわないので……」
斜め向かいの店の前で怒鳴っているやつがいる……。
ってクルード……だと?悪徳領主の名前か……?
「何が不満なんだ!倍額出してやると言っておるだろうが!」
「彼女は一般奴隷ですので……本人の要望は無視できかねます。申し訳ございません……」
あそこは奴隷商なのか……?
「せっかく来てやったというのに。だから表の奴隷は気に喰わんのだ。覚えておれよ……期限切れで残ってたら………ん?」
やば!こっち向いた!目を合わせるな!!
「ほう、そこの人間。冒険者か?」
話しかけてきやがったー!!
「……」
「おい!そこの女!クルード様がお声をかけてくださっているのだぞ!」
横にいる護衛のようなやつがこっちに向かって怒鳴ってきた。
「……はい。冒険者です」
「そんな装いをしてどうせ碌な稼ぎもないのだろ?金貨1枚だしてやるぞ。屋敷で奉仕せい」
『クラムがつくったのに~む~』
何がそんな装いだ!クラムお手製だぞ!
街売りのより全然かわいいわ!!
ちなみにクルードは贅をこらしています!って感じの趣味の悪い貴族みたいな服装に宝石などもかなりつけている様子。
それに贅肉たぽたぽの40代くらいのおっさんだ。悪徳貴族代表じゃん。
「いえ。好んで冒険者をしておりますので……」
「断るつもりか!!」
いや、クルードって貴族も貴族だが、なんなのこの取り巻きも!
ぶっ飛ばしたいんだが!!
それに何が金貨1枚だ!魔の森行けば1日で10倍稼げるわ!
……いや、そういうことじゃないな。
面倒な奴に絡まれてしまった………
『エステル、あれは奴隷か?』
「おそらくそうだと思います」
『奴隷ってこの世界では合法なのか?』
「あ、はい。実際みたのは初めてですが……。しっかり法で規制されていてちゃんと人権の保障をされているそうですよ?自ら希望してなる人もいるみたいです。」
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「一般奴隷と犯罪奴隷ですね。一般奴隷は主に借金や身売りです。仕事も見つからず借金を返す当てがなかったり食べていけない人が自分を売り込むみたいですよ。奴隷になると購入された時点で利子がストップするんです。で、奴隷商が奴隷につけた金額にプラスして購入者が変わりに利子を払う感じになっています。身売りの方の場合は購入までに奴隷商でかかった生活費もプラスされますね。借金が莫大なものは購入費もそれだけ高くなるのであまり買い手がつかないですね……」
『犯罪奴隷っていうのは?』
「犯罪奴隷はそのままです。法を犯した物が刑罰として落とされる奴隷です。あと購入者がつかない一般奴隷が3年すると犯罪奴隷に落とされるみたいですね」
『奴隷ってどんなことさせられるんだ?』
「一般奴隷は自分で決められます。労働や家事、護衛や戦闘奴隷……冒険者の補助をしているような人もいるそうですね。極論……夜の奉仕等を許可するかどうかも本人次第です。もちろん購入者を選択することも可能です。自分を売り込めればいいわけですから多種に渡りますね。借金を完済できればおしまい。そのまま雇われることもあるそうなのでそこまで忌避する感じではないですね」
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「あ、大丈夫です!犯罪奴隷は購入者の選択はできません。期間も犯罪の度合いによりますし、基本一般的に劣悪な環境で厳しい労働が科せられます。本当に重罪な物は国に所有権がうつって戦争に駆り出されたりも……。そこは犯罪の度合いによりますね。期限間近の一般奴隷は必死になるそうです」
なるほど……
一般奴隷は最後の就職チャンスみたいなものなのか?
何でもやるから雇ってください!!的な……
でも選りすぐりしすぎると3年で犯罪奴隷に落とされると。
犯罪奴隷の方は刑罰の代わりって感じかな?
『ただ……』
ん?
『やはり違法奴隷も中にはいるようです。この辺りは私はあまりわからないのですが……契約条件外の労働を強いたり、契約期間を無視して従わせたり……以前クロムさんに言った隷属魔法のようなものがあるらしくそれを強制的に行い闇取引されている者もいるとか……。あと私がエルフに強制的に従わされそうになっていたのもこれにあたります。犯罪以外に強制的に奴隷に落とすのは禁止されていますので……』
なるほどな……
あのエルフ……まぁもうどうなったか知らんけどな。
『ありがとう、勉強になった』
この世界の奴隷は違法でない限りは得に忌避する感じではなさそうだ。
今、前を通った奴隷も身なりも普通で痩せこけてもおらず暗い顔もしていなかった。
あの人は良い主なんだろう。
どっちにしろ僕は奴隷を従えたいとは全く思わないので関係のない話だ。
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冒険者区画の方まで歩いてくると見慣れない看板の店があった。
ここは……?
「これは魔物商じゃないですかね?」
『魔物を従わせてるのか……』
「あ、いえいえ。おそらくお店の方が育てたんですよ」
あ、そうなの?
「馬のように足の速い魔物を行商の為に貸し出したりしているんだと思いますよ?魔物を強制的に縛る魔法もあるのかもしれないですが、そんなことをしても言うことは聞いてくれないですからね。ご飯をあげる代わりに働いてもらってるんだと思います。」
へー。色んな店があるんだなぁ……
ここはちょっと気になるな。飼わなくていいがどんな魔物がいるんだろう?
「入ってみます?私も本で読んだだけで実際に見るのは初めてなので興味ありますね!」
『おお!それじゃ入ろうぜ!』
(ガチャッ)
「いらっしゃーい。お、ねえちゃんテイマーか?」
「あ、テイマーって訳でもないんですけど少し見せていただきたくて」
「おー。ゆっくり見て行ってくれ。うちは騎乗と行商用専門だ。みんな人懐っこくていいやつだ。馬に比べりゃ力強いし足も速いぞ!ちと馬借りるより値ははるがな。いつでも利用してくれ」
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「こっちは……大きい鳥さんですか?」
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クラムが舐められている……
こいつはウルフじゃないのか?ちょっとドッシリしてるな?
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色んな魔物がいるんだなぁ……それに店主さんにみんなすごい懐いてた。
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魔物がみんな幸せそうな顔をしていた。
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ん?外で揉め事か……?
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斜め向かいの店の前で怒鳴っているやつがいる……。
ってクルード……だと?悪徳領主の名前か……?
「何が不満なんだ!倍額出してやると言っておるだろうが!」
「彼女は一般奴隷ですので……本人の要望は無視できかねます。申し訳ございません……」
あそこは奴隷商なのか……?
「せっかく来てやったというのに。だから表の奴隷は気に喰わんのだ。覚えておれよ……期限切れで残ってたら………ん?」
やば!こっち向いた!目を合わせるな!!
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「……」
「おい!そこの女!クルード様がお声をかけてくださっているのだぞ!」
横にいる護衛のようなやつがこっちに向かって怒鳴ってきた。
「……はい。冒険者です」
「そんな装いをしてどうせ碌な稼ぎもないのだろ?金貨1枚だしてやるぞ。屋敷で奉仕せい」
『クラムがつくったのに~む~』
何がそんな装いだ!クラムお手製だぞ!
街売りのより全然かわいいわ!!
ちなみにクルードは贅をこらしています!って感じの趣味の悪い貴族みたいな服装に宝石などもかなりつけている様子。
それに贅肉たぽたぽの40代くらいのおっさんだ。悪徳貴族代表じゃん。
「いえ。好んで冒険者をしておりますので……」
「断るつもりか!!」
いや、クルードって貴族も貴族だが、なんなのこの取り巻きも!
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