最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

文字の大きさ
103 / 270

101話 - 半分こ

しおりを挟む
「それでは、クラマ様の登録とエステル様のランク更新を行ってきます。少々お待ちください。あ、パーティー登録はどうなさいますか?」

 パーティー?あ、そうか。
 今まで実質エステル1人だったもんな。

 でもこの世界パーティー組んでも経験値配分がされるわけでもないし……
 え、無理だよね?

『パーティー組むメリットってあるの?経験値配分とかされんの?』

「パーティーを組むメリットってあるんですか?経験値配分されるとか……」

 あ、ありがとエステル。

「経験値配分……?いえ、単純に同じチームのメンバーとして登録されるだけですよ?パーティー単位で有名になったり……闘技大会なども個人戦以外にパーティー戦もありますね。複数パーティー合同のクランなどもございます。あとは……他のパーティーから勧誘されにくくなりますかねぇ?あとは……えっと……あ、パーティー単位で口座がつくれたり倉庫が借りられます!」

 うん、わかった。
 あんまないんだな。
 経験値配分なんてこの世界にあるわけなかった……

 ただでさえしっかり経験しないと経験値0の世界でパーティーだから経験値もらえるとか意味わからんもん。

 寄生し放題じゃん。
 ポンコツが出来上がるしむしろそのシステムいらない。

『とりあえず勧誘とか来たら嫌だし組んでおこっか。名前後付けでもいいかなぁ。そんな簡単に思いつく?』

『思いつかないです……』

『……?』

 うん、クラマはね。苦手でしょ絶対。

『はぁ~おあよ~』

 あ、クラム起きた。

『おはよクラム、ねぇねぇパーティー名って何か思いつく?』

『ぱーてぃー?やきにく~』

 うん。知ってた。
 この前オーク肉で焼肉パーティーしたんだよね……
 楽しそうだったもんなクラム……

「登録して欲しいのですがパーティー名って要りますか?後でも大丈夫です?」

「はい、大丈夫ですよ。では個人名で登録しておきます。またパーティー名が思い浮かびましたらギルドまで。少しお時間かかりますのでおかけになってお待ちください」

 そういえばアランノルドサラさんってパーティー名あったのかな?
 名乗ってなかったけど。今度会ったら聞いてみよっと。

 ・
 ・
 ・

 クラマの登録、エステルの更新、パーティー登録を全て同時に行っているので結構時間がかかるようだった。もう30分くらいは経った。

 クラマクラムがうとうとしてる……。

 静かにしてると眠くなっちゃうよねぇ……
 元々口数多い方じゃないもんね2人とも。
 ってかうちのパーティーみんなそうかも?

『ちょっと長いなぁ。仕方ないけどね。2人とも寝ちゃいそうだ。クラム起きたばっかなのに……』

『ふふ。そういえば口座や倉庫って作ります?』

『あーどうしよっかなぁ……お金も素材もアイテムボックスが一番安全だろ?』

『ですねぇ。異次元収納万能ですから……私達にはあまり活用の場はないかもしれないですねぇ』

『まぁこの先ダンジョンとかいくし、アイテムボックスいくら広げても足りない!みたいな状況になったら借りようか。ちょっとこの前の空間魔法のせいでMP足りなくなってきたんだよね。今MP50000程アイテムボックスに振ってるけどさ……』

『MPそんなに使っててまだクロムさんが一番ゆとりあるのはすごいですけどねぇ…』

『僕それくらいしか取り柄が……』

 と、エステルと何気ない会話を楽しんでいたら……
 4人くらいデカいやつが近付いてきたな。

『エステル』

『気付いてますよ』

「おいおい、いつからここはお遊戯会場になったんだ?こんな子供2人が冒険者やってだいじょぶかよ、はっはっはっは」「「「はっはっはっは」」」

 わー。典型的なテンプレ。これぞテンプレ。
 前回のナンパと違う。ただ絡みに来ただけのやつだ。

 2人ともちっちゃいからなぁ。
 ただ……知らない人に話しかけるのそんな楽しいかぁ?

「私は成人してます!」

 あれ?ちょっとエステル膨れてる?
 気にしてるの?今まで全然そんな感じしなかったけど。

『エステルはそれで充分かわいいし美人だとも思うよ?どこいっても大人気じゃんか』

『ふふ♪ありがと……じゃありません!それとこれとは別です!』

 そうなんだ……ノンデリだった?

「おお、でもこいつ結構かわいいぞ」

 ほら、やっぱり。そっちに流れるんだ……。
 はぁ……めんどくさ……

「お?マジかよ、ちょっとこっち向いて……」

 あ、ちょっと!それは……

 冒険者がエステルの肩をもって強引に振り向かせようと……



(パチッ)シュッ……

(チャキッ)「……殺す?」

「ひぃ……」

『ころさないでくださあああああああああああい』



 した瞬間……
 目を覚ましたクラマがエステルに触れようとした冒険者の後ろに回り込んで短剣をのどに当てつけた……

 見えなかったぞ……今……

『クラマやれやれ~!』

 いつ起きたああああ煽るなクラムうううううううう!!

「じ、冗談じゃねぇか……ちょっと可愛いと思っただけで……」

 触ろうとして冗談も何もあるか。
 ちょっと僕もイラっとした。

「………ママに触るな」

「おお、すまねぇ……ちょっと大丈夫かとおもっただけだ……大丈夫そうだな。へへへ……」

『うん、エステルに触るな。……じゃあいっかな?半分だけね?僕もイラっとしたから残りの3分の1もらった』

『じゃあクラムも~』

『皆さん……でもちょっとうれしいですね……ふふ♪』

(チャキッ)

「ひぃぃぃ、待ってくれ!帰る!帰るから!」

「クラマくん、私は大丈夫ですよ?ありがとうございます♪」

「わかった……」

 短剣を下した瞬間冒険者たちはそっと後ずさってギルドからでていってしまった。
 
 うん、絡まれるくらいならほっておこって思うけど……
 僕もちょっと止めようかと思った。

 軽く体当たりくらいしていいかなぁ……
 スライム不便だなぁ……

「あ、あの~。登録おわりました……」(カタカタ)

 あ、受付嬢さん戻ってきてたんだ………震えてるじゃん………

「すみません……あ。あの……ギルド内で武器を抜くのは……」

 おお。すごいな、受付嬢さん……
 今のシーン見てよく言ったな。

 まぁ武器はあんま良くなかったか……
 僕もイラっとしたからね……反省だ。

(スタッスタッスタッスタッ)

「あらあら、今のはあいつらが悪いわよねぇ?」

 お?この人……受付さん?
 強いな……かなり……。

「君はママが大好きなの?」

「……うん」

(ナデナデ)「うふふ♪かわいい子ねぇ」

 クラマがなにもされずに頭をなでられてる……。
 すごい包容力だなこの人……

「ギルド長?」

 本部のギルド長さんなの!?この人!?
 どおりで強いと思った……

「でも他の人が怖がっちゃうから建物の中でで武器を抜くのはやめましょう?殴り飛ばすくらいならいいわよ?私が許すわ。ね?備品は壊さないで欲しいかしらね?うふふ♪」

「……わかった。次はそうする」

「いい子ねぇ、いい子は好きよ。君可愛いわ~。」

 この人……タイミングよく出てきたけどひょっとして見てたのかな。
 あのマルスさんみたいな感じで……

「でも今の子たちB級よ?あなた強いのねぇ……?この子ランクはいくつ?」

 あ、あいつらB級なの?鑑定もしてなかった……
 クラマってBくらいだと思ったんだけどな?

 Bってすごい枠広いんだな。
 クラマAくらいなのかなぁ。

「あ、はい。今、登録が完了しましたのでG級ですね」

「あらぁ……それはちょっとないわねぇ……。いいわ。少しテストしてあげる。ついてらっしゃいな?」



 あら、本部でもテスト……?
 相手はギルドマスターかな?
 でもクラマだけすごい離れちゃってるしありがたいかも。

『クラマ頑張れ!僕達に追いつけるかもしれないぞ!』

『クラマくんファイトです♪』

『いけいけ~!ねぇねおうえんしてるね~!』

「……うん。頑張る」



 あ、ちなみにギルドマスターはとっても美しいオネェさんでしたよ?
 ワンピースの胸元はじけ飛びそうだった。筋肉で。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中
ファンタジー
⭐️チート薬学4巻発売中⭐️ ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。  嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる! 転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。 新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか?? 更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

薬漬けレーサーの異世界学園生活〜無能被験体として捨てられたが、神族に拾われたことで、ダークヒーローとしてナンバーワン走者に君臨します〜

仁徳
ファンタジー
少年はとある研究室で実験動物にされていた。毎日薬漬けの日々を送っていたある日、薬を投与し続けても、魔法もユニークスキルも発動できない落ちこぼれの烙印を押され、魔の森に捨てられる。 森の中で魔物が現れ、少年は死を覚悟したその時、1人の女性に助けられた。 その後、女性により隠された力を引き出された少年は、シャカールと名付けられ、魔走学園の唯一の人間魔競走者として生活をすることになる。 これは、薬漬けだった主人公が、走者として成り上がり、ざまぁやスローライフをしながら有名になって、世界最強になって行く物語 今ここに、新しい異世界レースものが開幕する!スピード感のあるレースに刮目せよ! 競馬やレース、ウマ娘などが好きな方は、絶対に楽しめる内容になっているかと思います。レース系に興味がない方でも、異世界なので、ファンタジー要素のあるレースになっていますので、楽しめる内容になっています。 まずは1話だけでも良いので試し読みをしていただけると幸いです。

ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス

於田縫紀
ファンタジー
 雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。  場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

青い鳥と 日記 〜コウタとディック 幸せを詰め込んで〜

Yokoちー
ファンタジー
もふもふと優しい大人達に温かく見守られて育つコウタの幸せ日記です。コウタの成長を一緒に楽しみませんか? (長編になります。閑話ですと登場人物が少なくて読みやすいかもしれません)  地球で生まれた小さな魂。あまりの輝きに見合った器(身体)が見つからない。そこで新米女神の星で生を受けることになる。  小さな身体に何でも吸収する大きな器。だが、運命の日を迎え、両親との幸せな日々はたった三年で終わりを告げる。  辺境伯に拾われたコウタ。神鳥ソラと温かな家族を巻き込んで今日もほのぼのマイペース。置かれた場所で精一杯に生きていく。  「小説家になろう」「カクヨム」でも投稿しています。  

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

ちくわ
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処理中です...