216 / 270
212話 - 邪神
しおりを挟む
「すみません……少し眩暈が……」
『申し訳ねぇ……』
今まで転移ゲート通ったのって、
①うちの家族
②王様一派
③実はアクティブなハイエルフさん達……
なんだよね……。
家の家族は僕のことずっと見てるし。
王様一派はくぐり抜けてきた修羅場が数違いだろうしね。
ハイエルフさん達は切羽詰まってたのもあるし、
実際エステルが生きていたって信用度が凄くあるだろうしね……。
ここのみんなは完全なる一般の方々なんだよね……
魔法すらあまり見る機会は無いだろうにこんな魔法見せられてもなぁとは思うよ。
「私、魔の森の孤児院の様子を見てきましょうか?」
『そうだね?お願いしていい?』
「わかりましたー!”ゲート”ッ!」(ボワンッ)
まぁ魔石起動してるだけだからゲートっていう必要はないんだけどね。
気分の問題だよね。
「では行ってきますー!」(シュンッ)
「エステルさんもその魔法を……。一体どこへ……」
『魔の森の様子見に行ったんだよ。居なくなったでしょ?ちょっと待ってれば戻ってくると思うよ。今のは魔石起動しただけだからさ?あ、マリアさんって魔石の起動はできるよね?』
「え、えぇ、魔法は使えませんが魔力は持っていますので……」
最近はようやくお風呂に入るの慣れてくれて家で勝手に魔石使ってくれてるんだ。
子供もできるんだけど一応マリアさんがお湯入れたりしてるんだよ。
僕等が目の前で入れるわけにもいかないからね。
『やってみていいよ?はい。飛び込む勇気はないかもしれないけど魔石の起動は出来るでしょ?ちょっと慣れてみてよ。ほんとに安全だからさ』
「ですが……この魔石はとても大きいのでお高いのでは……」
『これ沢山取ってこられるんだ。でも一般販売できないの。その辺の価値の無い石ころだと思っていいよ。有り余ってるんだ。ほら……』(ゴロゴロゴロゴロ……)
「こんなに……」
『だからマリアさんの練習に使ってくれるなら本望だよ。これと……これがペアかな?やってみて?』
「は、はい……。では……ん……”ゲート”」(ボワンッ)
「ひっ……」
起動は魔力持ってれば特に問題ないね。
マリアさんでもできる。
『この魔石開いてる時間短いからその辺のモノ投げ入れてみてよ』
それから何個も魔石を使いながらエステルの帰宅を待っていた。
最初は戸惑っていたけど僕が出した布とか木とかを緊張しながら投げ入れていた。
10分程やって居ればモノを投げ入れるくらいは少し慣れてはきたようだ。
うーん。
これでいいのかなぁ……
『ちょっと仕組みはわかった?』
「仕組みは分かりませんが……穴同士がつながっているというのは把握できました」
ボワンッ…
「キャッ……」
何度もビックリさせてすみません……
横にゲート急に開くとビックリするよね。
「ただいま帰りましたー!」
『おかえり。ちょっと遅かったね?30分くらい行ってた?』
「あ、はい!とりあえず孤児院は大丈夫でした!今クラムちゃんとおばあ様がベッドを並べていましたね。この孤児院と内装は同じです!ほとんどの素材が可愛い色の石製と言うくらいでしょうか?」
クラムとおばあちゃんいい感じに作業してくれてるんだな。
順調で何よりだ。
「で、あの……マリアさん……」
「は、はい!どうされましたか?」
「この部屋にお兄様を連れてきてもよろしいですか?」
『マジ!?エルンさん呼んできてくれたの!?』
「はい……私とクロムさんではどうにもうまく話せないなと思ったので……」
ナイスすぎる!
全部エルンさんに投げよう!
餅は餅屋だ!適材適所ってもんがあるんだよ!
僕には説明は無理だ!!
『言ってた魔の森の村長さんだよ!優しい人だからさ?ちょっとこの部屋に入れてもらっていい?』
「え、ええ……本当にその穴から……」
「ちょっと待ってください?」(ボワンッ)
「……こちらがお兄様です!」
「は、初めまして……。エデンの村長のエルンです。エステルの兄です」
「本当に、穴から人が……」
あ、マリアさんが放心してる……。
「エステルから話は聞いたよ?僕が説明すればいいのかい?」
『お願い!もう僕説明下手でさ……。今こそエルンさんの出番でしょ!』
「実際そうだから、それはいいんだけどさ?そちらの方放心してるじゃないか……。クロムくんはどういう説明の仕方をしたんだい?」
『とりあえず……もう家が建ってることでしょ?世界最強の砦が出来上がってることでしょ?魔物は石ころ投げてりゃ倒せることと、食糧問題も金銭問題もないこと……。あぁ、あと王様の許可貰ってるしそもそも滞在してるから安全な事でしょ?あとゲートで行き来できるから旅も必要ない事を伝えたよ?今エステル待ってる時間にゲートに石投げ入れて練習してたの……』
じとー。
何その目。
何か言いたいことでもあるんでしょうか……。
「ダメでしょ……」
『なんで!?事実だよ!?』
それ以外に説明することないんだもん……。
「……ちなみに、集落から奴隷になりそうなエステルを生かして逃がしたことや、君たちの冒険の話。あと僕らが助けられた経緯は話したのかい?」
『……それは今回の件には関係ないかなと。あ、まぁハイエルフさんをゲートで逃がしたことくらいは伝えてるよ?』
「過程が重要でしょ!ただでさえ信じられないような環境なのに!」
「私は話そうとしたんですよ……?」
『だってエステルが話すると僕の英雄譚みたいになるんだもん!』
「「クロムくん(さん)は英雄でしょ(す)!!」」
『違います!僕は小市民です!!』
「はぁ……。僕が説明すればいいんだね?」
『何も隠さなくていいのかい?神々のことは?』
お、念話。
使えるようになったんだね。
念話に関してはそんなに難しいこともないんだ。
僕の念話に応答を続けていれば使えるようになる。
加護はそんなに関係ないんだよね。
キャシーとかスチュワードさんも使えるしね。
『え!?それ言うの!?』
『場合によりけりかな?状況を見ながら話すよ』
『……まぁ、どっちみちエデンに来るなら隠すの不可能だし。隠す気もないし、言っていいよ』
「じゃ、2人はちょっと外で遊んできて?」
「何故ですか!?私もお手伝いします!」
『僕にもできることはあるよ!?話くらい聞いてていいでしょ!?』
「クロムくんは説明下手だし、エステルはクロムくんの話に熱入るからダ~メ。ほら、時間勿体ないでしょ」(シッシッ)
『「……」』
「マリアさん、でしたよね?僕から詳しく話してもいいですか?」
「え、ええ……お2人が宜しいのでしたら……」
「じゃ、そういう事で。また後で呼びに行くから」
ガチャンッ……
『閉め出された……』
「下で子供達と遊んでいましょうか……」
・
・
・
「終わったよ?まぁ楽な仕事だったね」
だれぇ~? いつきたの~?
かっこいいおにいちゃんだ~!
「あ、みんなお邪魔しているよ?僕はエステルのお兄ちゃんのエルンっていうんだ?宜しくね、あはは♪」
よろしく~! おはよ~!
おにいちゃん~! またあそぼ~?
「……エルン、おはよ」
「おはようクラマくん、クラマくんも来てたんだね?」
「まだ15分くらいしか経ってませんけど……」
おかしいなぁ……。
僕必死に説明したのに。
エルンさんも結構あがり症なはずだけどなぁ。
「だって、そのまま話しただけだもん。策略を練るようなことも必要ないしね?ほら、上で待ってるよ。みんな~、もうちょっとマリアさん借りるね~?」
僕もそのまま話しましたけど……
腑に落ちん……
「「「「 は~い 」」」」
「……ぼくが見ておく。説明おねがい」
『ありがと、何かあったら電話してね?』
「……わかった、任せて」
「エステルちゃんとクロムくんいってらっしゃ~い!」
「ココちゃん、行ってきます♪」
ガチャ……
「クロム様……エステル様……大変なご無礼を致しました」
『ねぇ!?何言ったの!?』
「なにって、エステルの救出劇とそこからの冒険の道のりとハイエルフ救出の一部始終を”順番通りに”要点を嚙み砕いて話しただけだよ。エステルからお母さんと僕は何度も聞いているからね?もうすべて覚えてしまったよ?」
何してるんだよエステル……
「誰かに聞いてほしかったんです、ふふ♪」
『で、マリアさんはなんでこんな状態なの……』
なんで神に祈るように両手組んで頭下げてるんだ……
「それは自分の胸に手を当てて聞いてみるといいんじゃないかな?あはは♪」
『話盛ったでしょ!』
「盛ってないよ!エステルじゃあるまいし!クロムくんがかっこいいとか素敵とか英雄みたいだとかそんな話してないからね!むしろ足りないくらいだっ!!」
……エステルは普段何話してんだよ。
「それは聞き逃せませんね!ちゃんと説明すべきです!」
『……えっと。マリアさんとりあえず頭上げてもらっていいですか?』
「子供達には何卒……神罰は私だけに……」
『与えません!僕は神様ではありませんので!ってか神罰なんか使えませんっ!』
何故にそういう目線になるのか……。
あ、いや……神罰なぁ。
……聖魔法に雷混ぜて全力で打ち込めばそれっぽくできるか?
ふむ。魔法の候補にしてみるか……
『えっと……じゃ、ゲート入ってくれるの?』
「それで罪が許されるなら……」
『……ねぇ!これはどうなの!?邪神みたいになってるんですけど!?』
「クロムさんは英雄なんですけどねぇ?」
「……う~ん。もう通ってもらった方がいいと思うけどね?エデンを見れば本当に良かれと思ってやってることは伝わるよ。ほら、マリアさん大丈夫だから。僕そもそもここ通って入ってきたんだからさ?」
「エルンさんがそう仰られるのでしたら……」
何故にエルンさんの株価が上昇してるのか!
そして僕の株価大暴落してるじゃん!!
『まぁいいや。じゃ、行こうか。本当に安全だからさ……』
ゲート通るのって神罰代わりになるくらい怖いのか……。
・
・
・
「ここが……神の楽園………」
『ま、まぁそうなんだけどさ……名前だけね!?』
「名前だけじゃないと思うけどね……」
ちょっと神様の加護付きの村かもしれないけど……
「私は死んだのでしょうか……」
『死んでません!』
ここからマリアさんの転生物語が始まったりしないから!!
「おお、マリアか。ゆっくりしていくのじゃ」
おばあちゃんも孤児院の面々とは顔合わせしている。
子供たちは全然問題ないようだ。
むしろおばあちゃんは子供達と話すのは大好きな様子。
おばあちゃんはおばあちゃんだった。
『パパ……あ』
ストンッ。
クラムが浮遊するのやめちゃった。
飛んでるスライムとかなかなか見ることないだろうからさ。
人と会う時や街中では基本浮遊しないって決まりなんだよ。
ずっと気を使ってたんだよね。
クラムも話したいだろうに。
『クラム!もう大丈夫!話してきたから浮いてていいよ。話してもいいよ?』
『ほんと~?マリア~!』(ヒューン……ギュッ)
「クラムちゃん……」
『ごはんありがと~!またおしえてね~!!』
「私は、こんな幼い子に気を遣わせていたのですか……。ごめんなさい、クラムちゃん……」
『いいよ~?こじいんつくったの~!みて~!』
クラムが1番マリアさんと話したかったんだもんな。
ずっと料理みてマリアさんが帰ってから同じ料理練習してたんだよ。
本当は作ったの食べて欲しかったと思うんだ。
クラムを人と気軽に話せる姿に進化させてあげたい。
もしくは人化……。
でもクラムは人への執着は全くない。
別になってもいい、くらいのもんだ。
もし人になる事を熱望しないと人化できないならきっと無理だ。
……人と話せる魔物か。
『申し訳ねぇ……』
今まで転移ゲート通ったのって、
①うちの家族
②王様一派
③実はアクティブなハイエルフさん達……
なんだよね……。
家の家族は僕のことずっと見てるし。
王様一派はくぐり抜けてきた修羅場が数違いだろうしね。
ハイエルフさん達は切羽詰まってたのもあるし、
実際エステルが生きていたって信用度が凄くあるだろうしね……。
ここのみんなは完全なる一般の方々なんだよね……
魔法すらあまり見る機会は無いだろうにこんな魔法見せられてもなぁとは思うよ。
「私、魔の森の孤児院の様子を見てきましょうか?」
『そうだね?お願いしていい?』
「わかりましたー!”ゲート”ッ!」(ボワンッ)
まぁ魔石起動してるだけだからゲートっていう必要はないんだけどね。
気分の問題だよね。
「では行ってきますー!」(シュンッ)
「エステルさんもその魔法を……。一体どこへ……」
『魔の森の様子見に行ったんだよ。居なくなったでしょ?ちょっと待ってれば戻ってくると思うよ。今のは魔石起動しただけだからさ?あ、マリアさんって魔石の起動はできるよね?』
「え、えぇ、魔法は使えませんが魔力は持っていますので……」
最近はようやくお風呂に入るの慣れてくれて家で勝手に魔石使ってくれてるんだ。
子供もできるんだけど一応マリアさんがお湯入れたりしてるんだよ。
僕等が目の前で入れるわけにもいかないからね。
『やってみていいよ?はい。飛び込む勇気はないかもしれないけど魔石の起動は出来るでしょ?ちょっと慣れてみてよ。ほんとに安全だからさ』
「ですが……この魔石はとても大きいのでお高いのでは……」
『これ沢山取ってこられるんだ。でも一般販売できないの。その辺の価値の無い石ころだと思っていいよ。有り余ってるんだ。ほら……』(ゴロゴロゴロゴロ……)
「こんなに……」
『だからマリアさんの練習に使ってくれるなら本望だよ。これと……これがペアかな?やってみて?』
「は、はい……。では……ん……”ゲート”」(ボワンッ)
「ひっ……」
起動は魔力持ってれば特に問題ないね。
マリアさんでもできる。
『この魔石開いてる時間短いからその辺のモノ投げ入れてみてよ』
それから何個も魔石を使いながらエステルの帰宅を待っていた。
最初は戸惑っていたけど僕が出した布とか木とかを緊張しながら投げ入れていた。
10分程やって居ればモノを投げ入れるくらいは少し慣れてはきたようだ。
うーん。
これでいいのかなぁ……
『ちょっと仕組みはわかった?』
「仕組みは分かりませんが……穴同士がつながっているというのは把握できました」
ボワンッ…
「キャッ……」
何度もビックリさせてすみません……
横にゲート急に開くとビックリするよね。
「ただいま帰りましたー!」
『おかえり。ちょっと遅かったね?30分くらい行ってた?』
「あ、はい!とりあえず孤児院は大丈夫でした!今クラムちゃんとおばあ様がベッドを並べていましたね。この孤児院と内装は同じです!ほとんどの素材が可愛い色の石製と言うくらいでしょうか?」
クラムとおばあちゃんいい感じに作業してくれてるんだな。
順調で何よりだ。
「で、あの……マリアさん……」
「は、はい!どうされましたか?」
「この部屋にお兄様を連れてきてもよろしいですか?」
『マジ!?エルンさん呼んできてくれたの!?』
「はい……私とクロムさんではどうにもうまく話せないなと思ったので……」
ナイスすぎる!
全部エルンさんに投げよう!
餅は餅屋だ!適材適所ってもんがあるんだよ!
僕には説明は無理だ!!
『言ってた魔の森の村長さんだよ!優しい人だからさ?ちょっとこの部屋に入れてもらっていい?』
「え、ええ……本当にその穴から……」
「ちょっと待ってください?」(ボワンッ)
「……こちらがお兄様です!」
「は、初めまして……。エデンの村長のエルンです。エステルの兄です」
「本当に、穴から人が……」
あ、マリアさんが放心してる……。
「エステルから話は聞いたよ?僕が説明すればいいのかい?」
『お願い!もう僕説明下手でさ……。今こそエルンさんの出番でしょ!』
「実際そうだから、それはいいんだけどさ?そちらの方放心してるじゃないか……。クロムくんはどういう説明の仕方をしたんだい?」
『とりあえず……もう家が建ってることでしょ?世界最強の砦が出来上がってることでしょ?魔物は石ころ投げてりゃ倒せることと、食糧問題も金銭問題もないこと……。あぁ、あと王様の許可貰ってるしそもそも滞在してるから安全な事でしょ?あとゲートで行き来できるから旅も必要ない事を伝えたよ?今エステル待ってる時間にゲートに石投げ入れて練習してたの……』
じとー。
何その目。
何か言いたいことでもあるんでしょうか……。
「ダメでしょ……」
『なんで!?事実だよ!?』
それ以外に説明することないんだもん……。
「……ちなみに、集落から奴隷になりそうなエステルを生かして逃がしたことや、君たちの冒険の話。あと僕らが助けられた経緯は話したのかい?」
『……それは今回の件には関係ないかなと。あ、まぁハイエルフさんをゲートで逃がしたことくらいは伝えてるよ?』
「過程が重要でしょ!ただでさえ信じられないような環境なのに!」
「私は話そうとしたんですよ……?」
『だってエステルが話すると僕の英雄譚みたいになるんだもん!』
「「クロムくん(さん)は英雄でしょ(す)!!」」
『違います!僕は小市民です!!』
「はぁ……。僕が説明すればいいんだね?」
『何も隠さなくていいのかい?神々のことは?』
お、念話。
使えるようになったんだね。
念話に関してはそんなに難しいこともないんだ。
僕の念話に応答を続けていれば使えるようになる。
加護はそんなに関係ないんだよね。
キャシーとかスチュワードさんも使えるしね。
『え!?それ言うの!?』
『場合によりけりかな?状況を見ながら話すよ』
『……まぁ、どっちみちエデンに来るなら隠すの不可能だし。隠す気もないし、言っていいよ』
「じゃ、2人はちょっと外で遊んできて?」
「何故ですか!?私もお手伝いします!」
『僕にもできることはあるよ!?話くらい聞いてていいでしょ!?』
「クロムくんは説明下手だし、エステルはクロムくんの話に熱入るからダ~メ。ほら、時間勿体ないでしょ」(シッシッ)
『「……」』
「マリアさん、でしたよね?僕から詳しく話してもいいですか?」
「え、ええ……お2人が宜しいのでしたら……」
「じゃ、そういう事で。また後で呼びに行くから」
ガチャンッ……
『閉め出された……』
「下で子供達と遊んでいましょうか……」
・
・
・
「終わったよ?まぁ楽な仕事だったね」
だれぇ~? いつきたの~?
かっこいいおにいちゃんだ~!
「あ、みんなお邪魔しているよ?僕はエステルのお兄ちゃんのエルンっていうんだ?宜しくね、あはは♪」
よろしく~! おはよ~!
おにいちゃん~! またあそぼ~?
「……エルン、おはよ」
「おはようクラマくん、クラマくんも来てたんだね?」
「まだ15分くらいしか経ってませんけど……」
おかしいなぁ……。
僕必死に説明したのに。
エルンさんも結構あがり症なはずだけどなぁ。
「だって、そのまま話しただけだもん。策略を練るようなことも必要ないしね?ほら、上で待ってるよ。みんな~、もうちょっとマリアさん借りるね~?」
僕もそのまま話しましたけど……
腑に落ちん……
「「「「 は~い 」」」」
「……ぼくが見ておく。説明おねがい」
『ありがと、何かあったら電話してね?』
「……わかった、任せて」
「エステルちゃんとクロムくんいってらっしゃ~い!」
「ココちゃん、行ってきます♪」
ガチャ……
「クロム様……エステル様……大変なご無礼を致しました」
『ねぇ!?何言ったの!?』
「なにって、エステルの救出劇とそこからの冒険の道のりとハイエルフ救出の一部始終を”順番通りに”要点を嚙み砕いて話しただけだよ。エステルからお母さんと僕は何度も聞いているからね?もうすべて覚えてしまったよ?」
何してるんだよエステル……
「誰かに聞いてほしかったんです、ふふ♪」
『で、マリアさんはなんでこんな状態なの……』
なんで神に祈るように両手組んで頭下げてるんだ……
「それは自分の胸に手を当てて聞いてみるといいんじゃないかな?あはは♪」
『話盛ったでしょ!』
「盛ってないよ!エステルじゃあるまいし!クロムくんがかっこいいとか素敵とか英雄みたいだとかそんな話してないからね!むしろ足りないくらいだっ!!」
……エステルは普段何話してんだよ。
「それは聞き逃せませんね!ちゃんと説明すべきです!」
『……えっと。マリアさんとりあえず頭上げてもらっていいですか?』
「子供達には何卒……神罰は私だけに……」
『与えません!僕は神様ではありませんので!ってか神罰なんか使えませんっ!』
何故にそういう目線になるのか……。
あ、いや……神罰なぁ。
……聖魔法に雷混ぜて全力で打ち込めばそれっぽくできるか?
ふむ。魔法の候補にしてみるか……
『えっと……じゃ、ゲート入ってくれるの?』
「それで罪が許されるなら……」
『……ねぇ!これはどうなの!?邪神みたいになってるんですけど!?』
「クロムさんは英雄なんですけどねぇ?」
「……う~ん。もう通ってもらった方がいいと思うけどね?エデンを見れば本当に良かれと思ってやってることは伝わるよ。ほら、マリアさん大丈夫だから。僕そもそもここ通って入ってきたんだからさ?」
「エルンさんがそう仰られるのでしたら……」
何故にエルンさんの株価が上昇してるのか!
そして僕の株価大暴落してるじゃん!!
『まぁいいや。じゃ、行こうか。本当に安全だからさ……』
ゲート通るのって神罰代わりになるくらい怖いのか……。
・
・
・
「ここが……神の楽園………」
『ま、まぁそうなんだけどさ……名前だけね!?』
「名前だけじゃないと思うけどね……」
ちょっと神様の加護付きの村かもしれないけど……
「私は死んだのでしょうか……」
『死んでません!』
ここからマリアさんの転生物語が始まったりしないから!!
「おお、マリアか。ゆっくりしていくのじゃ」
おばあちゃんも孤児院の面々とは顔合わせしている。
子供たちは全然問題ないようだ。
むしろおばあちゃんは子供達と話すのは大好きな様子。
おばあちゃんはおばあちゃんだった。
『パパ……あ』
ストンッ。
クラムが浮遊するのやめちゃった。
飛んでるスライムとかなかなか見ることないだろうからさ。
人と会う時や街中では基本浮遊しないって決まりなんだよ。
ずっと気を使ってたんだよね。
クラムも話したいだろうに。
『クラム!もう大丈夫!話してきたから浮いてていいよ。話してもいいよ?』
『ほんと~?マリア~!』(ヒューン……ギュッ)
「クラムちゃん……」
『ごはんありがと~!またおしえてね~!!』
「私は、こんな幼い子に気を遣わせていたのですか……。ごめんなさい、クラムちゃん……」
『いいよ~?こじいんつくったの~!みて~!』
クラムが1番マリアさんと話したかったんだもんな。
ずっと料理みてマリアさんが帰ってから同じ料理練習してたんだよ。
本当は作ったの食べて欲しかったと思うんだ。
クラムを人と気軽に話せる姿に進化させてあげたい。
もしくは人化……。
でもクラムは人への執着は全くない。
別になってもいい、くらいのもんだ。
もし人になる事を熱望しないと人化できないならきっと無理だ。
……人と話せる魔物か。
20
あなたにおすすめの小説
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業
ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします
雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました!
(書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です)
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~
月神世一
ファンタジー
紹介文
「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」
そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。
失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。
「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」
手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。
電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。
さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!?
森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、
罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、
競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。
これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。
……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る
マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・
何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。
異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。
ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。
断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。
勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。
ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。
勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。
プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。
しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。
それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。
そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。
これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる