最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

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212話 - 邪神

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「すみません……少し眩暈が……」

『申し訳ねぇ……』

 今まで転移ゲート通ったのって、
 ①うちの家族
 ②王様一派
 ③実はアクティブなハイエルフさん達……

 なんだよね……。
 家の家族は僕のことずっと見てるし。
 王様一派はくぐり抜けてきた修羅場が数違いだろうしね。

 ハイエルフさん達は切羽詰まってたのもあるし、
 実際エステルが生きていたって信用度が凄くあるだろうしね……。

 ここのみんなは完全なる一般の方々なんだよね……
 魔法すらあまり見る機会は無いだろうにこんな魔法見せられてもなぁとは思うよ。

「私、魔の森の孤児院の様子を見てきましょうか?」

『そうだね?お願いしていい?』

「わかりましたー!”ゲート”ッ!」(ボワンッ)

 まぁ魔石起動してるだけだからゲートっていう必要はないんだけどね。
 気分の問題だよね。

「では行ってきますー!」(シュンッ)

「エステルさんもその魔法を……。一体どこへ……」

『魔の森の様子見に行ったんだよ。居なくなったでしょ?ちょっと待ってれば戻ってくると思うよ。今のは魔石起動しただけだからさ?あ、マリアさんって魔石の起動はできるよね?』

「え、えぇ、魔法は使えませんが魔力は持っていますので……」

 最近はようやくお風呂に入るの慣れてくれて家で勝手に魔石使ってくれてるんだ。
 子供もできるんだけど一応マリアさんがお湯入れたりしてるんだよ。
 僕等が目の前で入れるわけにもいかないからね。

『やってみていいよ?はい。飛び込む勇気はないかもしれないけど魔石の起動は出来るでしょ?ちょっと慣れてみてよ。ほんとに安全だからさ』

「ですが……この魔石はとても大きいのでお高いのでは……」

『これ沢山取ってこられるんだ。でも一般販売できないの。その辺の価値の無い石ころだと思っていいよ。有り余ってるんだ。ほら……』(ゴロゴロゴロゴロ……)

「こんなに……」

『だからマリアさんの練習に使ってくれるなら本望だよ。これと……これがペアかな?やってみて?』

「は、はい……。では……ん……”ゲート”」(ボワンッ)

「ひっ……」

 起動は魔力持ってれば特に問題ないね。
 マリアさんでもできる。

『この魔石開いてる時間短いからその辺のモノ投げ入れてみてよ』

 それから何個も魔石を使いながらエステルの帰宅を待っていた。
 最初は戸惑っていたけど僕が出した布とか木とかを緊張しながら投げ入れていた。
 10分程やって居ればモノを投げ入れるくらいは少し慣れてはきたようだ。

 うーん。
 これでいいのかなぁ……

『ちょっと仕組みはわかった?』

「仕組みは分かりませんが……穴同士がつながっているというのは把握できました」

 ボワンッ…

「キャッ……」

 何度もビックリさせてすみません……
 横にゲート急に開くとビックリするよね。

「ただいま帰りましたー!」

『おかえり。ちょっと遅かったね?30分くらい行ってた?』

「あ、はい!とりあえず孤児院は大丈夫でした!今クラムちゃんとおばあ様がベッドを並べていましたね。この孤児院と内装は同じです!ほとんどの素材が可愛い色の石製と言うくらいでしょうか?」

 クラムとおばあちゃんいい感じに作業してくれてるんだな。
 順調で何よりだ。

「で、あの……マリアさん……」

「は、はい!どうされましたか?」

「この部屋にお兄様を連れてきてもよろしいですか?」

『マジ!?エルンさん呼んできてくれたの!?』

「はい……私とクロムさんではどうにもうまく話せないなと思ったので……」

 ナイスすぎる!
 全部エルンさんに投げよう!
 餅は餅屋だ!適材適所ってもんがあるんだよ!
 僕には説明は無理だ!!

『言ってた魔の森の村長さんだよ!優しい人だからさ?ちょっとこの部屋に入れてもらっていい?』

「え、ええ……本当にその穴から……」

「ちょっと待ってください?」(ボワンッ)

「……こちらがお兄様です!」

「は、初めまして……。エデンの村長のエルンです。エステルの兄です」

「本当に、穴から人が……」

 あ、マリアさんが放心してる……。

「エステルから話は聞いたよ?僕が説明すればいいのかい?」

『お願い!もう僕説明下手でさ……。今こそエルンさんの出番でしょ!』

「実際そうだから、それはいいんだけどさ?そちらの方放心してるじゃないか……。クロムくんはどういう説明の仕方をしたんだい?」

『とりあえず……もう家が建ってることでしょ?世界最強の砦が出来上がってることでしょ?魔物は石ころ投げてりゃ倒せることと、食糧問題も金銭問題もないこと……。あぁ、あと王様の許可貰ってるしそもそも滞在してるから安全な事でしょ?あとゲートで行き来できるから旅も必要ない事を伝えたよ?今エステル待ってる時間にゲートに石投げ入れて練習してたの……』

 じとー。

 何その目。
 何か言いたいことでもあるんでしょうか……。

「ダメでしょ……」

『なんで!?事実だよ!?』

 それ以外に説明することないんだもん……。

「……ちなみに、集落から奴隷になりそうなエステルを生かして逃がしたことや、君たちの冒険の話。あと僕らが助けられた経緯は話したのかい?」

『……それは今回の件には関係ないかなと。あ、まぁハイエルフさんをゲートで逃がしたことくらいは伝えてるよ?』

「過程が重要でしょ!ただでさえ信じられないような環境なのに!」

「私は話そうとしたんですよ……?」

『だってエステルが話すると僕の英雄譚みたいになるんだもん!』

「「クロムくん(さん)は英雄でしょ(す)!!」」

『違います!僕は小市民です!!』

「はぁ……。僕が説明すればいいんだね?」
『何も隠さなくていいのかい?神々のことは?』

 お、念話。
 使えるようになったんだね。

 念話に関してはそんなに難しいこともないんだ。
 僕の念話に応答を続けていれば使えるようになる。

 加護はそんなに関係ないんだよね。
 キャシーとかスチュワードさんも使えるしね。

『え!?それ言うの!?』

『場合によりけりかな?状況を見ながら話すよ』

『……まぁ、どっちみちエデンに来るなら隠すの不可能だし。隠す気もないし、言っていいよ』

「じゃ、2人はちょっと外で遊んできて?」

「何故ですか!?私もお手伝いします!」

『僕にもできることはあるよ!?話くらい聞いてていいでしょ!?』

「クロムくんは説明下手だし、エステルはクロムくんの話に熱入るからダ~メ。ほら、時間勿体ないでしょ」(シッシッ)

『「……」』

「マリアさん、でしたよね?僕から詳しく話してもいいですか?」

「え、ええ……お2人が宜しいのでしたら……」

「じゃ、そういう事で。また後で呼びに行くから」

 ガチャンッ……

『閉め出された……』

「下で子供達と遊んでいましょうか……」

 ・
 ・
 ・

「終わったよ?まぁ楽な仕事だったね」

 だれぇ~? いつきたの~?
 かっこいいおにいちゃんだ~!

「あ、みんなお邪魔しているよ?僕はエステルのお兄ちゃんのエルンっていうんだ?宜しくね、あはは♪」

 よろしく~! おはよ~!
 おにいちゃん~! またあそぼ~?

「……エルン、おはよ」

「おはようクラマくん、クラマくんも来てたんだね?」

「まだ15分くらいしか経ってませんけど……」

 おかしいなぁ……。
 僕必死に説明したのに。
 エルンさんも結構あがり症なはずだけどなぁ。

「だって、そのまま話しただけだもん。策略を練るようなことも必要ないしね?ほら、上で待ってるよ。みんな~、もうちょっとマリアさん借りるね~?」

 僕もそのまま話しましたけど……
 腑に落ちん……

「「「「 は~い 」」」」

「……ぼくが見ておく。説明おねがい」

『ありがと、何かあったら電話してね?』

「……わかった、任せて」

「エステルちゃんとクロムくんいってらっしゃ~い!」

「ココちゃん、行ってきます♪」



 ガチャ……



「クロム様……エステル様……大変なご無礼を致しました」

『ねぇ!?何言ったの!?』

「なにって、エステルの救出劇とそこからの冒険の道のりとハイエルフ救出の一部始終を”順番通りに”要点を嚙み砕いて話しただけだよ。エステルからお母さんと僕は何度も聞いているからね?もうすべて覚えてしまったよ?」

 何してるんだよエステル……

「誰かに聞いてほしかったんです、ふふ♪」

『で、マリアさんはなんでこんな状態なの……』

 なんで神に祈るように両手組んで頭下げてるんだ……

「それは自分の胸に手を当てて聞いてみるといいんじゃないかな?あはは♪」

『話盛ったでしょ!』

「盛ってないよ!エステルじゃあるまいし!クロムくんがかっこいいとか素敵とか英雄みたいだとかそんな話してないからね!むしろ足りないくらいだっ!!」

 ……エステルは普段何話してんだよ。

「それは聞き逃せませんね!ちゃんと説明すべきです!」

『……えっと。マリアさんとりあえず頭上げてもらっていいですか?』

「子供達には何卒……神罰は私だけに……」

『与えません!僕は神様ではありませんので!ってか神罰なんか使えませんっ!』

 何故にそういう目線になるのか……。

 あ、いや……神罰なぁ。
 ……聖魔法に雷混ぜて全力で打ち込めばそれっぽくできるか?
 ふむ。魔法の候補にしてみるか……

『えっと……じゃ、ゲート入ってくれるの?』

「それで罪が許されるなら……」

『……ねぇ!これはどうなの!?邪神みたいになってるんですけど!?』

「クロムさんは英雄なんですけどねぇ?」

「……う~ん。もう通ってもらった方がいいと思うけどね?エデンを見れば本当に良かれと思ってやってることは伝わるよ。ほら、マリアさん大丈夫だから。僕そもそもここ通って入ってきたんだからさ?」

「エルンさんがそう仰られるのでしたら……」

 何故にエルンさんの株価が上昇してるのか!
 そして僕の株価大暴落してるじゃん!!

『まぁいいや。じゃ、行こうか。本当に安全だからさ……』

 ゲート通るのって神罰代わりになるくらい怖いのか……。



 ・
 ・
 ・



「ここが……神の楽園………」

『ま、まぁそうなんだけどさ……名前だけね!?』

「名前だけじゃないと思うけどね……」

 ちょっと神様の加護付きの村かもしれないけど……

「私は死んだのでしょうか……」

『死んでません!』

 ここからマリアさんの転生物語が始まったりしないから!!

「おお、マリアか。ゆっくりしていくのじゃ」

 おばあちゃんも孤児院の面々とは顔合わせしている。
 子供たちは全然問題ないようだ。

 むしろおばあちゃんは子供達と話すのは大好きな様子。
 おばあちゃんはおばあちゃんだった。

『パパ……あ』

 ストンッ。

 クラムが浮遊するのやめちゃった。
 飛んでるスライムとかなかなか見ることないだろうからさ。
 人と会う時や街中では基本浮遊しないって決まりなんだよ。

 ずっと気を使ってたんだよね。
 クラムも話したいだろうに。

『クラム!もう大丈夫!話してきたから浮いてていいよ。話してもいいよ?』

『ほんと~?マリア~!』(ヒューン……ギュッ)

「クラムちゃん……」

『ごはんありがと~!またおしえてね~!!』

「私は、こんな幼い子に気を遣わせていたのですか……。ごめんなさい、クラムちゃん……」

『いいよ~?こじいんつくったの~!みて~!』

 クラムが1番マリアさんと話したかったんだもんな。
 ずっと料理みてマリアさんが帰ってから同じ料理練習してたんだよ。
 本当は作ったの食べて欲しかったと思うんだ。

 クラムを人と気軽に話せる姿に進化させてあげたい。
 もしくは人化……。

 でもクラムは人への執着は全くない。
 別になってもいい、くらいのもんだ。
 もし人になる事を熱望しないと人化できないならきっと無理だ。

 ……人と話せる魔物か。
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