最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

文字の大きさ
217 / 270

213話 - 孤児失踪

しおりを挟む
 なんとかマリアさんをエデンに連れ出すことが出来た。
 苦労した……。

 クラムに転移魔石を渡して置いておくように伝えていた。
 だからクラムが急造した魔の森の孤児院前に転移してきたんだ。

『少し落ち着きました?』

「ええ……すみません。神罰ではなかったのですね……」

『全然違うよっ!』

 僕の誤解は本当に解けたんだろうか……
 今後のマリアさんとの付き合いに影響しない?
 大丈夫かなぁ……

 僕この方にすごいお世話になってるのに……
 むしろ僕が敬ってるよ……

 ただ空間転移ってそんなに怖いんだね。
 一般の方から見ると本当に意味がわからないんだなってことが今回のことでわかったな。

 僕の人付き合い偏りすぎだ……。
 獣人国に来た時から見れば随分と人のこと知れたなと思ってたんだけどなぁ。

「これが孤児院ですか……」

『うん~!いっしょでしょ~?なかもみて~?』

『一緒……うん、一緒と言えば一緒なのかな……』

 クラムが作った孤児院。
 今回は王都の孤児院をベースにしている。
 一緒、形は一緒なはずだ……。

 まぁ何が言いたいかと言えば……

「可愛いですよねぇ、ふふ♪」

 まず、可愛い。
 王都の孤児院は年季の入った木造だ。
 その辺に割れや穴があるボロボロの木造ハウス。

 それが、全部石造りになっている。
 パステルカラーの薄桃色の屋根。
 壁は白っぽい土壁かな?

 もうこれだけで全く印象が変わる。
 現代建築のように見えるね。

 で……

「大きい……。これを朝から……」

『ん~?かんがえてたからつくったのはさっきだよ~?』

 サイズ5倍くらいになってるよなぁ。
 まぁそうなると思ってた。

 あくまでベースが孤児院なの。
 クラムが縮尺まで全く同じに作るとは限らない。

 僕はクラムに建築の注文はしない。
 ここは僕の中ではずっとクラム村だからね。

 自由にやって欲しい。
 最低限必要な用途が果たせれば問題ない!

 この村はクラムのちょっと大きなお砂場遊びなのだ!
 大人が子供の遊びの邪魔はしてはいけないのだ!

 子供達が沢山いるって考えると王都の孤児院は手狭だったんだよね。
 100人くらい入っても大丈夫じゃないのかなぁ。
 絶対こっちのほうがいいね。

 あと、庭がかなり広い。
 これに関しては僕が伝えておいたんだ。
 子供たちは庭で遊ぶからスペースある場所に作った方がいいよってね。

 孤児院の場所は住宅地の端。
 庭、というより運動場かなぁ。
 200mトラックが作れそうだ。

 小さなボロボロの孤児院がしっかり土地がある幼稚園サイズになったと思ってもらえばいいかな。
 地球にあった遊具とかもクラムに教えてあげよっと。

「まぁ、中は王都の孤児院と同じ作りじゃ。部屋が増えておるくらいかの?」

『おっきなおふろも2つ、つくったよ~?みんながいっぱいすむところには2つつくらないとだめってパパがいってたんだ~。あとおはなうえたりするの~!まだとちゅう~』

「おお、そうじゃ。風呂2部屋と厠が4つ中にあるのぉ?排水や水場関連は我が作っておったのじゃ。また時間がある時にみて、不都合あれば言って欲しいのじゃ」

 大勢いるし、子供も成長するだろうからね。
 うちでも大きい女の子と男の子は別々に入ってたからさ?
 最初から男女別に浴室があった方がいいよね。

 1、2階の端にトイレ2つずつ。
 そして1階の端と端に浴室を作って欲しいって、それだけはクラムに注文してたんだ。

「それ程の……いえ、不都合等あるはずがありません。クラムちゃん、ティアさん、他の皆様も本当にありがとうございます……」

『いいよ~、えへへ~!またおりょうりおしえてね~?』

「もちろんです。これからはお話しながら一緒に作りましょう」

 少しマリアさんがウルウルしてる。
 みんなのことを思って引っ越ししてもらおうとしてるのが少しは伝わったかな。
 決して神罰ではないッ!

『生活に問題は絶対ないってのは伝わったかな?ここから少し歩けば公園もあるし、農園もあるしね。たぶんもうすぐお店出来ると思うからそこに行けば必要なものも買い揃うよ。今日からでもお腹いっぱい食べられるから生活のことは本当に心配しなくていいよ』

「ええ、こちらを拝見するだけでそれは重々伝わりました。私は色々誤解をしていたようです。本当に申し訳ございません」

『いや、まぁそうなるよねって思うし気にしないで。住民も皆優しいしさ?子供たちが孤児院から飛び出してエデン中駆けまわっても大丈夫。この環境って子供にとっては王都より遥かに安全だとおもうよ?なんせ皆ハイエルフだし。悪い事しようと思う人なんか1人もいないからさ』

「ハイエルフは皆子供が大好きなんだ!僕等って子孫が中々生まれない種族だからさ?子供が生まれた時なんて一族総出で祝うからね?大歓迎だよ!あはは♪」

『私は子供好きでしたが、皆そうなのですね?』

 まぁエステルは末の子だもんね。
 エステルがハイエルフの子供が生まれた時に立ち会ったことないはずだもんな。

『じゃあ、生活環境以外の話をしようか。他に気になる事ってある?』

 ・
 ・
 ・

 クラムとおばあちゃんは続きの作業に戻った。

 マリアさんには孤児院の庭に机とイスを出して座ってもらった。
 まぁお茶でも飲みながらね。
 ゆっくり相談する方が考え漏れがなくなるからね。

 孤児院はクラマが見ててくれるし、ぷちクロムEも居る。
 Aはクラム、Bはエステル、Cはクラマ、Dはおばあちゃんが持っている。
 まぁどうでもいいんだけど。

 寄生するとこれがなくなるのが1番痛いなぁ。
 何とかならんものか……

 まぁとりあえず、少しゆっくりしてもらって大丈夫と伝えた。

『ほら、この子がぷちクロム。危ないことがないように孤児院に置いてるの。勝手にごめんね』

「ずっと子供達を見守ってくださっていたのですね……。ありがとうございます……」

『あら?そんな感想になる?そして何でちょっと拝む体制に……。普通にしてください……』

 勝手にプライベート覗くなよ!とかになんないんだ。
 孤児院のみんなには僕のこと伝えられなかったからさ。
 ぷちクロ内緒で置くしかなかったんだよね。

「失礼いたしました。孤児院に心配がいらないことは把握できました。ではお話致しましょう」

 エルンさんから話を聞くと面白い事がわかった。

 マリアさんベースにはなるけれどね。
 一般の方にはハイエルフが実在してたことと、
 今ここが魔の森だってことへの衝撃が1番大きいみたい。

 逆に僕に前世の記憶があったりすることは、
 そういうこともあるんだろうって飲み込めちゃうみたいなんだ。

 不思議でしょ?
 どうやら、神の存在は信じている様子なんだ。
 そう言えばエセ創造神を崇めてる教会はあるんだもんね?

 マリアさんに関しても、教会の”教徒”を嫌っているそう。
 教会にも不信感はある。
 でも神の存在を疑ったことはないみたいなんだよね。

 まぁ、本人は違うって言ってるけどソフィア様って実質創造神だしな。
 世界を作った方であることは間違いないし。

 そう言う意味では神は存在しているんだろう。
 そしてどうやら僕は聖者か使徒のように映るみたい。

 見たことない魔法を使っているより、神の力ですって言う方が一般的にはスッと飲み込めるみたいなんだよねぇ。

「クロムくんも実質使徒様でしょ」

『ソフィア様が上司……う~ん。そう言われればそうなるのかなぁ……。使いっぱしりだし、使命とか仕事なんて全くないんだけどなぁ……。そんなこと言ったら僕の家族みんなそうだよ』

「だからみんなそうなんでしょ。僕の妹はいつの間に神の使徒になったんだか……」

「そうなんでしょうか……。全く実感がないのですが……」

「クロム様……すみません。クロムさんが1番位の高い天使様で、家族の皆様はその下の天使様なのではないのですか……?私がこちらでお話をさせていただくことも恐れ多い……」

『天使!?違うって!』

 おおう……すんげぇ伝わり方をしている……。

 ソフィア様の使いっぱしりではあるんだけど……
 でも理解できない話する時にはその方が説明しやすいのかもしれないなぁ。

 教会があんな法外な金額で回復魔法使ってても成り立っているのにはこの辺に関係しているようだ。

 この世界の人は神は信仰している。
 ただ教徒が敬われているか、ということはまた別問題だってことだな。

 おっと、話が逸れたな。

『まず、僕から質問なんだけど、子供ってどれくらいここに来ることを了承しそうだと思う?これが1番僕の中で心配なんだけど……』

「心配……?間違いなく、皆喜んで了承しますよ?」

『え、そうなの?王都に馴染んでる子や冒険者してる子もいるんじゃないの?』

 あら?なんか思ってたんと違うぞ?
 半分くらい来ればいいかなと思ってたんだけど……

 王都に残る事を決めた子たちの今後の生活をどう見守るかとかさ?
 残る子には僕の事は伝えない方がいいだろうし……
 どうやってエデンに来る子たちだけに話伝えようかとか……

「ええ、皆様にご心配をかけるのはと思って口を紡いでおりましたが……。孤児院出身というのはあまりいい顔をされないのです。小さな子たちは理解できておりませんが、今冒険者をしているリッケ、ルパード、リラは特に心苦しい思いをしていると思います」

 少し大きい子たちだね。

 リッケ君は犬系の獣人さんかな?活発な子だ。
 クラマに解体を教えてくれた子。

 この子が多分1番大きな子。
 クラマより年上に見える。
 地球で言えば高校1年生くらいかな?

 ルパード君は多分鳥人だよね?
 お風呂で白い小さな羽が生えてるの見たことあるんだ。
 小さい子の面倒をよく見てくれる子だ。

 リラちゃんは羊系の獣人さんかな?
 クルっとした角が生えてるおっとりした子。
 よく農園で果物の手入れをしてるね。

 この2人はクラマと同じくらいか少し上くらいの年齢。
 中学生になるかならないかくらいなんだよね。

 後の子は本当に幼い。
 絶対年齢1桁だ。

 半分はクルードの件で連れて来られた子だからさ。
 幼い子を抜粋して売買しようとしてたんだと思う。

 その3人はそれぞれ面倒見がよくて孤児院のお兄ちゃんお姉ちゃん替わり。
 ただ家に来る参加率は低いんだ。
 冒険者活動してた時が多いからさ。

 それにしても孤児院出身の何がダメなんだよ……。
 至る所に差別ってあるな……

「それに皆冒険者を希望して行っている訳でもありません。孤児院の子供に少しでも多く食べさせる為に仕方なくです。今はもうクロムさんのお手伝いを出来るようになりましたので、尚のこと進んで依頼を受けに行っておりませんよ。本来孤児院に居なければ他に就きたい職業があったはずです」

『わかった。ここに皆が来るのは問題ないんだね。了解!じゃあみんなおいでよ』

「私が気になるのは、今の子供達はいいとして今後のことでしょうか。孤児院を訪れる孤児達はどうなるのでしょう?」

 もちろん考えているさ。
 ふふふ。

『王都の孤児はここに来ればいいよ。教会は不干渉とは言ってるんだけど、どうやら教会って鑑定したいだけで孤児を進んで育てたいとも思ってないみたいなんだよね』

「えぇ、それはもう。見て居ればわかります。私達は邪魔者のように扱われておりますので」

 だろうなぁ。
 孤児を育てるって名目で鑑定の機会を増やしているだけ。

 才能がない子は必要ない扱いって事だ。
 一応孤児院にほおりこんでいるだけだよね。

『王の手配で引き取り手を探してくれる……と言うよりそういう名目で孤児達を引き取ってくれるんだ。引き取り手の居ない子たちはここに連れてくる手筈になってるよ。ここにいる商人のラクトさんが商いの度に覗いて魔の森に連れ帰ってくれることになってる。心配しなくて大丈夫だよ』

 ただ、鑑定を阻止するのは無理みたいなんだ。
 さすがにそれをすると教会は気付くと。
 教会を妨害していることになっちゃうから……

 とりあえず今の所それは不可能。
 何とか出来るときが来るのかなぁ……

 とりあえず孤児院にほおりこまれるだけになっている子の保護は可能。
 王様が上手く人を回してくれるって言っていた。

「そうですか……それなら安心です……」

『うん、だから今後孤児院には子供が入らなくなるはず。あそこの孤児院どうするんだろうね?知らんけど』

「孤児院が必要なくなっても恐らく気にも留めないと思いますけれどね」

 まぁそうだろうね。
 今も全く来ないらしいから。

 国から入る寄付金を孤児院に少し渡しに来るくらいって感じだよね。
 それも中身は殆ど抜いてだ。

『あ、あと今ここマリアさんだけで回してるでしょ?他のみんなも孤児院のこと手伝ってくれるって』

「はい!お母様が孤児院の担当の中心になってくれるそうですよ?」

 ハイエルフさんって大人しか居ないんだよね。
 今集落に子供なんて1人もいないんだよ。

 だから孤児が増えても今のところは全く問題ない。
 率先して手伝ってくれるって。

 これは余談だけど、ハイエルフさん達って、
 農業担当、酪農担当、生活担当って感じの方に分かれて生活してるみたいなんだ。

 そこから子供達が特に好きな人達が孤児院のこと手伝ってくれるみたい。

 でさ、僕、週休3日はとってねって言ってるんだけど……
 その週休3日が戦闘訓練になっている。

 そこでお肉いっぱい持って帰ってくるんだ。
 皆だけでも1日数体倒せるようになってるからね。

 いつのまにか週の半分は戦闘訓練になってしまった……
 本人達は休日のつもりだからもう何とも言えん。
 休みに1番稼いでいるんだよ……不思議だ……。

 まぁそれが楽しいなら好きにしてくださいな。

 ってことで今のところ本当に何も問題ない!
 と言うより収穫する野菜や肉が消費に追いついていない!

 ラクトさんが凄く大変。
 今、商業を担当してくれる人も作っているみたいだね。

 それも踏まえて今ラクトさんは集落で大忙しだ。
 ちらっと姿が見えるといつも作業に追われている。
 でも楽しそうだった。

 魔の森って誰の手も入ってないから資源の塊なんだよね。
 子供たちには、たらふく食べて欲しいな。

「本当に助かります。私だけでは行き届かない部分が多かったのです。何度教会に職員を回してほしいと伝えてもお布施の無駄遣いだと話を突っ張ねられていまして」

 何でだよ……
 寄付金の1番有効的な使い所だろ……

『そこは心配しないで。じゃあ、最後に1つだけ。申し訳ないんだけどエデンの事を言うことが危ないって分別がつくまでは最低この森から出られなくなると思う。大丈夫かな……』

「進んで街から出るような子供はいませんよ。ここで全て揃っているとのことですし。ゆとりをもって日々生活が出来るだけでとても幸せです。万が一子供からそのような希望があればクロムさんかエルンさんにお伝えすることに致します」

 これは王様達が行ってたことと認識が一致しているな。

「そうだね!僕が要望をまとめてクロムくんに伝えるよ」

『うん、その時は遠慮なく言って?どうするか考えるからね』

 じゃあ説明はこんなもんかな?
 これで今聞かなければならないことは残っていないはず……。

「あとは……皆をどうやってここまで……」

『あぁ、そんなのいつものあれだよ』

 ・
 ・
 ・

 その日の昼過ぎ……

 今、僕……”ぶちクロムF”はマリアさんの服のポッケに潜んでいる。

「孤児院の子供総出でどこへ行くのだ?」

「隣町まで必要な雑貨の買い出しや、大きい子の職を探しに」

「そうか。では、行っていいぞ」

『さくっと出れたね。まぁ最近いつも僕の所に来てるしね』

「えぇ、初日は少し取り調べられました。まぁ王都ですから、わざわざ孤児のことを1人1人調べたりはしませんよ」

『そういうもんか。まぁすごい行列だったしね。時間割けないよね。……で、ごめん、子供達はちょっと疲れると思うんだけどさ、念の為に数時間程は東に向かって歩いてくれない?』


 …………


 この辺りでいいかな。
 そろそろ周りにも誰も居なくなった。

 周辺1kmは感知済みだ。
 生体反応なし!よしバッチリ!

「大丈夫です!王都の方面からの人も誰も来ていませんでした!」

『おっけー!みんなおつかれー!クラマについていってね~!あの森の陰でさっきの穴に入ってね~』

「……みんなこっち」

 わーい! ありがと~!
 つかれた~ どこであそぶの~? 

 相談が終わって僕が話せることを伝えに孤児院に帰ったんだけど……
 まぁ子供は子供だよね。

 へぇ~とか。すごーいとか。そんなのくらい。
 大きい子はかなり驚いていたけど……
 マリアさんがごにょごにょしてた。

 聞こえてるんだよね……。
 やっぱり僕使徒様扱いなんだね……。

 ここで違うっていって話を取っ散らかすのはやめよう。
 エデンについてから誤解を解くことにしよっと……

 そしてみんなの前で一応転移ゲート見せたんだけどそれも一瞬だった。

 特に何も考えてない子が飛び込んであとは雪崩れ込んで終了。
 子供と一緒に説明した方が早かったかもしれないなぁ。
 あ、でもマリアさんの恐怖感が凄くなってただけかもね。

 孤児達の荷物はほぼ、持ってこなかった。
 少し出掛けただけ、という体を装う為だ。

 そもそも必要なものは殆どないということだったし。
 エデンで買い揃えてもらえばいいね。

「では、私も先にエデンへ行って参ります」

『うん!クラムもおばあちゃんもいるしみんなも安心でしょ?2人に孤児院案内してもらってよ。あと必要なものとか2人に伝えてね?最低限じゃなくて!ちゃんと住み心地がいいようにしてね?遠慮してたら僕等好き放題するよ?すごい事になるからね?わかった?』

「……え、ええ。善処致します。この度はありがとうございます。これから時間を掛けてお礼させていただきます……」

『要らない要らない!じゃあエステルと適当にそれっぽくしてから行くね~』





 よし、行ったな。

『じゃあいつものやつやろっか』

「わかりました!あの森の周辺でいいですか?」

『うん、適当でいいよ。僕も適当に魔物の血撒いとくからさ?エステルは子供服の切れ端ポイポイしといてね』

「了解です♪」

 僕が孤児院を強襲した体を装おうかとか、色々考えたんだよね。
 でも王都内で何かすると王様の仕事が増えそうじゃんか。

 もう、外で魔物にやられたならどうしようもないでしょ?
 恐らく門番が出入りを記録しているはず。
 もし教会が孤児たちの行方をちゃんと調べても、獣人国はこの件に全く関係がなくなるって訳だ!

 孤児失踪計画。
 この作戦めっちゃ万能じゃない? 
 ちょっと手慣れてきたのがどうかと思うんだけどねぇ……

 まぁいいや。

 マリアさんの信用を得るのに1番苦労した。
 そこからはもうとんとん拍子だったな。

 土台作りが苦労したんだ。
 あと転移魔石作りかな。
 もうどっちも出来てるしさ。

 後腐れなく行方を眩ませる方法を考えるだけだもんね~。

『ふっ。簡単な仕事だったな』

「みっしょんこんぷりーと!でしたっけ?ふふ♪」

『まぁ、後ちょっとかな?僕と王様に任せといて』





 その夜。
 エデン、獣人王の城。城ねぇ……。
 クラムと城っぽい装飾つけてやろうかな。

『まぁそんな感じにしてきたよ?これで大丈夫?迷惑かかんない?』

「あっはっは!……じゃあ、俺等またなんもすることねぇじゃねぇか!迷惑かけろよ!」

「あとはこっちに任せてね?絶対よ!」

 いや、ここからは僕には出来ないよ……。
 もし誰かが孤児の失踪に気付いて報告があれば、王様に国の兵をそれっぽく動かして欲しいって頼みに来たんだ。

 万が一教会から孤児達の捜索願い依頼が来ても困るしね。
 来なくても孤児の失踪に気付いて王様が動かないの違和感あるでしょ?

 これで完全に教会から国が睨まれることもない。
 協力している感じや必死な感じを装って欲しいんだよね。

 計画に完全に抜かりはないッ!

『多少お金かかるでしょ?白金貨5枚ほどで兵士の給料足りる?』

「いらねーっつーの!俺等にもなんかさせろって言ってるだろっ!」

「多少って……兵士の給金どれだけ出すつもりなのよ……」

 いや、だって僕、兵士の給料とか知らんし……

『また孤児院に顔出してあげてね』

「おう!ありがとなクロム!」

「もちろんよ!ありがとクロムくん!」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

処理中です...