最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

文字の大きさ
219 / 270

215話 - もうすぐ大人

しおりを挟む
「あさごはんつくりにきたの!」

 う、うん……。
 それは別に構わないんだけど……

 窓から外をちらっとみたら今は多分朝8時くらい。
 こんな朝早くココちゃんはここに1人で来たのか?

「おうちに好きに使っていいって言ってたから……」(シュン……)

 うん、言った。
 孤児院の子たちってマリアさんにちゃんと礼儀を習っててさ?

 家でお小遣い稼ぎアルバイトしてた時だね。
 作業中なのに出入りの時毎回お邪魔しますって言うんだよ。

 その時に自分の家だと思って好きに出入りしたり設備使っていいから気にしないでって言ったんだよね。
 あ、エステルに言ってもらったんだ。

「ダメだった?ごめんね……」(しょぼーん)

『ダメじゃない!大丈夫っ!僕がいいよって言ったし!』

「ほんと?」

『うん、ビックリしただけだから。それはいいんだけど……』

 なんだかんだ孤児院からここまで2キロ以上はあるんだよね。
 僕等は魔の森に最初に建ててもらったクラム城に住んでるんだよ。
 居住区とは少し離れてると思うんだけど……。

 ココちゃんって精々8歳くらいにしか見えないんだよね。
 身長130センチあるかな……ってくらいなんだ。
 小学生低学年くらいかなぁって感じ。

 2キロ以上って結構距離あるよな……。
 ん?ってかなんでそもそもココちゃんは家の場所知ってんだ?
 昨日家には来てないぞ?

「ここまで遠かったですよね?歩いてきたのです?」

「ハチにのってきたの!昨日クラマとれんしゅうした!」

 あぁ!そういうこと!?
 それで昨日感知で調べた時に庭クルクル回ってたのか!
 クラマがおんぶしてるのかと思ってた……

『ココちゃんってハチに乗れるんだね』

 すごいな。昨日の今日だよ?

「乗っていいよって言ってくれるよ?」

「ハチが乗っていいって言ってくれるのですか?」

「そうだよ?」

 乗っていいって言ってくれる、とは……?
 ハチとコミュニケーションとれるの?

(ハチは皆と話せましたっけ!?)

(いや、話せないはず……)

 ハチは頭いいからハイエルフさんのいう事は分かってるみたい。
 でも人側はハチの言う事が明確にわからないハズなんだけど……

「そのハチはどこ行ったの?」

「お肉とってくるって!またむかえに来るって言ってたよ?」

 迎えに来るって言ってた??
 そんなバカな……。
 謎が深まってきたぞ……。

 ま、まぁいいや。
 今ここ重要じゃないな。

『……どうやって入ったの?戸締りしてたよね?』

「ハチに石もらったの」

『あ、転移魔石?ココちゃん起動できるの?』

「うん!教えてくれた!」

 あ、そういう事ね。転移魔石か。
 ハチ用に外に置いてたんだった。

 ってか教えてくれたって。
 もう明確に話せてるなそれ……

 ココちゃんも魔力持ちなんだね。
 何か教えてあげたりできるかな。

「マリアさんは心配していませんか?」

「ママが行っていいって言ったよ?クロムさんのお手伝いしてきてくださいって!」

 マリアさんのことだね。
 孤児院の子たちはママって呼ぶからね。
 まぁマリアさん公認ならいいか。

『マリアさんは一緒じゃないの?』

「1人で来たよ?ママは小さい子が泣いちゃっていそがしそうだったの。だからココが1人で行ってくるっていったんだよ?」

 ふむ……。
 朝は大変そうだよね。
 王都の時は皆で馬車に乗ってきてたからさ。
 いつも昼前頃からだったんだ。

 安全面は大丈夫なんだけど……
 この年の子がハチに乗ってるとはいえ魔の森走りまわっていいもんかなぁ。
 昨日はクラマもいたからさ。
 庭だったし。

 僕が幼い時ってあまり遠くに行かないでって言われてたけどなぁ……

『そっか。了解!色々聞いてごめんね。ココちゃんがここに居るのは全然いいよ。心配かけてないなら大丈夫』

「ありがと!ねぇねぇ、2かいに上がってもいい?みんな起こしたいの!」

 あぁ、そうだそうだ。
 王都の時2階は危ないから上がらないでって言ってたんだよ。
 上の部屋には魔石とかみんなに見せない方がいいモノ置きまくってたり転移部屋とか作ってたからさ。

 もう別にいいな。
 それにそろそろみんなも起きる頃か。

『あ、うん。これからは2階にも上がって大丈夫だよ』

「やった~!じゃあ行ってくる!」

 ダッダッダッダッ……

 2階に上がってみたかったのか。
 ウキウキしながら階段を上がって行ったな。

 それにしても……

『お手伝いしてもらう理由も無くなったし、料理作りに来なくてもいいんだけどねぇ』

「助かってはいましたけど、皆の生活に問題は無くなりましたもんねぇ」

 元々生活に困るからって理由でお小遣い稼ぎ始めたんだよねぇ。
 家に来ないでやりたいことやったらいいと思うんだけどなぁ……。

 昨日その辺りもちらっと話したと思うんだけど。
 もうお手伝い大丈夫ですよって。

 でもマリアさんはお手伝いしてきてくださいって言ったのか……

 ・
 ・
 ・

 みんな起きて1階に降りてきた。

 クラマはリビングのテーブルでウトウトしてる。
 そして僕等は今ココちゃんの背中を眺めている。

 トントントントン……

 すごいな。
 めっちゃ手つきいいじゃん。
 お手伝い始めた時ってまだあまり包丁使わないで料理してたんだけどね。

『ココおりょうりじょうずだね~!』

「ママに教えてもらったの!みんなのごはんもココがつくってたんだよ?」

 元々料理好きそうだったもんね。
 クラマのご飯担当だからって理由でやってるのかと思ってた。
 孤児院でも料理作ってたんだね。

「ココは話すのが上手くなったのぉ?孤児院では勉強などもしておるのか?」

「みんなはしてないよ?ココはママに文字おしえてもらったんだ!小さい子に本読んであげたくて」

 ココちゃんも小さい子だと思うんだけど……

 面倒見がいい子なんだね。
 クラマにずっとご飯届けてたんだもんな。

 それにしても子供って成長早いよなぁ……
 ……あれ!?

 そう言えばココちゃんってもっと幼かったよね!?
 初めて見た時5、6歳くらいに見えたけど……

(エステル!ココちゃんってあんな大きかったっけ!?)

(初めて出会った時はもっと幼かった気がします!)

 やっぱそうだよね?
 僕等ダンジョン入ったり色々しててよくわかんなくなるけどまだ出会って1年は経ってないって。

 成長スピードめっちゃ速くない!?
 獣人の特性か??

 ……ココちゃんの歳の子に年齢聞いても失礼にならないよな?

『そういえばココちゃんっていくつなの?』

「13だよ?」

『「13歳!?」』

 嘘でしょ!?
 クラマより年上!?

 全然そんな風に見えないけど……
 ってかエステルも驚いてるけどエステルも若いけどな。

「ふむ。それにしては幼いのぉ。ココの村は貧しかったんじゃったか?」

「前の村はすごくボロボロだよ。孤児院にもおじいちゃんとココともう1人しかいなかったの。しかもおじいちゃん料理できなかったんだ~。それでココが料理おぼえたの」

 なるほどね。
 それで料理作れたんだ。

「でも食べ物が全然なかったんだぁ。全然食べられなかった……。王都のほうがずっとマシだよ?」

『ごはんたべられないのかわいそ~』

 王都の環境でもマシなのか。
 なんだかんだ王都だもんな。

 他の村に孤児院があったら覗いてあげた方がよさそうだな。
 王様にも言っておこう。

「そこにクラマがフラフラになりながら森からでてきてね?ココのごはんをあげたんだ」

「そんな出会いだったんですね。自分の分も足りないのに……」

「元気になってからはクラマがお肉取ってきてくれてた!でもクラマは村の中には入らなかったんだよ~」

 クラマも寂しかったから本当はココちゃんの所に行きたかったんだろうね。
 でも人が怖くて村の中に入るまでには至らなかったってことか。

『ちなみに村やもう1人の子は今は大丈夫なの?探そうか?』

「こわい人に馬車にのせられたから村のことは知らない!もう1人はリラだよ?ココはリラと同い年なんだ~」

 あ、羊獣人のおっとりした子!
 あの子同じところ出身なんだ。
 無事でよかった。

『村に未練はないの?』

「ないよ!ココとリラは村のみんなに仲間外れにされてたの。だから今の方が楽しい!」

(あまり、孤児院の子たちはいい顔をされないって言ってましたね…)

(そだな。じゃあ、その村を探すのは却下だ)

 僕は聖人じゃないので。
 エデンの子に嫌な思いさせた村まで助けようとは思わないね。

『そっか。変な事聞いたね。今が楽しいなら良かった! ……ってか失礼ならごめん。ココちゃんがリラちゃんと同い年には見えなかったよ。ココちゃんってリラちゃんよりだいぶ幼いよね?』

 リラちゃんは中学生くらいに見えるもん。
 やっぱり獣人って成長スピードすごくまちまちなんだなぁ。

「ん~ん。ココもふしぎなの。全然おっきくならないんだ~」

「でも私が初めて見た時よりはずいぶん大きくなってますよ?」

『うん、今ぱっと見8歳くらいかな?この半年くらいで2年分くらい成長してるよ?』

「でもまだまだ小さいんだ~。だれか大きくなる方法知らないかな~」

 成長スピードが種によって違うんだろうね。
 ココちゃんは親に自分の事聞いたりできなかっただろうしなぁ。

「ふむ。話を聞いておると、恐らくココの体はわざと成長を止めておったのじゃ。そういう種の血が入っておるんじゃな」

「そうなの?」

「体が大きくなるとそれだけ栄養が必要になるじゃろ?生き抜く為に栄養が足りないと成長を止めるのじゃ。それが栄養が充分足るようになって急に成長しだしたのじゃよ。しばらくすれば年相応になるんじゃないかぇ?」

「そうなの!クロムくんのところでお手伝い始めてからおっきくなりだしたの!」

『おお、おばあちゃん詳しい!』

「うっふっふ。知っておる種に同じ特性の者がおったのじゃ!たまには年が役に立ったのぉ~」

 おばあちゃんは生態系とかなら詳しいのかぁ。

 13でしょ?
 このままなら2、3年くらいたてばそれくらいになりそうなペースかな?

「知らなかった!ティアさんありがと!」

「うむ。沢山食べて大きくなるのじゃ!」

 栄養が足りてるようで良かったよ。
 ココちゃんって思ってたより全然大きいんだ。

 そう言われれば他の子に比べてかなり早めに幼さが抜けて来てる気もするね。
 この辺は体の成長に由来してるんだろうな。

 マリアさんはココちゃんの歳知ってるんだろうな。
 まぁそりゃそうか。

『ちなみに獣人って何歳から大人なの?』

「15だよ?ココもうすぐ大人なの!大人になるまでに大きくなれそうでよかった~!」

「その辺りも種族毎に違うのですねぇ。ハイエルフは18ですからねぇ」

 人間で言えば、ってあまり人間で例える必要もないけど。
 13ってもう高校生くらいのイメージなんだな。

『色々教えてくれてありがとう。勉強になったよ』

「ココも教えてもらえてよかった!ありがと!ご飯できたよ~!食べよ~?」

 この世界ではこれくらいの歳の子はもう仕事してる子もいそうだな。
 ギルドでも下位のお手伝い系の依頼受けてたりするもん。

 ココちゃんがここに1人でいることはあまり心配しなくて良さそうだね。
 よかった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

35年ローンと共に異世界転生! スキル『マイホーム』で快適5LDK引きこもり生活 ~数学教師、合気道と三節根で異世界を論破する~

月神世一
ファンタジー
紹介文 「結婚しよう。白い壁の素敵なお家が欲しいな♡」 そう言われて35年ローンで新築一戸建て(5LDK)を買った直後、俺、加藤真守(25歳)は婚約者に捨てられた。 失意の中、猫を助けてトラックに轢かれ、気づけばジャージ姿の女神ルチアナに異世界へと放り出されていた。 ​「あげるのは『言語理解』と『マイホーム』でーす」 ​手に入れたのは、ローン残高ごと召喚できる最強の現代住宅。 電気・ガス・水道完備。お風呂は全自動、リビングは床暖房。 さらには貯めたポイントで、地球の「赤マル」から「最新家電」までお取り寄せ!? ​森で拾った純情な狩人の美少女に胃袋を掴まれ、 罠にかかったポンコツ天使(自称聖騎士)が居候し、 競馬好きの魔族公爵がビールを飲みにやってくる。 ​これは、借金まみれの数学教師が、三節根と計算能力を武器に、快適なマイホームを守り抜く物語。 ……頼むから、家の壁で爪を研ぐのはやめてくれ!

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

処理中です...