最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ

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218話 - 破壊活動

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『”寄生”』

 …………

『ダメか。戻れぷちクロ。”転移ゲート”』

『”電磁砲レールガン”』
 キュィイィイイン……シュンッ……
 バァァぁぁアァアァアン!

 GRA…………ポトッ

「ダメでしたか……」

『うん、寄生できなかった』

 今日は朝からダンジョン。
 溶岩階層のボス、溶岩竜を倒しに来ていた。
 寄生の実験だ。

 簡単な作業だ。
 溶岩竜は大体入った瞬間に大口を空けて火炎放射をしてくる。
 火炎、温度変化無効のぷちクロに火炎放射とか意味ない。
 ただのそよ風だ。

 大口を空けた溶岩竜にぷちクロをぶん投げる。
 口から体内に侵入。
 寄生。以上だ。

 もちろん合体する時にクリーンは欠かさない。
 ちょっとばっちい。

「……ダメージが足りない……とかじゃないの?」

『なんとなくわかるんだよ。意識入っていきそうかどうかって。溶岩竜は魂を受け付けていないって感じだったの』

 ノーダメでぷちクロに寄生させようとしたのは意味がある。
 今、溶岩竜に寄生するつもりはないんだ。
 出来てもキャンセルしちゃうつもりだった。

 寄生は魂を乗っ取る能力。
 ”入らないの”と”妨害されている”のは別なんだ。
 それは唯一寄生をまともにしたワカメの時に分かった。

 魂が足りなくても入っていきそうな感覚。
 妨害されてはじき出されそうな感覚。

 そういうのはあったんだよね。
 それが溶岩竜には全くない。

 ちなみに、魔の森のインフェルノウルフで試したんだ。
 そいつには寄生できそうだった。
 ってか危なかった。

 魂がぐんぐん入って行ってノーダメでも乗っ取れちゃうの。
 力が違いすぎる。
 急いでキャンセルしたんだ。

 ちなみにその実験で把握したことがある。
 僕が分裂体で寄生すれば分裂体のみが寄生して本体は残るんじゃないかなとも思ったんだ。

 そうはならなかった。
 寄生が半分くらい進んだ時にこっちの魂も吸い取られそうになったんだ。
 だから体を増やしまくれる、とはならないってことだ。

 分裂体はあくまで分裂体。
 本体の僕あり気だってことだね。

『もう1こうえのゴーレムは~?』

『あいつは無機物っぽいからなぁ。試してもいいんだけど、溶岩竜の方が確率高いかなって。こいつ無理ならゴーレムも無理だろって思ってねぇ』

「難しいところじゃの。今の様子だと、ダンジョンの魔物は魂を受け入れられるように出来ておらん、という筋が濃厚かのぉ」

『多分そうだね。神目線だとあくまでこいつら疑似生命体らしいからね。僕等から見ると生物に見えるんだけど、構成が違うんだと思うよ』

 ソフィア様ー!!
 聞こえますかー!!

 あ、多分聞こえてはいるんだよ。

 応答できますかー!?

 ……

 ダメか。
 まだ話せる程神パワーが足りないってことか。

 まぁいいよ。
 想定内だ。

『じゃあ僕この後ちょっと作業してくる。昼くらいまでかな?みんなはどうする?』

「……行く。……トカゲ倒しに」

『エステル~ゴーレムたおしにいこ~?』

「そうですね!まだまだ苦手ですからね!」

 ここにきて明確に弱点が分かってきたんだ。
 クラマは遠距離や大群を相手にするのが苦手。

 最近は魔法の練習をしている。
 基本今まで物理特化だったからね。

 エステルは長時間戦闘が苦手。
 能力が多種すぎて長時間に魔力の割り振りを考えながら戦うのが難しいんだ。

 だからクラムとペアを組んでゴーレムを倒し続けるのがいい訓練になっている。

「我はクラムとエステルの方で魔法の特訓をするのじゃ」

 おばあちゃんは魔物倒すの苦手だからね。
 ただ、ダンジョンの生命体は疑似生命体だって僕らの話を聞いてダンジョンでの特訓に関しての忌避感は無くなったようだ。

「クロムさんは何をするんですか?」

『……破壊活動』

 じゃあ僕は今日はクラマに付き合おうかな。
 場所はどこでもいいんだ。

 ・
 ・
 ・

 ダンジョン79階層階段。
 僕とクラマはただ80階層ボスエリアから階段を上ってきただけの話。
 あと、3人は1回外にでて90階層に入りなおしたって感じだね。

 クラマと2人って結構珍しい組み合わせな気がするな。
 たまに釣りしに行ったりするんだけどさ?

 ダンジョンで2人になることってあんまりないもんなぁ。
 クラマとの時間ものんびりしてて好きなんだ。

 79階層のトカゲ軍団を倒すときには階段の淵に壁を張る。
 そこから小さな穴を開けて射撃訓練だ。

 実際問題80階層より下の暗黒大陸よりこっちの方が敵が多いんだよね。
 敵が沸くペースもすさまじい。

 多数相手の特訓や経験値効率ではこっちの階層の方が全然上なんだよ。
 僕の破壊活動もこの階層がメインかもな。

『”永久凍壁パーマフロスト”』

 キラキラ……バキンッ!!

「……それ……初めて見た」

『あぁ、これ?蒼氷の壁に温度変化無効を組み合わせただけだよ。絶対解けない氷の大地のことを永久凍土っていうんだ。魔法とスキル別々に唱えるの面倒じゃん。だから合成魔法作っただけ』

 この辺りは創造の力持ってる僕特有だね。
 スキルと魔法を合わせちゃう技。

 そして漢字は永久凍土をただ当て字にしただけ。
 僕が使える魔法の中では蒼氷が一番固いからね。

『魔法打つ練習するんじゃんね?ここから打とうよ』

「……どこから?……溶かせない」



 …………



『うっし!気を取り直していこう!!』

「…………」

 魔法を解除した。
 そして蒼氷を作って白炎で穴を開けた。
 その後に温度変化を付与した……。

 永久凍壁パーマフロスト使えねぇ!
 これ僕外でやってたらどうやって溶かしたらよかったんだろうか!?
 永久にIBアイテムボックスを圧迫するゴミを作ってしまうところだった……

 嘘嘘。
 別に魔法解除しなくても温度変化無効効果だけを解除すればいいんだけどね……
 溶かして作り直すときに気付いたよ。
 なんか永久に溶けない氷って微妙な魔法だなぁ。

『”防音壁ノイズバリア”……これで大丈夫。話も出来るし、こっちの音をトカゲの方に通さないようにしたからね』

 サイレントルームとかする必要なかったな。
 部屋作っちゃわなくても敵と自分の間に防音壁作ればいい話だ。
 こっちからの音を向こうに伝わらないようにすればいいだけだった。

「白炎弾」(バンッ)

 うん、いいんじゃないかな?
 無属性の周りに白炎を纏ってる感じだね。

 クラマが1番使いやすいのは火系。次は闇。
 ここのトカゲは熱無効だけど白炎だと多少貫ける。

 僕が作った創造系の魔法は今スキルにある理をぶっちぎるらしい。
 そして無属性のバレットの物理効果。

 貫けるとは言っても耐性すごいから純粋にトレーニングになるんだよ。
 火に耐性の無い魔物に白炎とか打ったら蒸発しちゃうからね。
 トカゲは防御力も高いしクラマの訓練にうってつけだ。

『こんなのは?”影刃シャドウブレード”』(サクッ)

「……何したの?……トカゲが浮いてる」

 トカゲが僕の闇の刃にお腹持ち上げられてじたばたしてるね。
 ただ、ぜーんぜん貫通してない。
 薄皮1枚って感じかな?
 皮っていうかトカゲの表面岩だな。

 僕闇属性苦手だなぁ。
 どれだけ見ても質量無いモノが攻撃力持ちそうに思えないもん。
 これはこの世界の人が詠唱なしで魔法使えないってのと同じなんだろうね。

『闇属性でしょ?だから影。トカゲの体の下の陰の闇を利用して刃に形を変えてみた。これなら狙う必要すらないでしょ?確定で当てられるよ。弾丸系よりクラマの好みだと思うんだけどね?どう?』

 遠距離魔法って魔法や弾丸打つ、とかじゃなくてもいいでしょ。
 敵の下から魔法出せばいいんだもん。

 影を利用すれば狙う必要すらない。
 勝手に着いて行ってくれるんだからさ。

『でも僕闇属性苦手だからあんまりだね。クラマの方が練習すれば攻撃力でると思うよ?』

「……パパも……苦手なものあるの?」

『あるよ……。特に前世の常識をぶっちぎるような魔法は苦手。具現化できない程ではないけれど強くするのは無理だと思うよ。クラマはそんな常識ないでしょ?』

「……うん。……影。……この魔法、好み。……”影刃シャドウブレード”」(グサッ)

 しっかり食い込んだ!
 トカゲの固い岩の表皮でも何発か打てば倒せそうだね!
 やっぱ僕より強い!

「……これ、いいね。……使える。……遠距離はこっち練習する」

 おお、喜んでくれた!!
 うっすら微笑んでるよ。
 これはハマったね!

 僕とクラムは弾丸系の魔法得意なんだよ。
 でも同じの使う必要はないよね。
 得意分野を伸ばせばいいと思うし。

 クラマとゆっくり特訓する時間とかないからね。
 あと、気になってたのは……

『クラマって何の属性が使えなさそうかわかる?』

 クラマは火、風、光、闇、無を今使える。

 エステルは精霊魔法だから属性は関係ない。
 いや、多分あるんだと思うんだけどクラムが皆を集めてくれてるからね。

 クラムは僕の影響が強いから全属性使える。
 皆より創造の加護が強いんだ。

 あと、元々のクラムの適性もあるのかもしれない。
 クラムって半精霊だもんね。

 おばあちゃんとクラマはちゃんと自分の素質の影響受けてるんだよね。
 当たり前なんだけどね。

 おばあちゃんも精霊に近いんだけど、
 おばあちゃんの場合明確に得意属性ある感じだからさ。

 水精霊が火魔法は使えないよねって感じだ。
 土はいけそうな気がするんだよ。
 火と雷が絶対に無理って言ってた。

「……水と土、イメージしても反応しない。……雷は……わからない」

 水と土はクラマには使えないのね。
 おばあちゃんと真逆か……。

 天狐だもんね。
 大地との親和性低そうな気がする。
 知らんけど。

 これは種族特性とか才能もあるしこの世界では仕方ないことらしい。
 何でも使える僕とクラムがおかしいんだ。

 普段の訓練を見てる感じ、
 加護が入ってないと風はクラマには覚えられてなかったと思う。
 適性60%って感じだ。

 80%以上の親和性がないと使えなかった魔法が、
 創造の加護が入って50パーセント以下に引き下がったイメージ。

 だから全く適性の無い魔法は使えるようにはならないみたいだね。
 無はちょっとわからない。
 これに関しては努力な気がする。

 雷か……

『ちょっとパチってしていい?』

「……いいよ」

『”静電気”』(パチッ)

 ボワッ………

『……プッ、あっははははははははは』

 やばい!
 クラマの尻尾と髪の毛がボワボワになった!
 クラマ尻尾フワッフワですごい毛量あるからなぁ~

 これは……ダメだ。
 普段クールなクラマから想像出来ない可愛い姿になってしまった
 まんまるだ……

「………………もうわかった」

 自分の姿に気付いたようだ。
 あ、顔が真っ赤になっちゃった。

『ごめんごめん。可愛かったよ。まぁこんな感じ。このイメージを強くしていけばそのうち雷撃とか使えるようになると思うんだけどね?”雷槍サンダーランス”』(ドカーンッ)

「……うるさい。……使い所、かな」

 あ、なるほどね?
 雷魔法は着弾の時にすんげ~音するもんなぁ。
 直接攻撃はあまりクラマの好みじゃないのか。

「……色々考えてみる。……また一緒に訓練して」

『もちろん!さってと、じゃあ僕もやろっかな』

 バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ………

「それ……うるさい?」

『大丈夫!ボリューム調整してるー!』

 音魔法覚えてよかったなぁ~。
 これクラマとクラムには教えてあげないと。
 複合するのに凄く便利だ。

『”電磁機関銃レールマシンガン”ッ!』

 キュィイィイインィイィイインィイィイイン……
 ズダダダダダダダダダダダダダッダダ………


 …………


「敵ほとんど全滅……」

『目に入るやつはね。どうせ直ぐリスポンしてくるよ』

 電磁砲使うとこの辺りの敵だったら射線にいるやつ全滅するからね。
 マシンガンで一斉掃射しちゃえばいいだけだ。

 ただ、隙間に居るやつは残ってるけどね。
 僕が全滅させちゃうとクラマの特訓にならないし。

「……うん。残ってる敵に影を当てる練習する」

『そうだね!僕も出来るだけアドバイスするよ。せっかくだしゲートで魔石の回収しよっかな』

「パパと訓練……楽しい。……またやろ」

『うん、僕も楽しい!もちろん、いつでも行こうね』



 僕の体。
 今は他の種族への進化をイメージしてまだ持ってる。
 あれから人にならないとって考えが膨れ上がった。

 少し魔物への恐怖が膨れ上がった。
 でも、きっと慣れが来る。

 スライムのままでも家族との関係は変わらないかもしれない。
 でも絶対に、こんな幸せな時間を失いたくないんだ。

 万が一にも、僕が家族への考えが変わる可能性を残すわけには行かない。



 ソフィア様ー!
 お願いがあるんです~!

 ……まだダメか。
 でも、僕の予想があっていればきっと……
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