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222話 - クロムの力の秘密
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『とりあえず、一旦ダンジョンの魔物に寄生する件は対価払えますよね?僕の仕事の件は了承して貰えるんです?雇ってもらえるんですか?』
≪……弱いわね。ダメ≫
え!?ここにきて僕落とされるの!?
『なんで!?対価は払えるじゃないですか!?』
≪私がなんで君の魔物を倒した量なんかを把握してると思う?≫
え、もうすぐ神力溜まるかなぁって見てたとか……?
≪アテナが監視しているからよ≫
…………。
え!?僕消される!?
≪違うわよ。ちょっと話逸れるわよ?とりあえず合格か不合格は置いておいて、君のお願いは把握した。君がこれからもこのまま人として生きて行けるようにダンジョンの魔物に寄生したい。それはわかった≫
『そうです……』
≪この話を進める前に私のお願いも聞いてちょうだいな?それから判断するわ≫
は、はぁ……
あ、そうか。
僕使いっぱしりに昇格したからお願い聞けるんだった。
・
・
・
『ソフィア様からの要望って珍しいですね?なんですか?』
≪もうそろそろ君危ないのよ。君、今どれくらいの力使ってるか把握してる?ずっとダンジョンで戦っていてよくわからなくなってるでしょ?≫
あれ、僕の話?
『まぁ、それはそうですね。ダンジョン内でしか思いっきり魔法使わないですし』
≪クロム君ねぇ。ダンジョンに入り出してから変なトレーニング始めたでしょ≫
変とは失礼な!
僕的には全部効率よくやってるつもりだけどね!
ってかどれ?
『色々やりすぎててわかんない』
≪全部かしら?ずっと色んな魔法を唱え続けてるのも、自動魔力回復がちょうど相殺されるように永遠に硬化や怪力や感知……色んなスキル使い続けてるのも≫
それは昔からやってるけどね?
硬化、怪力、感知でしょ?
翠風使って見えないレベルでちょっと浮いてるし。
それに伴う風圧も魔法で相殺する。
フロートはあんま特訓になんないんだよね。
他にも影と同化するように闇魔法使ってるよ?
あとぷちクロが沢山隠れて魔法使ってるかなぁ。
雷で体びりびりしてたりもするよ?
左から白炎で体燃やして右から蒼氷で凍らせてるよ?
ちゃんと耐性系のスキルはダメージ受ける程度に減らしてるんだ。
それを後ろのぷちクロが回復し続けてるかなぁ。
痛みにも慣れてきて痛覚無効って言うスキル取ったね。
属性吸収狙ってるんだけど吸収はとれないのかなぁ。
体質かなぁ。
あと……
≪もういいわよ……≫
『もういいんですか?話す機会ないからたまには誰かに聞いて欲しいんですけどねぇ。家族にはカッコつけたいんで秘密なんです。まぁいっか。これくらいしないと自動回復相殺できないんですよ。魔力勿体ないよね』
見せないように魔法使うのって技量居るんだ。
知能も魔力も上がるんだよね。
見えてるうちはまだまだだね。
≪君の魔法ポリシーは知らんけども……≫
それに………
強くならないと怖いんだもん……。
パパだしさ?
いつ何時でも家族守りたいしさ……
≪本来魔力を大量に消費すると震え、吐き気や眩暈、発熱で立てなくなるはずですけれど?≫
あ、やっぱそうなのね。
僕だけじゃなかったんだ。
それにワカメの時は気持ち悪くならなかったんだよね。
カニの時に気持ち悪くなりだした。
でもワカメの時は魔力使い切ってたのにカニになって辞めるの嫌じゃん。
『そんなもんはカニの時に慣れましたね?そっからスタートでしょ。筋トレなんか自分を如何にイジメ抜けるかですよ。発熱したら氷魔法つかって冷やしてますね?これは僕の家族もある程度みんなやってますよ?』
まぁ止めたんだけどね。
そこまでやんなくていいって。
≪そんなもんって……。魔力が高くなっていく毎に魔力枯渇症状はきつくなっていくはずよ?≫
へぇ。魔力枯渇症状とか言うんだ。
筋肉痛みたいなもんだとおもったわ。
『やる気出ますよね!鍛えられてるって感じっすね!』
≪普通そんなこと出来ないのよ……≫
『気合でしょ?これに耐えれば家族守れるならやりますけどね?死ぬよりマシでしょ』
…………
≪まぁ、1番は全力で魔法打ちまくってるのが問題ですかね?君の魔力が100万として普通の人が100よ?要するに1万人分が1日かけて行う筋トレを1人でやってるの。さらに最近は魔法1発で100万消費することもあるわよね?それを魔力自動回復させて1日何度も打ってるのよ?バカなの?≫
『バカじゃないよ?知ってるよ?だから全力で魔法打ってるんだもん』
≪狙ってやってるのね……≫
超効率いいじゃんね。
これやり出してから魔物倒す意味あんま無くなったんだ。
全力で魔法ぶっ放してる方がステータス上昇率いいから……
≪君が全力で魔法1発打つたびに1万人以上の苦痛に耐えてるってことなのよ!?分かってるの!?≫
『へぇ~』
≪興味なさそうね……≫
『1ナノも興味ないですね。それで家族が安全ならそれで。僕の苦痛なんてどうでもいいです。もう慣れました。特に苦痛感じてませんし。たくさん魔法使ったし疲れたなぁくらいですかね?』
良いよ全然。
前世味わった悲しみに比べたら全く何とも思わないよ。
やればやるだけ強くなるんでしょ?
やってもやっても逆効果だったあの時に比べれば……
≪君前世から元々そういうタイプよね。精神ダメージなければ体のダメージは無視するんだもの≫
『え!?前世も見てたの!?』
≪見てたわよ。その前もよ。君も本質はずっと同じなの。だから話しかけたんじゃない≫
『……そうなんですか。まぁ意識してないですけどね。前世は元々体弱かったんでよくわかんないっす。その代わり、精神的に脆い自覚ありますよ。だから不安で仕方なくて強くなるんじゃないですか』
≪はぁ……。創造の力がなくても、元々この世界とシナジーがありすぎるのね君は……≫
……ってか、あれ?
呆れられてるの?
僕って今怒られたりしてた?
≪怒ってはいないわ。理解して欲しいだけ。例えば今日使った魔力を一気に全力放出……。大爆発でしたっけ?他にもあんな魔法あるの?≫
『あんな……全力で使える魔法ですか?ほぼ全部できますよ?質量増やして圧縮の方に力入れればいいんで。魔力も使うし知力も使うし効率良いんです』
一撃必殺はしようと思えばできるよ。
色んな魔法一発に全魔力注ぐ練習したもん。
知能伸びないし効率悪いからしないけど。
バレットの質量あげまくって圧縮して固くしてもそこまで意味ないけどさ。
そこそこで全部貫けるし。
まぁやろうと思えばできるけど……?
上手く回復と消費のバランスが取れるところで魔力使い続けてるのが1番効率いいんだよ。
で、一日が終わる瞬間見計らってドーンだ。
≪今君の星で使われてる魔法でそんなこと出来ないのよ……≫
『まぁそうらしいっすよね。決まった魔力でしか魔法使えないらしいっすね。勿体ない。ってかなんでそうなったんです?』
≪衰退しただけよ。魔法の担当が誰でも魔法が使えるように色々魔法を作ったの。じゃあ皆考えることを止めてしまって、自分で訓練をすることを止めたの。魔本も時代と共に無くなっていくわ。書ける人はどんどん減っていく。皆情報を秘匿するんだもの。そのうちその星の人は魔法使えなくなるんじゃない?そうなったらもう知らないわ。私は直接手を下せないもの≫
あぁ。やっぱそうなんだ。
人って楽な方にいくんだなぁ……
≪まぁ、話を戻すと、クロム君が1日1回ダンジョンに入って与えているダメージを試算したら合計値が星の耐久力を遥かに上回ってるの。要するに、君の今日使った魔力を全て攻撃魔法に注いで地上で放てば星が壊れる。1回よ?と言うより全力なら1発かしら?≫
………嘘。
≪嘘じゃないわよ。異空間にダメージ飛ばしてなかったらダンジョン内に転移させてる別の星壊れてるわよ。何度も。というか近頃は毎日壊してるわ。いくつ惑星壊すつもりなのかしら?君の星より丈夫で大きい星ばかりなんですけどね?≫
…………。
≪ほら?星壊せるわよね?自覚ありますよね?ね?≫
そっすね~。
壊さないけど壊せるかもしれないですかねぇ~。
『ダメでしたか……?』
≪何もない空間にダメージ飛ばしてるから”まだ”ダメじゃないわよ。それも知っててやってるでしょうし。ただ、危ないってことは理解した?≫
『そうっすねぇ、理解しましたぁ。あ、あははは……』
≪それに、君の家族もそうなりつつあるのよね?あ、クラムちゃんはもうなってるわ≫
…………
まぁクラマはデカい魔法使わないし……
エステルはちょっとやるかも……。
おばあちゃんは謎だ……
≪で、ここからがお願い。クロムくんはパパなんでしょ?家族の分も働きなさいな≫
『え、じゃあ僕面接落ちたんじゃないんですか!?』
≪落ちてないわよ。逆よ。自分で文明を上ってきたものを止める必要はないのよ。ここまでこっちの文明の話が自分で理解できたのなら、もうこっちの仕事を直接手伝えるわ。だから手伝いなさい。君風にいえば、正式に社員にするわ≫
え、僕、使いっぱしり卒業なの……?
・
・
・
≪まず、これは言っておきましょう。今、君が生まれてから、まぁ正確に言えばダンジョンに入ってからね?もっと正確に言えば前私と話してからかしら?全力で魔法唱えだしたわよね?それから、その星の文明ではありえない程のエネルギーが抽出できてるの。同じレベルの文明の星、数100倍のエネルギー量かしら?このエネルギー量はとてもおいしいわ!ありがと!私にもボーナスが入るかもしれないわ!ふふふ≫
ボーナス……
ちゃんとそういうシステムあるんだね……
『は、はぁ……。よかったっすね……』
ま、まぁ迷惑かけてるんじゃないならよかったよ……
世話ばっかかけてるからちょっとくらい恩返しで来たなら良かったけど。
≪ただ、このままだとせっかくのこのエネルギーが維持できないの。君の生きてる期間だけじゃない。君が何年生きるのか知らないですけど≫
『いや、まぁそりゃそうだろうけど……』
≪だから、私と組まない?≫
組む!?
どういうこと!?
≪君はダンジョンでトレーニングしたいわよね?≫
『まぁ、そうっすね。辞めたくはないっすねぇ……』
辞めたくないなぁ……。
なんだかんだ楽しい部分もあるし。
鍛えないと不安だしね。
外で全力の訓練は出来ないしなぁ。
≪でもこのまま訓練するとどんどん強くなってそのうちついうっかり星壊しちゃうかもね?≫
……否定はできない。
ちょっと怖くなってきた……。
あくまで防衛の為に鍛えてるだけなんだけどなぁ……
魔法が使えるのが楽しい気持ちもちょこっとだけあるけれど。
≪先に君への給料の話をしましょうか≫
『え!?給料くれるの!?……でもお金要らないよ?神力の使い所もないし』
≪君の家族、君の加護が入っている者が巻き起こす地形へのダメージはある程度飛ばして封殺してあげます。魔法効果も君達の意思でダンジョンと同じように消去できるようにしてあげます。というより星自体に壊れるようなダメージを消せるような細工をするわ。どう?≫
『なんだと!?』
え!?クラムのうっかりが無くせるってこと!?
それに魔法を途中でカット出来たりするようになるって事は……
作った家を消せる!?
隕石を振らせて地上の前で消したり竜巻起こしてパッと消したりできるようになるってこと!?
マジ!?
そしてダメージカットする魔道具を星単位に入れてくれるって事!?
≪限度はあるわよ?完全に地形ダメージ消したら不自然よ。木こりや鉱夫どうするのよ≫
あ、そりゃそうか。
鉱石掘れねぇ!ってなるな。
≪ええ。一般の人の生活感は変わらないわ。星が壊れる程のダメージを飛ばしてあげるって事。大地くらい消えるわよ。その辺りは自分で調整しなさいな≫
うーん。
なかなか難しいな……
どれくらいだ?
≪そもそもそれをしている星もあるのよ。ただその星はもう魔法がどんどん減衰していってしまっているの。そこまでする必要がなかったのよ。もう私も少し諦めていたわ≫
あぁ、そういう事なんだ。
僕が聞いたことある話ってすげぇデカい魔法使ってるのに地形ダメージなかったりするんだよ。
隕石魔法とか使ってるのに星消えないの。
僕が同じことしたら星消えるけどなって思ってたんだよ。
直ぐ元通りになるんだよね。
そんなバカなって思ってた。
≪そうね。君の知っている小説やアニメを参考にしなさいな。それくらいの程度ってこと≫
なるほど。
ちゃんと対策してる星があるんだね。
それが元に出来た話もあるのかもね。
ただ、僕が居る星はそのレベルになる前に魔法が衰退し始めた、と。
あぁ、アテナ様仕事無いって言ってたもんな。
本来そういうことする担当なんだな。
≪そういうこと。で、やらないの?≫
『やる!絶対やる!!』
≪ただ、完全にこちらの力でそれを行うことになるから神力は膨大に使うわね?≫
『それはそうですよね……僕等が理解できる物理法則無視するわけですもん……』
こっち風に言えば僕らの意思で勝手に空間属性使ってダメージ飛ばす。
後、消滅系の魔法使って物質とか魔力消しちゃったり分解しちゃうとかってことだろ?
エネルギー消費エグそうだよね……
≪あら、すごいわね?クロム君は科学得意なのねぇ。何となく理解できるんだ?≫
これ科学なのかな……。
まぁソフィア様の文明では科学で出来るんだろうな。
理解してるかはわかんないけど……
ほわ~っとですかねぇ~。
『で、僕は何をすればいいんです?』
≪不労所得って興味ある?≫
なんかビジネスの話始まった!?
≪……弱いわね。ダメ≫
え!?ここにきて僕落とされるの!?
『なんで!?対価は払えるじゃないですか!?』
≪私がなんで君の魔物を倒した量なんかを把握してると思う?≫
え、もうすぐ神力溜まるかなぁって見てたとか……?
≪アテナが監視しているからよ≫
…………。
え!?僕消される!?
≪違うわよ。ちょっと話逸れるわよ?とりあえず合格か不合格は置いておいて、君のお願いは把握した。君がこれからもこのまま人として生きて行けるようにダンジョンの魔物に寄生したい。それはわかった≫
『そうです……』
≪この話を進める前に私のお願いも聞いてちょうだいな?それから判断するわ≫
は、はぁ……
あ、そうか。
僕使いっぱしりに昇格したからお願い聞けるんだった。
・
・
・
『ソフィア様からの要望って珍しいですね?なんですか?』
≪もうそろそろ君危ないのよ。君、今どれくらいの力使ってるか把握してる?ずっとダンジョンで戦っていてよくわからなくなってるでしょ?≫
あれ、僕の話?
『まぁ、それはそうですね。ダンジョン内でしか思いっきり魔法使わないですし』
≪クロム君ねぇ。ダンジョンに入り出してから変なトレーニング始めたでしょ≫
変とは失礼な!
僕的には全部効率よくやってるつもりだけどね!
ってかどれ?
『色々やりすぎててわかんない』
≪全部かしら?ずっと色んな魔法を唱え続けてるのも、自動魔力回復がちょうど相殺されるように永遠に硬化や怪力や感知……色んなスキル使い続けてるのも≫
それは昔からやってるけどね?
硬化、怪力、感知でしょ?
翠風使って見えないレベルでちょっと浮いてるし。
それに伴う風圧も魔法で相殺する。
フロートはあんま特訓になんないんだよね。
他にも影と同化するように闇魔法使ってるよ?
あとぷちクロが沢山隠れて魔法使ってるかなぁ。
雷で体びりびりしてたりもするよ?
左から白炎で体燃やして右から蒼氷で凍らせてるよ?
ちゃんと耐性系のスキルはダメージ受ける程度に減らしてるんだ。
それを後ろのぷちクロが回復し続けてるかなぁ。
痛みにも慣れてきて痛覚無効って言うスキル取ったね。
属性吸収狙ってるんだけど吸収はとれないのかなぁ。
体質かなぁ。
あと……
≪もういいわよ……≫
『もういいんですか?話す機会ないからたまには誰かに聞いて欲しいんですけどねぇ。家族にはカッコつけたいんで秘密なんです。まぁいっか。これくらいしないと自動回復相殺できないんですよ。魔力勿体ないよね』
見せないように魔法使うのって技量居るんだ。
知能も魔力も上がるんだよね。
見えてるうちはまだまだだね。
≪君の魔法ポリシーは知らんけども……≫
それに………
強くならないと怖いんだもん……。
パパだしさ?
いつ何時でも家族守りたいしさ……
≪本来魔力を大量に消費すると震え、吐き気や眩暈、発熱で立てなくなるはずですけれど?≫
あ、やっぱそうなのね。
僕だけじゃなかったんだ。
それにワカメの時は気持ち悪くならなかったんだよね。
カニの時に気持ち悪くなりだした。
でもワカメの時は魔力使い切ってたのにカニになって辞めるの嫌じゃん。
『そんなもんはカニの時に慣れましたね?そっからスタートでしょ。筋トレなんか自分を如何にイジメ抜けるかですよ。発熱したら氷魔法つかって冷やしてますね?これは僕の家族もある程度みんなやってますよ?』
まぁ止めたんだけどね。
そこまでやんなくていいって。
≪そんなもんって……。魔力が高くなっていく毎に魔力枯渇症状はきつくなっていくはずよ?≫
へぇ。魔力枯渇症状とか言うんだ。
筋肉痛みたいなもんだとおもったわ。
『やる気出ますよね!鍛えられてるって感じっすね!』
≪普通そんなこと出来ないのよ……≫
『気合でしょ?これに耐えれば家族守れるならやりますけどね?死ぬよりマシでしょ』
…………
≪まぁ、1番は全力で魔法打ちまくってるのが問題ですかね?君の魔力が100万として普通の人が100よ?要するに1万人分が1日かけて行う筋トレを1人でやってるの。さらに最近は魔法1発で100万消費することもあるわよね?それを魔力自動回復させて1日何度も打ってるのよ?バカなの?≫
『バカじゃないよ?知ってるよ?だから全力で魔法打ってるんだもん』
≪狙ってやってるのね……≫
超効率いいじゃんね。
これやり出してから魔物倒す意味あんま無くなったんだ。
全力で魔法ぶっ放してる方がステータス上昇率いいから……
≪君が全力で魔法1発打つたびに1万人以上の苦痛に耐えてるってことなのよ!?分かってるの!?≫
『へぇ~』
≪興味なさそうね……≫
『1ナノも興味ないですね。それで家族が安全ならそれで。僕の苦痛なんてどうでもいいです。もう慣れました。特に苦痛感じてませんし。たくさん魔法使ったし疲れたなぁくらいですかね?』
良いよ全然。
前世味わった悲しみに比べたら全く何とも思わないよ。
やればやるだけ強くなるんでしょ?
やってもやっても逆効果だったあの時に比べれば……
≪君前世から元々そういうタイプよね。精神ダメージなければ体のダメージは無視するんだもの≫
『え!?前世も見てたの!?』
≪見てたわよ。その前もよ。君も本質はずっと同じなの。だから話しかけたんじゃない≫
『……そうなんですか。まぁ意識してないですけどね。前世は元々体弱かったんでよくわかんないっす。その代わり、精神的に脆い自覚ありますよ。だから不安で仕方なくて強くなるんじゃないですか』
≪はぁ……。創造の力がなくても、元々この世界とシナジーがありすぎるのね君は……≫
……ってか、あれ?
呆れられてるの?
僕って今怒られたりしてた?
≪怒ってはいないわ。理解して欲しいだけ。例えば今日使った魔力を一気に全力放出……。大爆発でしたっけ?他にもあんな魔法あるの?≫
『あんな……全力で使える魔法ですか?ほぼ全部できますよ?質量増やして圧縮の方に力入れればいいんで。魔力も使うし知力も使うし効率良いんです』
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知能伸びないし効率悪いからしないけど。
バレットの質量あげまくって圧縮して固くしてもそこまで意味ないけどさ。
そこそこで全部貫けるし。
まぁやろうと思えばできるけど……?
上手く回復と消費のバランスが取れるところで魔力使い続けてるのが1番効率いいんだよ。
で、一日が終わる瞬間見計らってドーンだ。
≪今君の星で使われてる魔法でそんなこと出来ないのよ……≫
『まぁそうらしいっすよね。決まった魔力でしか魔法使えないらしいっすね。勿体ない。ってかなんでそうなったんです?』
≪衰退しただけよ。魔法の担当が誰でも魔法が使えるように色々魔法を作ったの。じゃあ皆考えることを止めてしまって、自分で訓練をすることを止めたの。魔本も時代と共に無くなっていくわ。書ける人はどんどん減っていく。皆情報を秘匿するんだもの。そのうちその星の人は魔法使えなくなるんじゃない?そうなったらもう知らないわ。私は直接手を下せないもの≫
あぁ。やっぱそうなんだ。
人って楽な方にいくんだなぁ……
≪まぁ、話を戻すと、クロム君が1日1回ダンジョンに入って与えているダメージを試算したら合計値が星の耐久力を遥かに上回ってるの。要するに、君の今日使った魔力を全て攻撃魔法に注いで地上で放てば星が壊れる。1回よ?と言うより全力なら1発かしら?≫
………嘘。
≪嘘じゃないわよ。異空間にダメージ飛ばしてなかったらダンジョン内に転移させてる別の星壊れてるわよ。何度も。というか近頃は毎日壊してるわ。いくつ惑星壊すつもりなのかしら?君の星より丈夫で大きい星ばかりなんですけどね?≫
…………。
≪ほら?星壊せるわよね?自覚ありますよね?ね?≫
そっすね~。
壊さないけど壊せるかもしれないですかねぇ~。
『ダメでしたか……?』
≪何もない空間にダメージ飛ばしてるから”まだ”ダメじゃないわよ。それも知っててやってるでしょうし。ただ、危ないってことは理解した?≫
『そうっすねぇ、理解しましたぁ。あ、あははは……』
≪それに、君の家族もそうなりつつあるのよね?あ、クラムちゃんはもうなってるわ≫
…………
まぁクラマはデカい魔法使わないし……
エステルはちょっとやるかも……。
おばあちゃんは謎だ……
≪で、ここからがお願い。クロムくんはパパなんでしょ?家族の分も働きなさいな≫
『え、じゃあ僕面接落ちたんじゃないんですか!?』
≪落ちてないわよ。逆よ。自分で文明を上ってきたものを止める必要はないのよ。ここまでこっちの文明の話が自分で理解できたのなら、もうこっちの仕事を直接手伝えるわ。だから手伝いなさい。君風にいえば、正式に社員にするわ≫
え、僕、使いっぱしり卒業なの……?
・
・
・
≪まず、これは言っておきましょう。今、君が生まれてから、まぁ正確に言えばダンジョンに入ってからね?もっと正確に言えば前私と話してからかしら?全力で魔法唱えだしたわよね?それから、その星の文明ではありえない程のエネルギーが抽出できてるの。同じレベルの文明の星、数100倍のエネルギー量かしら?このエネルギー量はとてもおいしいわ!ありがと!私にもボーナスが入るかもしれないわ!ふふふ≫
ボーナス……
ちゃんとそういうシステムあるんだね……
『は、はぁ……。よかったっすね……』
ま、まぁ迷惑かけてるんじゃないならよかったよ……
世話ばっかかけてるからちょっとくらい恩返しで来たなら良かったけど。
≪ただ、このままだとせっかくのこのエネルギーが維持できないの。君の生きてる期間だけじゃない。君が何年生きるのか知らないですけど≫
『いや、まぁそりゃそうだろうけど……』
≪だから、私と組まない?≫
組む!?
どういうこと!?
≪君はダンジョンでトレーニングしたいわよね?≫
『まぁ、そうっすね。辞めたくはないっすねぇ……』
辞めたくないなぁ……。
なんだかんだ楽しい部分もあるし。
鍛えないと不安だしね。
外で全力の訓練は出来ないしなぁ。
≪でもこのまま訓練するとどんどん強くなってそのうちついうっかり星壊しちゃうかもね?≫
……否定はできない。
ちょっと怖くなってきた……。
あくまで防衛の為に鍛えてるだけなんだけどなぁ……
魔法が使えるのが楽しい気持ちもちょこっとだけあるけれど。
≪先に君への給料の話をしましょうか≫
『え!?給料くれるの!?……でもお金要らないよ?神力の使い所もないし』
≪君の家族、君の加護が入っている者が巻き起こす地形へのダメージはある程度飛ばして封殺してあげます。魔法効果も君達の意思でダンジョンと同じように消去できるようにしてあげます。というより星自体に壊れるようなダメージを消せるような細工をするわ。どう?≫
『なんだと!?』
え!?クラムのうっかりが無くせるってこと!?
それに魔法を途中でカット出来たりするようになるって事は……
作った家を消せる!?
隕石を振らせて地上の前で消したり竜巻起こしてパッと消したりできるようになるってこと!?
マジ!?
そしてダメージカットする魔道具を星単位に入れてくれるって事!?
≪限度はあるわよ?完全に地形ダメージ消したら不自然よ。木こりや鉱夫どうするのよ≫
あ、そりゃそうか。
鉱石掘れねぇ!ってなるな。
≪ええ。一般の人の生活感は変わらないわ。星が壊れる程のダメージを飛ばしてあげるって事。大地くらい消えるわよ。その辺りは自分で調整しなさいな≫
うーん。
なかなか難しいな……
どれくらいだ?
≪そもそもそれをしている星もあるのよ。ただその星はもう魔法がどんどん減衰していってしまっているの。そこまでする必要がなかったのよ。もう私も少し諦めていたわ≫
あぁ、そういう事なんだ。
僕が聞いたことある話ってすげぇデカい魔法使ってるのに地形ダメージなかったりするんだよ。
隕石魔法とか使ってるのに星消えないの。
僕が同じことしたら星消えるけどなって思ってたんだよ。
直ぐ元通りになるんだよね。
そんなバカなって思ってた。
≪そうね。君の知っている小説やアニメを参考にしなさいな。それくらいの程度ってこと≫
なるほど。
ちゃんと対策してる星があるんだね。
それが元に出来た話もあるのかもね。
ただ、僕が居る星はそのレベルになる前に魔法が衰退し始めた、と。
あぁ、アテナ様仕事無いって言ってたもんな。
本来そういうことする担当なんだな。
≪そういうこと。で、やらないの?≫
『やる!絶対やる!!』
≪ただ、完全にこちらの力でそれを行うことになるから神力は膨大に使うわね?≫
『それはそうですよね……僕等が理解できる物理法則無視するわけですもん……』
こっち風に言えば僕らの意思で勝手に空間属性使ってダメージ飛ばす。
後、消滅系の魔法使って物質とか魔力消しちゃったり分解しちゃうとかってことだろ?
エネルギー消費エグそうだよね……
≪あら、すごいわね?クロム君は科学得意なのねぇ。何となく理解できるんだ?≫
これ科学なのかな……。
まぁソフィア様の文明では科学で出来るんだろうな。
理解してるかはわかんないけど……
ほわ~っとですかねぇ~。
『で、僕は何をすればいいんです?』
≪不労所得って興味ある?≫
なんかビジネスの話始まった!?
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青い鳥と 日記 〜コウタとディック 幸せを詰め込んで〜
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もふもふと優しい大人達に温かく見守られて育つコウタの幸せ日記です。コウタの成長を一緒に楽しみませんか?
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地球で生まれた小さな魂。あまりの輝きに見合った器(身体)が見つからない。そこで新米女神の星で生を受けることになる。
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辺境伯に拾われたコウタ。神鳥ソラと温かな家族を巻き込んで今日もほのぼのマイペース。置かれた場所で精一杯に生きていく。
「小説家になろう」「カクヨム」でも投稿しています。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
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あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
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バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
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公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
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これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
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