食の雑学

床間信生

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17-日々のストレスから解放されたいのならこの料理を作りなさいという話

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日本の料理の多くは外国から伝えられたものです。

ですが、それらは長い時間がたつうちに日本独自のアレンジというものが加えられている場合が多くあります。

ラーメンのお供、チャーハンの具そしてビールのオツマミなどで食べられる、チャーシューですが漢字で書くと日本ではチャーシュー=焼豚と書きますよね?

ですが作り方を考えてみてください。

多少の差異はありますが大まかなところで言うと、ブロックの豚肉を糸で縛ってコトコト長時間煮込むと言う形になると思います。

多分、鍋に火にかけて、ふと一息ついた瞬間気がつくんです。

人間冷静になると今まで見えてこなかったものが見えきます。

コトコトという小さな音が聞こえていく内に心が穏やかになり、いつしか別な風景を見せてくれることでしょう。

そして

「あれっ…焼くじゃなく煮るだよなぁ…?」

などと言う考えがきっと頭の中を駆け巡っていくことでしょう。

そうです。

これでは焼豚と言うよりも煮豚と言うイメージの方が強くないですか?

一般的に日本で広く認知されているチャーシューですが、本場の中国では醤肉(ジャンロウ)と言う呼び名の料理が近いようです。

(醤油味の煮汁で柔らかくなるまで豚肉を煮た料理)

そして中国の方ではチャーシュー=叉焼と表す料理の方を見てみると、直火で焼くと言うよりは串(又)などに刺してから時間をかけて、炙り焼くと言う方法が主な方法と言われています。

我々のイメージだとどちらかと言うとローストポークに近いのかもしれません。

ちなみに中国で炙り焼くといった方法がとられている理由は、どうやら普通に美味しく食べると言うだけではなく保存食としての意味合いも強いと言うのが考えられます。

詳しい詳細は分かりませんが、無駄な脂を落として薫製のようにするということなのでしょうか?

ですが日本では味のみの追求ということで煮豚方面に発展していったということなのでしょう。

ちなみにその叉焼は香港や広州などではチャーシューの他にもローストダックなども普通に並べられている燒臘店(シウラプディム)と呼ばれる焼き物専門店で多く見かけると言われています。

と言うことで、もしも日々のストレスから一時の安らぎが欲しいのであれば叉焼を作るといいのかもしれません。

そうしたら長い時間に身を任せていく内にきっと焼くと煮るの違いなんて小さな物だと認識すると同時に、自分の心が新たなステージに移っていることでしょう。

ただし…

どのくらいの効果があるのかは人によってになりますので、その辺りは自己責任でお願いします。
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