食の雑学

床間信生

文字の大きさ
上 下
26 / 63

26-胃袋をつかんで喜ばれるのは夫婦関係だけではないという話

しおりを挟む
昨今、地震などの災害から始まり毎年のように何かと問題に見舞われる中で、常温で長期保存を可能にしている缶詰めは最近では特に注目を浴びるようになっています。

元々、缶詰めを初めとした保存食の考えと言うのは、あのフランス皇帝にまでのぼりつめた人物であるナポレオンが切っ掛けと言われています。

と言うのも彼は若い頃から「兵士の士気は食事によって影響する」と言う考えがあったようです。

なので、早くから常温保存で美味しい食事という物ができないかと、あれこれ試行錯誤していたと言います。

そうこうする内に指揮官としての才能を発揮し始めたナポレオンは、手柄をたてると同時に軍部で権力を持つようになっていき、そしてとうとう彼は携行食のお触れを出したそうです。

それもフランス政府直々のものでワザワザ懸賞までかけた上で…

どうやらこのお触れフランスでも初の試みだったようで

当時の人はその内容を見た瞬間、どんな顔だったのでしょうね。

「おいおい、食事の開発くらいで政府が金を出すんだってよ!」

なんて言葉を市民は口にしていたのではないかと思います。

それだけに、そのお触れを見た多くの料理人が名誉も金も手に入るとい言うことで、躍起になったようです。

結果としては1804年パリの菓子職人であるニコラ・アペールという人物がコルク栓の瓶詰め食を提案し、これが後の缶詰めの原型となったと言われています。

ちなみにですが…

コルク栓瓶詰めということは普通に空気などを通すものですからね…

一体どのくらいの期間保存できたんでしょうか。

そもそもコルク栓に瓶詰めということは、前の日に飲んだお酒の瓶を綺麗に洗って次の日に食べ物詰めたなんてことは…

(ないですよね。w)

とはいえ今の感覚を持つ私からすると少し気になるところではあります。

ちなみに今回のお話に関係ありませんが、ナポレオンはコーヒーが好きだった人物としても知られヨーロッパに軍を通してコーヒーを普及させています。

後に皇帝まで掛け上がっていくということを考えると、食を通して人々の心を上手く掴んだ人だったのかもしれませんが…

もしかすると、ただ単に自分の食への欲求を満たす結果、多くの兵士の食欲も満たす結果に繋がったという「超絶食いしん坊さんだったのでは?」というのは私だけなのでしょうか…

それだけに彼の最後は島流しということらしいですから…

想像を絶するようなキツさ…

と言うか、もしかしたらそこも保存食である程度は凌いでいたのでしょうか!w

結果は紙のみぞしるということで…

今日の一言!!
「胃袋をつかんで喜ばれるのは夫婦関係だけではない」という話です。
しおりを挟む

処理中です...