食の雑学

床間信生

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57-旬かどうかなんて二の次さ!だって美味しいものはいつ食べても美味しいんだからという話

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元々、土用の丑の日という言葉は、鰻を食べる日という言葉ではありません。

これは江戸時代の平賀源内が鰻屋の店主に夏の盛りで売り上げが落ち込んだと相談された際、表に「本日、鰻の日」という看板をかけさせたのが始まりと言われています。

となるとですが…

「じゃー、売り上げあげたければ表に看板でもだせばいいの?」

なんて言葉がチラホラと聞こえてきますよね…

実は土用の丑の日というのは、それ以前にも「う」のつく食べ物を食べる日という風習があったとも言われていて、これを平賀源内が利用したのではないかとも言われています。

はい!

それともう一つ。

夏バテには鰻という考え方は実はそれ以前にもありました。

奈良時代の和歌集である万葉集の中に大伴家持の和歌の中で「石麻呂に吾れもの申す夏痩せに吉しという物ぞ 武奈伎(ムナギ・うなぎ)とり食せ」なんていうのがあったりします。

「夏痩せ」と言うくらいですから、これは夏バテのことをさしているのでしょう。

まさかダイエットと訳す人はいないと信じたいです。

そして、そんな時に食べるのは鰻であるといっているわけです。

ここまでくると平賀源内さん…

確信犯じゃないかと思うんですよね。

恐らく、この和歌の存在も知っていたのではないでしょうか。

確たる証拠はありませんが、限りなく黒に近いグレーだと思います。

ちなみに気になる調理方法ですが…

鰻の蒲焼きやタレと言うのが確立されたのが江戸時代と言われていますので、この時は別な方法での調理になる訳です。

多分、さばくなんてこともしていなかったと思うので、鰻をぶつ切りにして串に刺して焼くとか、そんな感じの料理のような気がします。

生は無理ですよ…

鰻の血には毒が含まれていますので、これを解毒するために熱処理が絶対条件です。

なんかお団子とか焼き鳥やいているイメージのような気もします。

昔の蒲鉾なんかはそうして焼いて作られていたそうです。

一説としては、この時の笹蒲鉾の「蒲」が蒲焼きの「蒲」と繋がっているとも言われます。

ちなみに、そんな鰻ですが食べて本当に夏バテに効くのかと言われると結構疑問があるそうです。

そして本当の意味での鰻の旬という季節というのは秋から冬にかけてだと言われています。

そんな感じで考えてみると、私の中では江戸時代の鰻屋の亭主の悩みというのも、どちらかというと仕方が無いものの気がします。

ということで今日の一言!!
「旬かどうかなんて二の次さ!だって美味しいものはいつ食べても美味しいんだから」という話です。
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