異世界でダンジョンと過ごすことになりました

床間信生

文字の大きさ
5 / 78

パーンの追加条件とは?

しおりを挟む
俺とリンのメニューにパーン(ピーナッツバター)が表示されたことにより、俺の中で一つの疑問が生じた。

俺と彼女のメニューには若干の違いがあるが、同じ箇所も存在する。
今見ているパーンが表示されている部分なんかは一緒だ。

そして先程まではパーンは俺にも彼女にもどちらにも表示されていなかったはず。
そうなるとパーンが表示される条件というのが知りたくなる。

今の段階で可能性として考えられる条件としては
・彼女が食べると俺と彼女のメニュー両方に表示
・俺が食べると両方のメニューに表示
・お互いが独立しているので、俺が食べたら俺のメニュー、彼女が食べたら彼女のメニューに表示
恐らくは、この三種類のどれかだと思う。
そして俺と彼女のメニュー両方にパーンと表示されていることから彼女が食べることで、両方のメニューに表示というのが可能性的には最も高いはずだ。

ということで先ずは、先程出して食べていない方のパン(ジャム&マーガリン)を袋から出して半分に割って俺だけが食べてみることにする。
仮説が正しければ、俺たちどちらのメニューにも変化は現れないはずだ。

そう思いリンに事情を説明した後で、俺は食べてみたのだが…
うん、やっぱり俺のメニューには変化はない。
変化というとリンの視線が喜びの視線から「良いなぁ~」という視線に変化したことくらいだと思う。
別に意地悪しているわけではないので、あまり極端な視線は止めてほしいのだが…

次に彼女に自分のメニューを確認してもらった後で、やっぱりメニューには何も表示されていないことを確認して、パンを渡し食べてもらった。

「リン。パンだよ!今度はジャム&マーガリンって言うんだ」

彼女は先程と同様にめい一杯の笑顔を向けて食べている。
本当に気持ちが良いくらいの笑顔だ。
多分、料理とか振る舞える人が自分の料理で、あんな笑顔を向けられたら感無量の気持ちになるのではないかと思う位の笑顔だと思う。

そして食べ終わった後に確認してみると、やっぱりそうだ。
俺の仮説通り俺のメニューに今食べたパンが
『パーン2 さっきとべつなあじこちらもとてもおいしい』と表示されている。
必要魔力もパーン1(パーン2が表示されると1というのが追加された)と同様の1だ。

パーン2って…
さっきと別な味って何味か分からないと、後で1と2で絶対にどっちがどっちか分からなくなるって、などと思うのだが…
恐らく言葉を覚えたばかりでまだ完全には理解できていないのだろう。

とは言えメニューにパンが俺の考え通りに表示されたという事実は変わらない。
なので続いては、もう少し踏み込んだ検証に入ろうと思う。

その検証というのが表示されたパーンが『問題なく具現化することができ、かつ食べられるのか?』というものである。

俺の考えだと必要魔力1を消費して問題なく具現化できると思うのだが…

この検証は今後の食料事情を左右することになる事柄だけに非常に重要だ。

というのもガイアス様は俺の部屋にあるものを色々とアイテムの中に入れていて、もちろん食料も結構いろいろとある。

ただ…
所詮は二十代半ばの独り暮らし。
食料をそんなふんだんに買いだめしているわけではない。
レトルト食品や缶詰などある程度の量を確保しているとは言え、言ってもある程度にすぎないので、こちらの世界にいる時間が長くなればなるほど、食料不足の懸念が高まる。
だから出来れば今のうちから、そういった不安は出来るだけ小さくしておきたい。

そう思いながら俺はメニューからパーン1を選択していくと、イキナリ机の上にコッペパン(ピーナッツバター)が出現する。
俺が最初にアイテム欄から取り出したように、何もないところからイキナリ現れた。
違いというとアイテムの時は袋に入っていたのだが、今は袋などなくそのままだ。
どうやら彼女が再現できるのは食べた物、そのものに限定されているのだろう。
そして案の定、先程の仮説通りにメニューの右上にある使用可能魔力が10から9へと減っていた。

「なるほど、ここから色々作ったりするということか」

俺は思わず声に出しながら、ここまできて『魔力を使いメニューからダンジョンを形成していくのでは?』という考えに現実味を感じはじめる。

後は今出したパーンが普通に食べられるかどうかという事くらいなのだが…
そう思って俺が食べようとした頃には、一足早くリンが食べていた…
半分に割らずに1個まんま。
よっぽど美味しくて、更に1つでは足り無かったのだろう。
あの顔を見ると多分、俺がさっき出したものと味なんかは一緒な気がする。
嬉しそうな顔の彼女の顔から、余計なことを言いたくなかった俺は、思わず苦笑いを浮かべ黙ってその光景を見た後、すぐに視線を自分のメニューに戻した。

ふと他の魔力を使い具現化できるであろう項目をチェックしたのだが、どの項目もパーンなどよりは全然魔力の消費が高いものばかりだ。

木1~10(大きさによって消費が変わるのか?)
(池100~)
など様々な物があり、小石でさえ消費が1になっている。

小石というからには、その辺にあるような石なのだと思う。
それがパーンと一緒というのは若干納得がいかない気もするが、多分、ここに表示されている条件は今の段階ではどうしようもない。

そうなると次に俺が考えるべき事は
・魔力を増やす条件
・魔力を回復させる条件
という2つの条件になるだろう。

なんか結構、やることが多いような気がするのは気のせいだろうか…
少なくともポンポンと思うように進んでいかない。
説明書とか攻略本とかないのだろうか…

先程までダンジョンと一緒なんてガイアス様が言っていただけに、ゲーム感覚で色々と楽しくダンジョン作ったりなんかできるのかなと考えていた俺だったが、今では現実って結構シビアなんだなと自分の考えを改めていた。

少しして検証の続きとしてメニューからパーンを具現化した際に、リンが再び欲しそうな顔をしていたので半分づつにしたのだが、結果としては俺も彼女も問題なく食べることができ、再び仮説が正しいことを証明できた。

ちなみに余談になるのだが、リンにお茶を飲ませて、再びメニューから具現化させることに成功するのだが、この時、彼女はあまり美味しそうな顔をしなかったのと飲み物などを具現化する際、コップなどに具現化するイメージがないとトンデモナイ結果になると分かったのは良い経験である。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

処理中です...