世界のためなら何度でも

つぼっち

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第九章、全てを喰らう大悪魔

#52 暴食龍降臨

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「撤退!!撤退だー!!!」

「ギャハハハハハハハ!!!逃げ惑え人間ども!!!」

「くそ!!喋る怪物モンスターなんか聞いたことないぞ!!」

「ジャック!!お前だけでも逃げろ!!!」

「と、父さーーーーん!!!!」


プラチナム王国に突如としてモンスターが現れた。

そのモンスターは奇妙な魔術を使い、知性を持ち、おまけに目の前にあるものが金属だろうが人間だろうが構わず喰い散らかすという最強最悪のモンスターだ。

そのモンスターはわずか半日でプラチナム王国を壊滅させ、去っていったという。

その後、そのモンスターには《暴食龍》と名付けられ、最高ランクのSクラスモンスターとして冒険者たちが討伐対象として血眼で探しているという。


「……マスター。この世界新聞の記事は何ですか?」

「さぁ?凶悪なモンスターもいるもんだな。あー怖い。」

「これマスターですよね。」

「……。」

「勝手な行動は控えてくださいといったはずですよ。あなたは一国の王なんですから。」

「…………。」

俺は目を泳がせながら紅茶を飲む。

答え合わせをするとこの世界新聞に載っている《暴食龍》、あれ俺です。

俺が鑑定を使えた頃に最後に見た種族の欄に『怪物人間バーサーカー』と書いてあるのを思い出したのだ。

バーサーカーとはモンスターになることができる力を持つ種族のことで怪物化というスキルを覚えることができる。

俺が怪物化するとなんでもくらい尽くす龍となったのだ。

「さて、ちょっと散歩してくるか。」

「暴食龍の後処理はどうするんですか?」

…………。

俺はしばらく考えた後、

「もうあのままでいいんじゃないか?」

俺はそう言って部屋を出る。

扉の向こうからゼロのため息が聞こえた。



俺は国を少し離れてとある平原に来た。

俺は空間魔術で一冊の本を取り出す。

これはアレイスターの店に売っていた『スライムでもわかる悪魔召喚術!!』という本だ。

どうやらこの本の手順で召喚魔術を発動すると悪魔を召喚できるらしい。

それでは悪魔召喚をやって行こうか。

①高等召喚魔術の魔法陣を地面にデカく書く。

②踊る。

③魔術石(魔力がたくさん詰まった宝石)を供物として捧げる。

④踊る。

⑤魔法陣にありったけの魔力を注ぐ。

⑥踊る。

⑦悪魔が召喚される。

結構簡単なんだけどこのちょくちょく踊る工程が入ってるのはなんでだろうか。

とりあえず俺は手順に従って高等召喚魔術の魔法陣を地面に書き、エイサーを踊り、最高級の純度と輝きを持つ魔術石であるダイヤモンドを置き、ハ◯ハ◯愉快を踊り、魔法陣へほとんど全ての魔力を注ぎ、ソーラン節を踊った。

すると、

「俺を呼んだのはお前か?」

本当に召喚出来ちゃったよ。
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