世界のためなら何度でも

つぼっち

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第十章、正義を求めて

#63 女神

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「正義、なにをやっているの?」

女神はボロボロになった正義を無理やり起こす。

「め、女神様!!正義は今バアルからの攻撃で大怪我です!!!あまり動かすと傷が開いてしまいます!!」

「あ、ごめんね。ていうかガブリエル、あなたがついているのに大悪魔一人になにをてこずっているの?正義もこんなボロボロにして。」

「す、すみません。」

女神はガブリエルを貶した後、バアルの方を見る。

「久しぶりねせい……グラトニー。それとそっちは大悪魔だったかしら?」」

「バアル・ゼブルだ。この気配もしかして女神か。」

「あー思い出した。あなた前世界神が天界から通報した悪魔の人ね。」」

「知ってんのか老け女神。」

ピキッと女神の顔に血管が浮き出る。

「ふ、老け!?私まだピチピチなんだけど!!」

「おいおい、怒るとただでさえ多い小じわがまた増えるぜ、ババア女神。」

「ーーー!!!!!」

女神はたいそうご立腹だ。

今にも飛びかかってきそうな顔をしている。

「それでお前の老け顔は置いといて、お前なにしに来た?」

「決まってるわ。まず正義の回収、それからガブリエルを回収。そして1番の理由はあなたの中の人間に用があるの、変わってくれる?」

そう言ってベルゼブブの方を指差す。

するとベルゼブブとの融合が解け、俺の姿があらわになる。

ちなみに融合が慣れていないからか反動で服は着てない。

真っ裸だ。

「おひさ。」

「そ、その前に服を着てよ。」

「別にいいだろ。なんだ?俺の聖剣エクスカリバーに興味があるのか?」

「あんたのなんか興味ないわよ!!」

「さ、最低……。」

「グラトニー。流石に俺様でも引くぞ。」

女神、ガブリエル、バアルにマジレスされ、服を着る。

「久しぶりね。せ、グラトニー。」

「相変わらずだな。」

「あなた、神王様にあったんでしょ。」

「なんで知ってる?」

「神王様が伝えに来たのよ。あいつは面白いって。」

「そりゃどうも。」

「まぁあんたには竜も殺せないしここにもたどり着けない。伝えたかったのはそれだけよ。」

なんか上から目線腹立つな。

「それじゃあガブリエル、行きましょうか。」

「ま、待ってください!!」

正義がボロボロの体で女神を止める。

「が、ガブリエルを連れて行かないでください。あいつは……俺の大切な!!」

「信じてくれないだろうけどこれはあなたのためよ。」

女神はどこか悲しさを隠すように吐き捨て、ガブリエルを連れて天界へと帰ろうとする。

連れられるガブリエルは涙を堪えるような悲しそうな顔をしていた。

「あ、そうそう。」

女神は帰り際にこちらを見ていう。

「あなたの国、もうちょっとで壊滅するから気をつけて。」

そう言って、女神は天界へと帰っていった。

俺とベルゼブブは静かに自分の国に帰っていく。

戦場に残ったのは嵐で荒れた大地と、ボロボロの体で地面に顔を埋めて泣き崩れる正義だけだった。
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