世界のためなら何度でも

つぼっち

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第四章、濁った正義

#84 天界からの使者、ガブリエル

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「ガブ……リエ…………。」

「はい、ガブリエルですよ。」

「どうしてここ…に……。」

「それはですね。」

そう言って天界からの使者、ガブリエルは淡々と話し始めた。



グラトニーさんを世界に戻した少し後のこと。

正義が無差別に正義を執行していると天界で聞きました。

「正義め、頭冷やすと思ったら逆効果だったじゃない。」

「頭を冷やすとは?」

「正義ってここに来てからずっと人殺してるじゃない。だからしばらくガブリエルを天界に戻せば落ち着くだろうと思ったのに。正義って昔からああなのよね。」

「……女神様は正義とお知り合いだったのですか?」

「まぁね、遠い昔の話だけどね。あ、正義がぶっ倒れた。」

「えぇ!?」

わたしは急いで下界を見れるモニターを見ました。

するとそこには倒れてもなお立ち上がる正義の姿が。

「女神様!!!」

「……いってきなさい。」

「え?」

「正義がああなってしまった以上あなたしか止めれる人はいないわ。疲れた時は愛する人の解放が一番ってね。」

そう言って女神様は下界へ降りる道を作ってくれた。

「では行ってきます!!!!」

そう言ってわたしは下界へと降り立ったのでした。



「そんな話が……。女神は俺に嫌がらせをしてきたのかと。」

「それは違うわ。むしろ逆だったのよ。」

「それじゃあ俺は今までなんのために人殺しを……!!!」

急に我に帰ったのか涙を流してうずくまる。

罪悪感で潰されてしまいそうだ。

「なら償えばいいだろ。」

俺は正義に助言をする。

「でも。」

「あぁ、たしかにお前がしたことは償ったところで同行できるものじゃない。それぐらいのことをしたんだ。」

「だったら!!!」

「でもな!!!!!!」

俺は今まで出したことのないような大声で正義の言葉を遮った。

「何もしないよりはマシだ!!自分の罪を償って、毎日お前が殺した人たちに謝れ。そしてお前が奪った命以上の人たちを救うんだよ!!!」

「すまない、聖夜…………。」

「俺に謝るんじゃないだろ。」

そう言って俺は正義に魔力を動ける分だけ分け与える。

「いきますよ、正義。わたしも一緒に罪を償いますから。」

ガブリエルに誘われて正義はよろよろとだが歩き始める。

そして最後に正義はこちらを向いて、

「ありがとう、聖夜。」
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