世界のためなら何度でも

つぼっち

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第六章、偽物注意報発令中

#92 不死身もどき

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「俺の声聞こえてる~?」

「……。」

「無視はひどいだろ。」

「……。」

「おーい。」

「……。」

ダークの攻撃を俺はひらりひらりと避け続ける。

筋力、体力、魔力、脚力、忍耐力、瞬発力などの全てが俺のコピーなので攻撃を避けることは簡単だ。

だがそれと同じように俺の攻撃も全く当たらない。

「どうしたもんかね。」

俺はかわすのをやめ、カウンターを繰り出す。

だが、


カギィン!!!


「カウンターも弾かれるか……。」

俺の渾身のカウンターは弾かれ、失敗に終わった。

「魔術も相殺されるし剣も受け流される、もう無理じゃね?」

「さすが俺。うるさいのに変わりはないな。

俺が独り言を呟くとダークが返事をしてきた。

「お前喋れたのかよ。何で今まで返事してこなかったんだ。」

「精神が命令に蝕まれてだからだ。今俺は喋っているが持って5分程度だろう。」

「へぇ。さすが俺。」

俺がダークに感心するとダークは攻撃の手を止める。

「体もこの数分は動かせるみたいだな。だが時間がない、俺の弱点を教えておく。」

「結局お前は俺に殺して欲しいの?吸収して欲しいの?」

「そのことだが俺は死なない。」

「死なない?不死身ってことか?」

「不死身というよりかは欠損した部分が再生する『病気』の状態にある。だから物理攻撃とか魔術で腕を切り飛ばしても時間が経てば再生するからな。だから俺と融合して俺をお前の中で生かして欲しいんだ。」

「そういうことなら任せとけ。」

俺はダークの肩に手を乗せる。

「まずい。」

ダークはポツリとそう言って俺を思いっきり突き飛ばした。

「時間がきたみたいだ。あとは頼んだぞ。」

そういうとダークは再び剣を構え、こちらに剣を向けてきた。

最近不死身の敵が多いな。

そろそろ不死身対策とかをしといた方が良さそうだ。

そもそもこいつは俺と同じ魔術を使えるんだっけ。

となると対抗手段は剣のみ。

しかしベルゼブブたちと融合してもダークも同じように擬似悪魔を憑依させていた。

対抗手段は……。

「錬金魔術は?」

錬金術は有から同じ質量の有を作る技術。

魔術は魔力を有に変換する技術。

共通する点が多いから合成できんじゃね?と言う簡単な理由から最近ようやく編み出した物質から魔力を供給、又は魔力を物質に置き換える新技術。

「ダークが作られた後に作り出したこれならあいつも使えないんじゃ……。」

俺は思い切って錬金魔術の術式を組み上げる。

そして特定の場所に魔力操作で魔力を練り上げる。

そして蝋燭に超能力で火をつけるように慎重に発動する。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!


俺が集めた魔力は全て錬金術の法則で魔力妨害壁へと変換された。
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