世界のためなら何度でも

つぼっち

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第六章、偽物注意報発令中

#93 いざダークの中へ

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「……。」

ダークは無言だが少し混乱しているようだ。

魔力妨害壁はその名の通り魔力の流れを遮断する。

前にアレイスターの店からその物質のかけらを買い、何かに使えると思って構築式を全て覚えていた甲斐があった。

そして次に密室となったこの空間の魔力を錬金魔術で全て石の塊となった。

今この空間に魔力は一切ない。

あるのは自分の生命活動を維持する魔力のみ。

つまり両者とも魔術が使えない状態にある。

ダークは自分が置かれている状況を理解したように剣を構えてこちらに走ってくる。

俺はその隙にさっき固めた石の塊を少し砕く。

「ばーか。」

俺は石を魔力に変換して火炎魔術を打ち込む。

ダークはモロにそれをくらい、吹き飛ぶ。

「本当に便利な技術だな。」

俺はそう言って吹き飛んだダークに接近し、魔剣で腕を切り飛ばす。

しかし聞いた通りゆっくりだがダークの腕は再生を始めていた。

「それじゃあ次行くぜー。」

俺はさっきより大きく石を砕き魔力に変換させ、今度は氷結魔術をダークの足元に撃つ。

再生で意識が朦朧としていたのか避けることなくダークの足元は凍りついた。

「氷を溶かす魔力もないもんな。今ならお前を戦闘不能にできるんだぜ。」

俺は魔剣にルシファーを憑依させる。

「ルシファー、やってくれ。」

『任せろ。』

魔剣をダークに突き刺すとルシファーはどんどんと魔力を吸っていく。

そして魔力を0に近い数値まで吸い終わるとダークはぐったりとして動かなくなった。

「さて、じゃあ融合しますか。」

俺がそう言って融合の準備をするが融合が始まらなかった。

「あれ、おかしいな。」

『グラトニー、融合は双方の了承がないと融合できんぞ。』

「え、まじで!?」

ルシファーからすごく衝撃的なことを聞かされた。

『お前が知らないことはダークグラトニーの方も知らないもんな。ギャハハハハハ!!!』

「ベルゼブブお前首吹き飛ばすぞ。」

しっかしそれじゃあ融合できないじゃん。

しかも俺の体は体内魔力の回復が早いからもたもたしてられない。

「どうしよう。」

『それだったらダークグラトニーの固有結界に侵入すればいいんじゃねぇか?』

「要するに相手の頭の中に入るってことだよな。でもそんなこと可能なのか?」

『ふっふっふ、俺様が最近喋ってなかったのは何故か教えてやろう。』

するとベルゼブブは俺の固有結界に悪魔を一体呼んできた。

その悪魔は美人でスタイルもいい爆乳お姉さんだった。

「マジスカ。」
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