ephemeral house -エフェメラルハウス-

れあちあ

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高校時代〜ハルside〜

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『吸い終わったから来て』

こんなぶっきらぼうな短い言葉でも電話越しの彼の声に心が踊る自分がいる

かなり重症だけどそれでいいと思ってる自分がいる

「2人迎え行くから少し待ってて!!」

ゆいにそう伝え2人の元に行くとこっちはこっちで何だか重い空気が流れてた

「自販行きたいから行こ」

私が来たのを確認するとレンくんはそう言い歩き出した

「待って財布部屋にあるから取りいく」

「いいよおれは持ってるから」

実はこれにはかなり驚いた

私と一緒にいる時に自分でお金を出すレンくんなんて見たことがない

「じゃあおれもゆいちゃんになんか買ってこ」

セナがふふっと笑いながら言う

「なんだその"おれも"って」

「え?だってレンはハルちゃんに買ってあげるんでしょ?」

「は?いや………ったくしょうがねえな」

これはもはや事件だ

セナは分かってて囃し立ててる

でもそれにレンくんが乗っかるのはすごく意外だ

「自分で買うから大丈夫だよー?」

迷惑に思われてそうで少し怖くなりそう言うとレンくんは「財布ねえだろうが」とそう答え
自販機に着くと不機嫌そうに「おれと同じの飲め」とエナジードリンクを買ってくれた

私はいまホントに幸せものなのかもしれない







家の前に着くと2人はまたタバコを吸い始めた

…というよりセナが吸い始めレンくんは呆れながら付き合っていた

二人の間にはあまり会話がなく何だか気まずい。


やっぱり重い空気だ

「……2人は仲良しなれたー?」

少しアホなふりをして聞いてみるとセナが答えた

「あぁ、かなりな」

そう言いながら笑顔を見せるいつものセナ

その後タバコを吸いきるまで2人とも空を見ながら終始無言だった






 

だけど私には聞こえてた

吸いきり動き始めた時にボソッと言ったせなの一言が

今思い出そうとしてもそれがそのままその言葉だったかは自信が持てないけど

「レン、おれマジで言ってるから考えとけよ」

確かにそう言っていた










部屋に戻るとゆいはもう寝ていた

「おれ運ぶわ」

そう言いゆいにの元に行くセナを心配そうに見守る2人

ほら…セナは見るからに力無さそうだから


「ゆいちゃん、ほら、こんなとこで寝てたら身体痛くするよ」

すごく穏やかで小さい声でゆいの肩をトントンと優しく叩きながらセナがそう言うと
ゆいは座り込みまだ寝ぼけながらセナに両手を伸ばしていた

「ははっ、それ反則だろ」

セナはそう言うとしゃがみこんでゆいのそれに応えゆいの身体を受け止めた

きっとお姫様抱っこをするような力が無い彼がゆいにできる限界はこれなんだと思う

しばらくそうしていたセナが「よし」と呟き
立ち上がりゆいの手を取ってベッドまで行った

この部屋からは覗きこまないとベッドが見えないから何をしていたのかは分からないけど
きっとベッドに寝転ばせてその眠っている顔を見ながら切ない気持ちに浸っているんだろう

だってさっきのあれはきっとセナに向けられた好意では無いから
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