ephemeral house -エフェメラルハウス-

れあちあ

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東京でのライブが終わり、またいつもの日常にみんなが戻って、私はこれからの日々に少しの不安を感じていた。

「今日は何すればいいんだろ。」

優との関係が終わってから、日常から優が居なくなっただけでバイト以外の時間をどう過ごせばいいのか分からなかった。

縛るものが無くなったから、ハルやセナと連絡取る回数も増えて、とりあえず3人でグループ通話したり、たまにレンも混ぜて4人で遊んだり、ハルと一緒にBlack pastのバンド練にお邪魔させてもらったり。

そんな、少し前まではもの凄い満たされてた毎日を、得体の知れない億劫さを抱えながら過ごしていた。

辺りはまだ嫌な暑さを残しながらも、少し季節の終わりを感じさせる風が吹き、気づいたらあまり見なくなっていたテレビを何となく付ければ、毎年お決まりのチャリティー番組のCMが流れ、そろそろ自分に幸せと憂鬱の2つを与えてくれていたそんな日々も、終わりが近づいてきている事を知らせていた。

『もしもーし』

まるでこいつには時間っていう概念が無いんじゃないかって思わせるような、そんな喋り方をするようになったセナから電話がかかって来て、いつもみたいにくだらない話に花を咲かせていると、ハルが入ってきた。

『2人とも毎日よく喋るね~』

『だっておれゆいちゃんと喋りたいんだもん。早く結婚しようねゆいちゃん。』

『やだよ~』

ほんとにくだらない話。

でも、そんな時間にピリオドを打つように

みんなの手網を引っ張るように、セナが質問を投げかけた。

『てかさ、2人とも春から何すんの。』

ハルは進学?就職?ゆいちゃんは?このままフリーター?

何気なく聞いてきてはいるんだけど、彼がそんな質問をして来た時、何かが進むような気がする。

『…実は、私みんなに言わなきゃ行けないことあって。』

少し神妙な雰囲気で口を開いたハル

『え、なに怖い。』

取ってつけたような反応をするセナ。

『いや、そんなやばい話じゃないけど、私ね……東京に進学するんだ。』

『え?』

嘘…。

『まじ?すげえじゃん。なんの学校?』

ハル居なくなっちゃうの?

『普通に大学だよ~。地元の大学でも良かったんだけどね、折角のキャンパスライフだから東京行ってみたいなーって。』

ハルが行っちゃったら、私の日常は次はどうなるの?

『まじかー、なら手っ取り早いかも。』

セナは相変わらずよく分からないことを言ってるし。

『ゆいちゃんは?』

『私は……別に何も考えてないよ。てか、なんでもいいし。』

少しぶっきらぼうに答えてしまって、内心焦ったけど、セナはそんな事気にせずに、普通に言った。

『ゆいちゃんも東京行こっか。』

『はい?なんで?』

『え、だっておれらも東京出るもん。』

え?

『聞いてないんだけど』

ハルも初耳らしく『わたしも!凄い!』って無邪気に言ってるけど、私には戸惑いの気持ちを抱えきれずに、段々とどんな態度を取ればいいか分からなくなる。

『あー、てか今2人時間ある?いつもの海で集まろ。ゆいちゃんはおれ迎えいくわ。』

『ほんと!?やった!待ってる!』

『私はいい。』

今から会ってもどんな態度でいればいいか分からないし、絶対空気悪くしてしまう。自分でもなんでここまで自分の気持ちをコントロール出来ないのか分からないけど。

『だーめ、割と大事な話あるし。迎えいくから支度しといて。』

『やだ、行かない。』

『ゆい』

ゆい、お願い。と呟くセナ。

珍しく引き下がらないし、珍しく呼び捨てをしてくるセナに、私は引き下がるしか無かった。

空気を悪くしたくないから行きたくないって言ってるのに、それをする為に"今"の空気を悪くしてる自分が堪らなく嫌になった。

本当に嫌になった。
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