once upon a time

れあちあ

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【第1章】物語の始まり

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「ようこ…。おれ言葉が出ないよ。」

「あぁ、だがこれが事実だ。何となくピンと来てるだろうが、その人間ってのは百鬼の野郎どもだよ。」

「おれ………」

「まてまて、まだ話の続きがある。」

俺は、よく分からない建物に連れていかれた。
アーロンとソフィアは死んだ。
あの大好きだった父と母が……。

絶望は計り知れなかったよ。
ただ、このままだと俺まで酷い目にあう。
何とかして、逃げ出さなきゃいけなかった。
でも、無理だったよ。ここの奴らは用心深い
何の施設かも分からないまま、時は過ぎた。

ここに来てから2週間が経った頃だ。
ある1人の男の子が訪れた。

「おじさん達、何故こんな所にキツネを閉じ込めてるの?」

その男の子は俺に指を指して周りの百鬼共に聞いていた。

百鬼共はその子に視線をやるだけで、答えなかった。

「ねぇ、君。ここ窮屈じゃない?」

その子は俺の元にくると、俺に話しかけた。俺は小さく頷くと男の子は少し目を見開き小声で言った。

「君、言葉わかるの?」

もう一度頷いた。

彼は、後ろを振り向き、また百鬼達に話しかけた。
正直終わったと思ったよ、俺はここに来てから普通のキツネを装っていたからね。
俺が、馬鹿なアホ狐共と違うってバレれば
アーロン達と同じ運命に合う。
でも彼はチクッたりはしなかった。
寧ろ、逆と言っても過言ではない行動に出た。

「おじさん、あの子僕が貰うよ。」

ここから出れるなら有難いけどな、また人間の元で過ごすなんてのはまっぴらだったよ。
何せ、俺の親は百鬼共に殺られてるんだ。

百鬼の元に訪れるってことは、この子もきっとそうなんだろう。

「あ?おいガキ、さっきからチョロチョロ鬱陶しいんだよ。魔法使いの分際で俺様に気安く話しかけてんじゃねえぞ?」

俺は聞き逃さなかったよ。
あの子は魔法使いなのかって。
魔法使いの話はよくアーロンから聞いてたんだ。

「いいか、魔法使いっていうのは本当にかっこいいんだ。人間なのに空を飛んだりするんだ。アイツら、俺達キツネの事を無駄に嫌うからよく酷い目にあったけど、でもあいつらは凄いんだ。」

アーロンは多分、魔法使いに憧れてたんだよ。だから、彼はよく魔法使いのように立ち振る舞っていた。
人間は許せない、でも魔法使いの少年に連れて行って欲しかった。
何故か、魔法使いってわかってから両親と彼を結びつけて見てしまったんだ。
あぁ、俺はガキだったよ。

「この子は、僕が引き取る。もう決めたんだ。キツネくん、下がってて。」

「まずは、帽子に手を当ててっと。」

「"クロンア"」


ヒュッという音と共に檻の鍵がガチャっと音を立てた。

「よしっ!!成功した!!」

男の子は扉を開けると俺を抱えあげそのまま走った。

後ろからは百鬼達が騒いでる声が聞こえた。

「大丈夫だよ、あいつら面倒くさがりだから追ってこない。魔法使いとは関わりたがらないからね。」

彼は笑顔でそう言うと、俺を撫でてくれた。

「僕の名前は、総司。君はー…。」

そう、総司。お前のおじいちゃんだよ。

「そっか、魔法使いのペットになった動物は名前を無くしてしまうんだっけ。」

この時俺は名前を無くした。
新しい主人に着いた時は主人に名前を貰うのがこの世界の仕来りなんだ。

「じゃあ、お前の名前は狐白だ!よろしくね!コハク!!」

「よ、よろしく…総司。」

「わぁ!!喋る事も出来るんだ!!!」

この時俺は2歳、総司は10歳だった。
そしてここから20年の時を共にする。

この先は……まぁいいだろう、また今度にしよう。
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