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39.天然温泉

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「「あ」」
驚くほどあっけなく死んだ

「縦じゃなく横?」
ルークが納得いかないと項垂れる
俺達は初めて対峙する魔物が単体で出た時には色々試してみることにしてる
その情報を元に群れで表れた時の対処法を考えるためだ
弱いなりに少しでも準備を整えたいということで2人にも協力してもらってるんだけど…

「流石にあっさり死にすぎだろ」
「まぁ蛇系相手に横凪はあんましない気はするけど。普通は首を落とすし」
「だよね?私もそのつもりだったんだけど…」
「あぁ、そう言えば魔法放つ瞬間滑ってたか」
つまり、足を滑らせて体制を崩した状態で魔法を放ったら、たまたま横凪になったということだ

「まぁ、群れで出た時は楽そうだ」
「何で?」
「トルネードなら広範囲」
「なるほど」
ルークは遠い目をして頷いた

「蛇系と対峙したら普通は首を落とす。これは誰でも知ってる仕留め方だよね?」
「だな。むしろそれ以外を考えたことが無い」
「私も」
「どれくらいの人が知ってるんだろうか?」
「いや、そもそもこいつだけかもしれないし他でも試してみないとな」
俺がそう言ってしまったせいで2人が蛇を待ち望んだのは言うまでもない

「あ、ねぇ!ここなら浸かれそうだよ」
シャノンが走り出す
そこには露天風呂状態の場所があった

「温度も丁度よさそう」
手を浸けてみたシャノンは嬉しそうにそう言うと“水着に着替える”と言ってテントを取り出した
俺たちも同じようにテントで着替えるとお湯の中に入る

「滅茶苦茶気持ちいい…」
「ねぇ、1日早いけどここで休みにしない?」
休憩の日は明後日の予定
でもこの風呂は捨てがたい

「僕はいいよ」
「俺も構わない。じゃぁ明後日の休みは前倒しでこの辺で洞窟探すぞ」
「了解」
「はーい。お肉はさっきの蛇がいっぱいあるから問題ないよね」
さっきの蛇、ファイヤスネークは既に4体インベントリに入っている
試した結果、剣でも魔法でも横凪であっさり仕留めることが出来た
首を落とす方も試したけどことごとくダメだった
普通に倒そうとすればあの固さに魔法も効かなけりゃAランクなのかもしれないけど、本当にそれでいいのかと突っ込みたくなる

「けどあの蛇解体できるかな?」
「魔物は死んだらどんな固い奴でもその辺のナイフで解体できるはずだ」
「あぁ、そう言えばストーン系もどこからでも切れる様になるね」
不思議だけどそれが魔物だと言われればそうなのかと頷くしかない
暫くお湯に浸かった俺達は側でかなりいい感じの洞窟を見つけた

「ここでいいよね?」
「ああ、比較的最近誰かが使った感じだな」
火を熾した後が残っていた

「地図に出てる通りから近いし知ってる人も多いのかもね」
こういう山の中の洞窟は冒険者や元々あった集落の者が少しずつ整えたり増やしたりしているらしい
中には不要になった装備を置いていく人もいるし、新しく作り始めた場所なんかはただの窪みでしかない所もある
少しでも安全に休む場所を確保する人間の本能なのか、俺達も休憩がてら新しめの窪みは少し掘り進めてみたりもする

「シアこっちちょっと広げて?」
「了解」
土の壁を押し広げるのはもう慣れたものだ

「こんなもんか?」
「うん。これならテント3つ出しても余裕。休みの日はのんびりしたいもんね」
だから広いスペースがいい、そういうことだろう
それぞれに好きなタイミングで湯に浸かりに行きながら久々にまったりした時間を過ごした
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