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60.真偽
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俺達は一緒にギルドに向かい問題が起きたので仲裁に入って欲しいと依頼した
「…少々お待ちください」
最近シャノンと親しくしていた職員が何かを察してくれたのか、一旦奥に引っ込んだ
「お待たせしました。ご案内します」
通されたのは2階の応接室だった
「とりあえず座れや」
すでにその部屋にいたギルドマスターが俺達に座る様に進めてきた
3人掛けのソファーのギルドマスターに近い場所に俺が、真ん中にシャノンを挟んでルークが座る
向こうはガタイがでかいからかリーダー格のケリーと女のメリーが座りブルーとグリスはその後ろに立った
「で?」
「この女は一時的とはいえパーティーを組んだ者に攻撃魔法を使った。しかも上級迷宮の中でだ!」
「そうよ。こんな危険な女、冒険者でいる資格なんてないわ!」
ケリーとメリーが勢いに任せてそう言い切った
「…お前さん達の言い分は?」
ギルドマスターとは領主の件で顔を合わせている
だからこそこっちの言い分も聞いてくれる気なんだろう
「ケリーはAランク、パーティーはBランクと聞いて、シャノンは上級迷宮に同行することを決めた。でも実際入ってみたら、シャノンだけが高ランクの魔物倒して、ケリーが倒したのはCランクだけだったらしい」
自分では説明できそうにないシャノンの代わりに説明する
「シャノンはこれ以上階層を進むのに身の危険を感じて“もう無理だ”と伝えたら“3階層まで付き合え”と、“逆らうなら冒険者として活動できないようにしてやる”と脅された。ブルーとグリスに掴みかかられ、その上脅されたときにメリーに魔法でも拘束された。その状態でケリーが“ファイアボールとファイアカッターどっちがいい”と聞きながら魔法を練り上げたらしい」
「でたらめ言うんじゃなぇ!」
ケリーがシャノンに掴みかかろうとした
「両方の言い分を聞くのが筋だ。やましいことがないなら黙ってろ!」
「っ…」
ギルドマスターの怒声にケリーは悔しそうにソファーに身を戻した
「確かにシャノンは魔法を放った。だがそれは逃げるための、目くらましのシャイニングだ」
そこまで言うとギルドマスターは暫く黙り込んでいた
「真っ向から反発する内容だ。この場合、確実に確認できるところから潰すしかないだろうな」
「だから俺達は嘘なんてついてないって!」
「ならば全員ギルドカードを出してもらおう」
「「「「は?」」」」
ケリー達が狼狽えた
「シャノン、ケリーはAランク、パーティーはBランクと言っていたんだったな?」
「はい!」
「いや…俺はそんなこと言ってな…」
取り繕うかのように頼りない声で言いだすケリーに吹き出しそうになった
でもギルドに訴えると言い出したのはこいつらだから同情する余地はない
「実はその発言を俺も聞いている。その点に関してはギルドカードを確認すれば簡単に真偽を確認できるということだ。そして、その真偽が付けばどちらが正しいかもおのずとわかるということだ」
その言葉にケリーが固まった
「ということだから素直に出せ」
「いや、これは個人情報だぞ?」
「そうよ!プライバシーの侵害だわ」
「ギルドマスターがそんなことしていいのかよ?」
「問題が起きている以上俺にはそれを確認する権利がある。もし拒否するなら強制的に確認することになるがいいのか?」
ギルドマスターはそう言いながら魔道具を取り出した
「これはギルドマスターのみに使用権限を与えられている魔道具だ。強制的にステータスを確認できるもので、魔力レベルの差なども無視される」
“ゴクッ…”
ケリーの喉がなった
「…少々お待ちください」
最近シャノンと親しくしていた職員が何かを察してくれたのか、一旦奥に引っ込んだ
「お待たせしました。ご案内します」
通されたのは2階の応接室だった
「とりあえず座れや」
すでにその部屋にいたギルドマスターが俺達に座る様に進めてきた
3人掛けのソファーのギルドマスターに近い場所に俺が、真ん中にシャノンを挟んでルークが座る
向こうはガタイがでかいからかリーダー格のケリーと女のメリーが座りブルーとグリスはその後ろに立った
「で?」
「この女は一時的とはいえパーティーを組んだ者に攻撃魔法を使った。しかも上級迷宮の中でだ!」
「そうよ。こんな危険な女、冒険者でいる資格なんてないわ!」
ケリーとメリーが勢いに任せてそう言い切った
「…お前さん達の言い分は?」
ギルドマスターとは領主の件で顔を合わせている
だからこそこっちの言い分も聞いてくれる気なんだろう
「ケリーはAランク、パーティーはBランクと聞いて、シャノンは上級迷宮に同行することを決めた。でも実際入ってみたら、シャノンだけが高ランクの魔物倒して、ケリーが倒したのはCランクだけだったらしい」
自分では説明できそうにないシャノンの代わりに説明する
「シャノンはこれ以上階層を進むのに身の危険を感じて“もう無理だ”と伝えたら“3階層まで付き合え”と、“逆らうなら冒険者として活動できないようにしてやる”と脅された。ブルーとグリスに掴みかかられ、その上脅されたときにメリーに魔法でも拘束された。その状態でケリーが“ファイアボールとファイアカッターどっちがいい”と聞きながら魔法を練り上げたらしい」
「でたらめ言うんじゃなぇ!」
ケリーがシャノンに掴みかかろうとした
「両方の言い分を聞くのが筋だ。やましいことがないなら黙ってろ!」
「っ…」
ギルドマスターの怒声にケリーは悔しそうにソファーに身を戻した
「確かにシャノンは魔法を放った。だがそれは逃げるための、目くらましのシャイニングだ」
そこまで言うとギルドマスターは暫く黙り込んでいた
「真っ向から反発する内容だ。この場合、確実に確認できるところから潰すしかないだろうな」
「だから俺達は嘘なんてついてないって!」
「ならば全員ギルドカードを出してもらおう」
「「「「は?」」」」
ケリー達が狼狽えた
「シャノン、ケリーはAランク、パーティーはBランクと言っていたんだったな?」
「はい!」
「いや…俺はそんなこと言ってな…」
取り繕うかのように頼りない声で言いだすケリーに吹き出しそうになった
でもギルドに訴えると言い出したのはこいつらだから同情する余地はない
「実はその発言を俺も聞いている。その点に関してはギルドカードを確認すれば簡単に真偽を確認できるということだ。そして、その真偽が付けばどちらが正しいかもおのずとわかるということだ」
その言葉にケリーが固まった
「ということだから素直に出せ」
「いや、これは個人情報だぞ?」
「そうよ!プライバシーの侵害だわ」
「ギルドマスターがそんなことしていいのかよ?」
「問題が起きている以上俺にはそれを確認する権利がある。もし拒否するなら強制的に確認することになるがいいのか?」
ギルドマスターはそう言いながら魔道具を取り出した
「これはギルドマスターのみに使用権限を与えられている魔道具だ。強制的にステータスを確認できるもので、魔力レベルの差なども無視される」
“ゴクッ…”
ケリーの喉がなった
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