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60.真偽
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「…何だお前ら?勝手に人の部屋に入って来てどういうつもりだ?」
俺はシャノンを抱きしめたまま入ってきた3人の男と1人の女を睨みつける
下が少しうるさかったから無理矢理部屋を聞きだしたんだろう
宿に迷惑をかけるつもりはなかったけどどうしようもないか…
「うるせぇ!その女を渡してもらおう」
「は?」
「そいつは一時的とはいえパーティーを組んだ者に攻撃魔法を使った。だからギルドに突き出してやる」
俺らを自分達より下と見たのが嫌でもわかる
でも残念ながら俺達は、こういう時に尻尾を巻いて逃げろという教育はされてない
「…はいそうですかって渡すとでも思ってんのか?」
「何だと?」
「ルーク、ちょっとそこで抑えててくれ」
「了解」
明らかに弱そうなやつらを見て俺はルークにそう頼んだ
相手が4人でもルークで問題ないだろう
万が一無理なら俺が出ればいいだけの話だしな
そう思いながら俺はシャノンと向き合った
「シャノン、あいつらに攻撃魔法を使ったのか?」
俺が尋ねるとシャノンは首を横に振る
「これ以上は無理って言ったらブルーとグリスに掴みかかられて、その上脅されたときにメリーに魔法で拘束された。その状態でケリーが“ファイアボールとファイアカッターどっちがいい”って言いながら魔法を練り上げたの」
泣きながらシャノンは必死で訴える
「だから、逃げなきゃって思ってシャイニングで目くらまししただけ。その隙に逃げてきた。シア、ケリーはAランクだって言ってたの。それにパーティーランクはBランクだって。でも絶対もっと弱い。上級迷宮に挑めるレベルなんかじゃない!信じて!」
「…俺はシャノンを信じるよ」
俺はシャノンの頭をポンとたたいてから再び4人を見た
***
ケリー Age18 Bランク冒険者
種族:人族
魔法属性:火
スキル:火魔法 43 剣術 50 投擲 31 料理 3 掃除 2 算術 12 読書 8
生活魔法:火種・水球
迷宮攻略状況:低級
称号:Cランクパーティー“王者”のリーダー
特筆:ソロの冒険者を脅して迷宮に同行させる常習犯
***
鑑定するとそう表示された
いわゆる屑だ
あえてその内容は言わないけどな
「虚偽の情報でパーティーに引き入れた上に脅したとなると…その時点であんた達に非がある。それに脅迫から逃げるために放った魔法もただの目くらましである以上、正当防衛と判断されるはずだ」
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!いいからその女を渡せ!」
何だこいつ言葉が通じないのか?
「…今の言葉が理解できないなら一緒にギルドに行こうか?」
「ほぅ…その強気がどこまで通じるか見ものだな?」
ケリーはニヤリと笑いながら言った
俺はシャノンを抱きしめたまま入ってきた3人の男と1人の女を睨みつける
下が少しうるさかったから無理矢理部屋を聞きだしたんだろう
宿に迷惑をかけるつもりはなかったけどどうしようもないか…
「うるせぇ!その女を渡してもらおう」
「は?」
「そいつは一時的とはいえパーティーを組んだ者に攻撃魔法を使った。だからギルドに突き出してやる」
俺らを自分達より下と見たのが嫌でもわかる
でも残念ながら俺達は、こういう時に尻尾を巻いて逃げろという教育はされてない
「…はいそうですかって渡すとでも思ってんのか?」
「何だと?」
「ルーク、ちょっとそこで抑えててくれ」
「了解」
明らかに弱そうなやつらを見て俺はルークにそう頼んだ
相手が4人でもルークで問題ないだろう
万が一無理なら俺が出ればいいだけの話だしな
そう思いながら俺はシャノンと向き合った
「シャノン、あいつらに攻撃魔法を使ったのか?」
俺が尋ねるとシャノンは首を横に振る
「これ以上は無理って言ったらブルーとグリスに掴みかかられて、その上脅されたときにメリーに魔法で拘束された。その状態でケリーが“ファイアボールとファイアカッターどっちがいい”って言いながら魔法を練り上げたの」
泣きながらシャノンは必死で訴える
「だから、逃げなきゃって思ってシャイニングで目くらまししただけ。その隙に逃げてきた。シア、ケリーはAランクだって言ってたの。それにパーティーランクはBランクだって。でも絶対もっと弱い。上級迷宮に挑めるレベルなんかじゃない!信じて!」
「…俺はシャノンを信じるよ」
俺はシャノンの頭をポンとたたいてから再び4人を見た
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ケリー Age18 Bランク冒険者
種族:人族
魔法属性:火
スキル:火魔法 43 剣術 50 投擲 31 料理 3 掃除 2 算術 12 読書 8
生活魔法:火種・水球
迷宮攻略状況:低級
称号:Cランクパーティー“王者”のリーダー
特筆:ソロの冒険者を脅して迷宮に同行させる常習犯
***
鑑定するとそう表示された
いわゆる屑だ
あえてその内容は言わないけどな
「虚偽の情報でパーティーに引き入れた上に脅したとなると…その時点であんた達に非がある。それに脅迫から逃げるために放った魔法もただの目くらましである以上、正当防衛と判断されるはずだ」
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ!いいからその女を渡せ!」
何だこいつ言葉が通じないのか?
「…今の言葉が理解できないなら一緒にギルドに行こうか?」
「ほぅ…その強気がどこまで通じるか見ものだな?」
ケリーはニヤリと笑いながら言った
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