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102.2度目のオークション

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「これでルークの分も終わり。ここも共通に変更で」
「おう了解」
「あ、私もこれが最後。これも皮だけ戻して」
レティがすでに慣れた調子で注文を付ける
俺は魔法に対する補助や防御の効果が見込める皮くらいで、あとはAランク以上の肉
龍化出来るから欲しいものはいつでも取りに行けるってレティと話してから、ストックする必要性をあまり感じてないんだよな

「じゃぁこっちは毒系始めるか」
レティの最後の魔物を解体するなりそんな言葉が飛んでくる
「ようやく目玉商品か?」
職人たちが浮足立った
「シャノンから出していけ。シャノンが終わったらルークな」
「はーい」
サンドイッチをほおばりながらシャノンが移動した

「熊肉1頭分はバックしてね」
「毒持ちの肉なんぞどうする気だ?こいつの素材なんて皮と牙、爪だけだろ?」
「なんかね、3日以上燻せば毒が抜けるんだって」
「何?」
「え?おかしなこと言った?間違ってないよね、シア?」
職人の反応を見て不安になったのかシャノンはこっちを振り向いた
「あってるぞ」
「そんなこと知らなかったぞ?」
「あれ?向こうのギルドは知ってるみたいだったけど?」
地元ならではの情報みたいなもんか?

「こいつらの肉は同じ毒持ちをおびき出す餌くらいにしかならんと思ってたが…」
「それだと大半ゴミになるよな?」
時間が立てば腐るし
高ランクだし低ランクに比べれば日持ちするだろうけど…
「臭い魔物肉燻製にするための設備は有るんだろ?」
「当然だ。それもギルドの収入源になるからな」
燻製にすることで臭みが減って携帯食にもなるから冒険者はよく購入する
ちなみにその方法は貴族には広まってないらしい
臭い肉をわざわざ食う必要のない人種だし当然か?

「じゃぁそれで金取れるじゃん」
「は?」
「肉は他のと同じようにオークションで出せばいい。その時にギルドではこれを加工できると説明すれば加工賃を別で取れる」
ゴミと思ってたならとんでもない上乗せ収入になるはずだ
「たとえまずくてもAランクの魔物、しかも毒持ちを食う機会なんてそうそうないからな。見栄の張り合いが好きな貴族なら食いつくんじゃないか?」
俺がそう言うと職人たちの顔に黒い笑みが浮かんだ
普段の鬱憤が相当溜ってる感じだな
1人がキアナさん達に報告に走り他はこれまで以上の速さで処理し出した
ギルマスたちならうまく説明して売り込むことだろう

「それにしてもシアため込んでるね?」
「俺は基本道中で取り出さないからな」
シャノンとルークが少ないのは道中で食べるからだ
それ以外にも2人は買い物が好きなせいで途中で売り払ったりもしてるしな
レティは2人の食べっぷりを見るのが気に入ってるせいか、時々肉を提供してるから俺より少ない
結果、俺の手持ちは共有分とほぼ同じ状態になる
誰がいい、悪いってわけじゃ無く単に何に重きを置くかの差だけでしかない

「シアは食欲も物欲もないもんな」
「そういえば2人ほど買物しないよね?その分買うときはいいもの買ってる感じもするけど」
「確かにそうだよね?高級品ってわけじゃ無いけどお値段以上のものを見つけるの上手い気がする」
「単にシャノンが目移りし過ぎてるだけじゃないか?」
「それは否定できないけど多分それだけじゃないと思う~」
そんな俺達のやり取りを見ながら職人たちが笑っていた
ちょっと恥ずかしい

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