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102.2度目のオークション

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「…マジかよおい」
職人が固まった
シャノンが真っ先に取り出したのはポイズンベアだった
まさかの選択に俺も驚いた
「ポイズンベアだと?」
「毒ありも持ってくるって聞いてるだろ?」
「ああ、聞いてはいるがまさかこれが来るとは思わなかったぞ…」
「毒系は別にした方が良かった?」
「そうだな…できれば後に固めてくれるか?」
「分かったわ」
シャノンは一旦出したポイズンベアをマジックバッグに戻した

「俺達も出すぞ」
レティを促すと頷いて魔物や素材を積んでいく
「シア私の出して~」
しばらくするとシャノンが自分のマジックバッグから出し終えたのかそう声をかけてきた
「全部出すのか?」
「うん。肉だけバックしてもらってるから保管しといてね?」
「了解」
俺は適当な量の魔物を一旦シャノンの前の台に置いたついでにバックされた肉を収納する
そして自分の列に戻り自分の分を出す
「シア僕のも。とりあえず全部出すよ」
「ん」
頷きルークの列も含めて取り出していく
ルークは肉以外にもいくつかの素材をバックするよう依頼していた
多分武器用か?
レティは自分のインベントリから黙々と出し続けている
「レティそれ…」
出てきたのは龍の鱗だった
「丁度いいからついでにいいかなって。私のだし」
あっさり言うレティに苦笑する
確かにそのまま売るよりいいとは言え自らの鱗もオークションにかけるとは…
勿論職人は“私の”と聞いてもレティが確保していた素材としか思ってないだろう
それが自らの鱗だと知ったらどんな反応をするのか見てみたい気もするけど流石に口には出来ない

「これでシャノンの分はいったん終了だな。この列共有に切り替えるぞー?」
バックされた肉を収納して台がきれいになったタイミングでそう声をかける
「お、了解」
職人たちは解体や鑑定の終わったものに色付きのタグのようなものをつけて、誰のものかを識別してるようだ
シャノンの分で一旦区切りをつけてタグの色を変えていた
ちなみにファイアスネークの切り方の件はギルマスから職人にかん口令が敷かれている
ここで見たことは多言無用という魔法契約で口止めしたらしい
そこまでする必要があるかは疑問だけどランクが2段階も下がる可能性があると考えれば納得はいく

「さっき昼の鐘が鳴ったから昼なんだけどなぁ…」
「お腹すいたよね」
「僕も」
「私もすいたわ」
珍しくレティも便乗した
さてどうするか
外に食いに行くとキアナさん泣きそうだしな…
「言っとくけど俺らも減ってるからな?」
「あーだよな?むしろ俺らより減ってるよな~」
職人はフル稼働で動いてるだけに否定しようがない

「とりあえず皆つまみながらってことで」
俺はインベントリからおにぎりとサンドイッチを取り出すとそれぞれの台の上に山積みにした
「これなら合間にかじれるだろ?」
全て移動中に食えるように一口サイズにしてあるもので、それを見た職人の目が輝いていた
「僕たちも食べていいんだよね?」
「ああ、いいぞ」
当然の様に聞いてくるルークに頷くとシャノンと一緒に早速手に取って食べ始める
「レティも好きなだけ食えよ」
「ありがと」
素材を出しながら途中でつまむ
決して行儀がいいとは言えないけどこんな時くらいは問題ないだろう

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