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31.夢の中で
1
いつものようにシアを寝かせてベッドに入ると,
レイに抱きしめられてその温もりを感じる
妊娠中レイは行為には及ばない
それはシアの時から変わらない
「欲求不満になったりしないの?」
それは他意のな率直な疑問
高ランク冒険者の云々を聞いてから余計に不思議ではあった
「ならないと言ったらウソになるな」
苦笑しながらレイは言う
「でもこうしてお前を感じられるならそれでいい。変に手を出して抱きつぶす方が怖い」
「…」
何度も潰された自分としてはそんなことないよね、なんて言えない
「よそで発散とか…」
「冗談でもそんなこと勧めんな。そもそもお前に会ってから他の女にその気にならない」
「え…?」
軽く小突きながらレイはつぶやくように言った
「お前を保護した日からお前意外の女に自分から触れたいとも思わねぇよ」
予想外の言葉だった
確かに事件の時もレイから触れたわけではなかったらしい
一緒に住んでるナターシャさんにも子供達絡みの時くらいしか近寄らない
そこまで考えて顔がニヤケるのが分かる
嬉しくないはずがないのだから
「レイ」
「ん?」
「愛してるよ?」
「何だよ突然?」
「何となく…言いたくなった」
ふっ…と笑いながらも口づけが落ちてくる
「愛してる」
そう言ってしっかりと抱きしめられる
その胸に顔を埋めて優しいぬくもりと鼓動に包まれながら少しずつ意識を手放していった
◇ ◇ ◇
「久しぶりだな」
かけられた声に意識を浮上させる
目を開くと白い空間が広がっていた
その空間には覚えがある
そう、ミュラリアに行く直前にいた場所だ
「…神界?」
「そうだ。元気そうで良かったよ」
ゼノビアが姿を現した
「…まさか、私また死んだ?」
以前神界に来たのは死んだ時だった
またここにいるってことは…?
と、冷や汗がでる
以前と違い今の私には手放せないものが沢山あるのだ
「違うぞ。眠ったあなたにアクセスしただけ」
死んだわけではないと聞きホッとする
「それだけ今の世界で幸せに暮らしているということかな?」
「ええ。おかげさまで」
言葉と共に笑みがこぼれる
「ミュラーリアはあなたのおかげで少しずつ変わってきた。感謝する」
「私は特に何も…好き勝手させてもらってるだけですから」
「あぁ、確かに周りの者を巻き込んで楽しそうにしているのは知っている」
時々様子を見てているのだとゼノビアは言う
「一部の者の憂いも晴らされた」
「憂い?」
「創造など与えて何を考えているのだとな」
「まぁ確かにとんでもないスキルだとは思いますけど」
うん。願ったものが創れるのだからある意味恐ろしい
「悪用出来るスキルだけにある種の賭けでもあった。でもそなたは悪用どころか使う頻度も少ない」
「そうですか?結構使ってる気もしますけど…」
「大したことはない。よその世界で創造を与えられた者達の中には、核兵器まがいの物ばかり量産して、その世界を滅ぼした者もいる」
「それは…」
確かに出来なくはないのか?
したいとは欠片も思わないけれど…
「そういう意味ではあなたはもっと使ってもいいくらいだ。使えば消費のコントロールも覚えられるだろう」
「あ、それは是非…」
毎度毎度ダウンするのはいただけない
「そもそもどれくらい使えば?」
「そうだな、過去の例で言えば毎日使ってればその内…」
「毎日…それまで毎日ダウンしろと?」
恨みがましく言うとゼノビアは笑って誤魔化した
「まぁいいですけどね。で、こんなアクセスの仕方をされた理由は?」
肝心なことはそっちだろうと話題を変える
「実はあなたに頼みがある」
「頼み…ですか?」
「ああ。この先、出会うであろう少年を救ってほしい」
あまりにも唐突な頼み事だった
「出会うっていつ?救うって何から?どうやって?」
疑問しか浮かばない
「近いうちに出会うことになるはずの心に傷を負っている少年だ。このままでは絶望したまま命の終わりを迎えてしまう」
「絶望って…」
前世を思い出し嫌な感じに包まれる
「どうか寄り添って希望を持たせてやって欲しい」
「…その子はなぜ特別扱いを?」
「特別扱いか…」
「そうでしょう?だって、ミュラーリアで心に傷を負ってる子供は沢山いるわ。マリクだってリアムだってそうだもの。魔物のいる世界である以上避けては通れないことなんでしょうけど…」
「確かにそうだな。ただ彼は…」
ゼノビアは言葉を濁した
そこには伝えるかどうかの迷いが浮かんでいた
レイに抱きしめられてその温もりを感じる
妊娠中レイは行為には及ばない
それはシアの時から変わらない
「欲求不満になったりしないの?」
それは他意のな率直な疑問
高ランク冒険者の云々を聞いてから余計に不思議ではあった
「ならないと言ったらウソになるな」
苦笑しながらレイは言う
「でもこうしてお前を感じられるならそれでいい。変に手を出して抱きつぶす方が怖い」
「…」
何度も潰された自分としてはそんなことないよね、なんて言えない
「よそで発散とか…」
「冗談でもそんなこと勧めんな。そもそもお前に会ってから他の女にその気にならない」
「え…?」
軽く小突きながらレイはつぶやくように言った
「お前を保護した日からお前意外の女に自分から触れたいとも思わねぇよ」
予想外の言葉だった
確かに事件の時もレイから触れたわけではなかったらしい
一緒に住んでるナターシャさんにも子供達絡みの時くらいしか近寄らない
そこまで考えて顔がニヤケるのが分かる
嬉しくないはずがないのだから
「レイ」
「ん?」
「愛してるよ?」
「何だよ突然?」
「何となく…言いたくなった」
ふっ…と笑いながらも口づけが落ちてくる
「愛してる」
そう言ってしっかりと抱きしめられる
その胸に顔を埋めて優しいぬくもりと鼓動に包まれながら少しずつ意識を手放していった
◇ ◇ ◇
「久しぶりだな」
かけられた声に意識を浮上させる
目を開くと白い空間が広がっていた
その空間には覚えがある
そう、ミュラリアに行く直前にいた場所だ
「…神界?」
「そうだ。元気そうで良かったよ」
ゼノビアが姿を現した
「…まさか、私また死んだ?」
以前神界に来たのは死んだ時だった
またここにいるってことは…?
と、冷や汗がでる
以前と違い今の私には手放せないものが沢山あるのだ
「違うぞ。眠ったあなたにアクセスしただけ」
死んだわけではないと聞きホッとする
「それだけ今の世界で幸せに暮らしているということかな?」
「ええ。おかげさまで」
言葉と共に笑みがこぼれる
「ミュラーリアはあなたのおかげで少しずつ変わってきた。感謝する」
「私は特に何も…好き勝手させてもらってるだけですから」
「あぁ、確かに周りの者を巻き込んで楽しそうにしているのは知っている」
時々様子を見てているのだとゼノビアは言う
「一部の者の憂いも晴らされた」
「憂い?」
「創造など与えて何を考えているのだとな」
「まぁ確かにとんでもないスキルだとは思いますけど」
うん。願ったものが創れるのだからある意味恐ろしい
「悪用出来るスキルだけにある種の賭けでもあった。でもそなたは悪用どころか使う頻度も少ない」
「そうですか?結構使ってる気もしますけど…」
「大したことはない。よその世界で創造を与えられた者達の中には、核兵器まがいの物ばかり量産して、その世界を滅ぼした者もいる」
「それは…」
確かに出来なくはないのか?
したいとは欠片も思わないけれど…
「そういう意味ではあなたはもっと使ってもいいくらいだ。使えば消費のコントロールも覚えられるだろう」
「あ、それは是非…」
毎度毎度ダウンするのはいただけない
「そもそもどれくらい使えば?」
「そうだな、過去の例で言えば毎日使ってればその内…」
「毎日…それまで毎日ダウンしろと?」
恨みがましく言うとゼノビアは笑って誤魔化した
「まぁいいですけどね。で、こんなアクセスの仕方をされた理由は?」
肝心なことはそっちだろうと話題を変える
「実はあなたに頼みがある」
「頼み…ですか?」
「ああ。この先、出会うであろう少年を救ってほしい」
あまりにも唐突な頼み事だった
「出会うっていつ?救うって何から?どうやって?」
疑問しか浮かばない
「近いうちに出会うことになるはずの心に傷を負っている少年だ。このままでは絶望したまま命の終わりを迎えてしまう」
「絶望って…」
前世を思い出し嫌な感じに包まれる
「どうか寄り添って希望を持たせてやって欲しい」
「…その子はなぜ特別扱いを?」
「特別扱いか…」
「そうでしょう?だって、ミュラーリアで心に傷を負ってる子供は沢山いるわ。マリクだってリアムだってそうだもの。魔物のいる世界である以上避けては通れないことなんでしょうけど…」
「確かにそうだな。ただ彼は…」
ゼノビアは言葉を濁した
そこには伝えるかどうかの迷いが浮かんでいた
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