やがてまた愛と知る

愛早さくら

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第2章

2-12・彼と過ごす、日常⑫(ルーシー視点)

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 俺はとても複雑な気分で、だけどそれを少したりとも表に出さないように気を付けて二人を見続けた。
 和やかな空気を壊さないように苦心する。
 その実内心で大変に緊張しながら。
 それは決してアーディさんと、今日が初対面だからという理由だけではない。
 もしアーディさんがただの冒険者であったなら、これほどまでに緊張することなどなかっただろう。
 そして俺がこんなにも緊張していることを、きっとアーディさんには見抜かれているのだろうなとそう思った。理由も含めて。
 同時にきっとティーシャは何も知らないのだろう、そうも思う。
 ああ、ティーシャ。
 馬車の中は終始和やかに、そして想定通りの時間で魔の森へと着いたらしい。
 ぴたり、馬車が止まったのは昼を少し過ぎた頃のことだった。

「ああ、着いたみたいだね、降りようか」

 そう告げて促したのはアーディさん。

「もう少しすぎてしまったけど、君たち、お昼は何か用意している?」

 昼食を摂っていなかったことを気にして、声をかけて下さったアーディさんに、ティーシャとなんとはなく顔を見合わせた。
 いつも二人の時には、携帯食料などで適当に済ませている。
 特にこうして討伐に来ている時はなおさらだ。
 だから今日も同じように考えていたのだけれど。

「俺たちはいつも携帯食料で済ませてしまうんですけど、お二人はどうなさるんですか?」

 そう訊ねたのは俺だった。
 場所は魔の森の入り口付近。
 まだこの辺りなら魔獣が出ることはほとんどない。だけど馬車は近くに置いて行くことになるだろう。
 魔の森を通り抜けるような場合ならともかく、今回のような討伐の場合、馬車ごと進むことはまずない。否、目的としている場所にもよるのだけれど、今回はそこまで深くまでも入らない予定だ。
 それでも数時間は歩くことになる。
 昼食を摂るなら今のタイミングとなるのは何もおかしくはなく、そして携帯食料だった場合は、歩きながらでも摂取は可能だった。
 そういった諸々も踏まえての問い。
 同じ冒険者なのだから、携帯食料と告げた時点で、普段の俺達がどうしているのかは伝わっているはず。
 案の定アーディさんは、全てをわかっていそうな表情で小さく頷いている。

「うん、そうだね、僕達も普段は携帯食料で済ませることが多いかなぁ……でも今日は君たちがいるから……実はね、ちょっと用意してきた物があるんだ。だから良ければこの辺りで少し止まって昼食を摂ってしまおう。知っている? 近くに沢もあるんだけど……そうだなぁ、ちょっとそこで水を汲んで来たいと思うから、二人のうちどちらか……ルーシーくんだっけ? 一緒に来てくれるかい? その間にティーシャくんはソーマと準備をしておいてくれると助かるんだけど。どういう準備かだとかはソーマがわかっているからね」

 そう告げるアーディさんに、俺もティーシャも異論などあるはずがなかった。
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