そしてまた愛と成る

愛早さくら

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第1章

1-115・告白。さきへ君と㉓(ルスフォル視点)

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 俺の言葉に僅かばかり、ほっと安堵の息を吐いて、リセデオの国王は気を取り直したようにこちらへと握手を求めてくる。

「……そう言ってもらえて助かるよ。改めて。リセデオ王国の国主、名をグニトリスと言う。先程は名を。勝手に呼んで申し訳なかった」
「いえ、それこそお気になさらないでください。私はニアディスレ王国、国王ルスフォル・ニアディレです。どうぞそのまま名でお呼び下さい」
「では、私のことも同じように」

 握手を交わしながら、わかってはいつつも改めて名乗り合う。初対面だからこそ、必要なやり取りだった。
 隣国でありながら、ニアディスレとリセデオは、それほど国交が盛んというわけではないのである。
 と、言うよりは実際の所、我がニアディスレ側に余裕がなく、そこへ余力を避けなかったという方が正しい。
 精々がそれぞれの外交担当同士のやり取り程度で、それを超えたところで宰相同士どまり。こうして国王同士が顔を合わせるのは、少なくともこの10年で初めてのことだった。
 幸いと言えばいいのか何なのか、この10年、今回のような慶事がお互いになかったのも確かなのだけれども。
 あったと言えば10年前の、それこそエティアを迎え入れた時の婚姻式で、しかしその時にリセデオから参席してくれたのは少なくとも王族ではなかったと聞いているので。
 おそらくは今回も、ティーシャ以外ならこうして国王自らが足を運ぶことなどなかったのではないかと思われた。
 俺の婚姻相手がティーシャだからこそ、こうして国王が訪れている。
 他の参席予定の他国の王族も同じだ。

「そして、これが……」

 続けてグニトリス国王は隣で不貞腐れた顔をする、ティーシャの養父を指し示した。そのままぐっと眉根を寄せている。
 多分、リモヌツ公爵の礼儀も何もない表情を見咎めた結果なのだろう。
 あまつさえ、吐かれた溜め息。
 苦労人の気配が漂う。

「リリ」
「……リレイリトゥア・リモヌツ。一応リセデオで侯爵位を賜っている。ティーシャの父だ。婿殿・・

 ティーシャの養父はグニトリス国王に厳しく名を呼ばれ、不承不承と言わんばかりにぼそと不機嫌に名乗りを上げた。
 敢えて俺を婿と称したのは、ここに居るのはあくまでもティーシャの養父としてだと示す為なのだろうか。おそらく俺は明確に気に入られていないのだろうことがありありとわかって苦笑する。

「お会いできて光栄です、義父殿・・・・

 敢えてそう返すと、ますます苦い顔をしてきて、何とも素直な人物なのだなと、そう思った。
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