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3・偽りの学園生活
3-43・歓迎できない再会
しおりを挟むジアレフ司教を迎えるその場に、ティアリィは呼ばれることとなった。
ピオラもユーファ殿下も、学生だということで免除されていて、しかし、キゾワリの王女であり、ジアレフ司教からすると姪に当たるというリアラクタ嬢はその場にいた。とはいえ、当然、ファルエスタとして迎え入れる側に並ぶのではなく、事前に合流して、ともに挨拶に来ることとなったのである。
先に来ていたリアラクタ嬢は単身ではそれさえなかったというのだから、ファルエスタがいかに彼女を歓迎していなかったかがよくわかる。
特に同じ留学生であるはずのピオラは、入学前の数日王宮に滞在していたし、その後も客室の一つを割り当てられたままで、それ以外でも時折呼び出されているのだから扱いの違いは明白すぎるぐらいに顕著だった。
ティアリィはファルエスタの国王夫妻と並んで、ジアレフ司教を出迎えた。
ティアリィの姿を見たリアラクタ嬢は目を見開いて驚いて、次いで険しくティアリィを睨みつけ、それでいて、何故ここにいるのか全く分からないというような顔をしている。
自身の心情を全く偽ることの出来ていない素直過ぎるほどの表情の変化が、ティアリィにはいっそ微笑ましいぐらいだった。
ファルエスタの国王夫妻の次に、ティアリィがジアレフ司教と握手を交わす。常に体を覆っている結界は、あえて限定的に解除してあった。具体的に言うと、握手程度なら触れ合えるように緩めたのだ。
リアラクタ嬢の険しい表情に気付いていないはずがないだろうに、きれいに気付いていないふりをしているジアレフ司教はリアラクタ嬢と違って、キゾワリ国内で相対した時と変わらず、大変ににこやかで友好的だった。
「お久しぶりです、ティール様。こちらに滞在なさっていらしたのですね。私はてっきり、すぐに国にお戻りになるものとばかり思っておりましたよ」
「お久しぶりです、司教。その節はお世話になりました。はじめはその予定だったのですが、少し事情が変わりまして。まだしばらくはこちらに滞在させて頂く予定となっております」
ジアレフ司教は、ティアリィの事情を知っている。
それを踏まえてのやり取りは、表面上は大変穏やかに、しかし何らかの意図がないはずもない様子で少しばかり交わされた。
リアラクタ嬢はずっと、意味が解らないという風に不思議そうであり、また、ティアリィを睨むばかりで。ファルエスタの国王夫妻は、そんなリアラクタ嬢の様子に、当然思う所があるらしく、ちらとティアリィに視線を寄越した。
ティアリィは彼らからの視線に、眼差しだけで、今はこのままでと伝え、にこやかな表情を崩さずにいた。
当たり前に鈍いはずもないファルエスタの国王夫妻はそれを正しく察してくれ、出迎えは、ジアレフ司教の長旅を労い、短い時間で終わることとなった。
後日また改めて時間を設けるとのこと、当然ティアリィもその席へと呼ばれている。
本来なら、ある意味で関係ないと言ってもいい立場のはずなのだけれど、ファルエスタ側たっての希望だった。
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