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4・初めての国内視察
4-18・ガラス細工の行方②
しおりを挟むアルフェスは溜め息を吐いている。
おそらくはルーファを持て余しているのだろう。だけどこの二人はこれで10年近く夫婦として過ごしていて、子供も二人作っているのである。
はしゃぐルーファと呆れるアルフェスと。つまりこれがこの二人のごく自然な在り方なのか。
思い返せば幼い頃からこんな様子だったようにも思えるので、今更なのかもしれないな、なんて、ティアリィは内心でこっそり思った。
ちなみに視察は三カ所目ではあるが、実はまだまだ2日目だった。
つまり合流したのは昨日ということ。
昨日は朝からパンレソイの港を見て回り、領主邸で挨拶した後、そのまま次の視察先へとポータルを使用して転移し、一泊して2日目の今日、ここに来たのである。
ナウラティスの領土は広大で、細かく分かれた領の数は、到底夏季休暇中だけで全て回り切れるものではない。
それでも可能な限り足を運ぶ予定と成っていて、ポータルのある領土は、一日に数ヶ所が予定されていた。今日もこの後、別の場所へ転移する予定である。
その合間を縫っての観光で、しかしこのような経験がほとんどないティアリィには、何もかもが目新しく、最愛の妹が一緒なのもあって正直に言って楽しい。
こんなことならもっと早くに、こんな風、街で過ごしてもよかったかもしれない、なんてことまで思ってしまった。
もっとも、どう思い返しても、そんな余裕はなかったようにも思えたのだけれども。
「欲しい物があるなら買うといいよ。俺もルーファに見繕おうか?」
妹に似合うものは何だろうと、一緒になって覗き込む。
キラキラしたガラス細工。その多くは小さな飾り物。
「そうですわねぇ……せっかくですから、私がお兄様に選んで差し上げますわ! 旅の思い出ですわね。ああ、そうだ、お兄様もお土産をお選びになられては?」
にこにこと、一応はお忍びであることを理解しているのかいないのか、全く誤魔化すつもりのないルーファの言葉に、ティアリィはぱちりと目を瞬かせた。
「お土産……」
その発想は全くなくて。
「はい! 陛下に。お兄様お一人でこうして視察なさってらっしゃるなんて、きっと王宮に残っていらっしゃる陛下も寂しがっていらっしゃるでしょうし」
しかも無邪気に告げられた送り先が贈り先で。ティアリィは知らずじっと考え込んでしまう。
キラキラと光るガラス細工。
これを、ミスティへのお土産にする……?
そう考えると、なんと言えばいいのかわからない感情が込み上げてきて。そのまま眺めていると、ふと一つの小さな置物が目に留まった。
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