結婚10年目で今更旦那に惚れたので国出したら何故か他国の王太子に求婚された件。~星の夢2~

愛早さくら

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4・初めての国内視察

4-58・視察の意義①

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 旅はもう終わりに近い。
 夏季休暇もあと一週間と少し。
 残る視察先も随分と少なくなっていた。
 一応実家・・となるのでジルサ公爵領では少し長めに予定を取っている。
 しかしそれも1泊で、明日には次に向かう予定だ。
 母が今、来てくれてよかった、そう思った。
 そうでもなければゆっくり話すことなど、難しかったことだろう。
 今のよう、自分の気持ちにある程度、答えを出すこともまた、出来なかったに違いない。
 母と話すことは必要だったのだ。きっと。
 気持ちを涙と共に吐き出して、そうして改めて少しだけ、気持ちを前へと向けることが出来た気がしている。
 母の胸で初めてかもしれないと思うぐらいには泣いて、泣いて、泣いて、ようやく涙が治まってきた時には、どうにかなんだかすっきりした気がしていた。
 だから母に礼を言う。

「母様、ごめんなさい……うぅん、ありがとう。こんなに泣いたの久しぶりだ。ちょっとすっきりしてる……ミスティとは……ちゃんと、話してみる。すぐには無理かもしれないけど……なんか、助けて欲しいことがあったら言うよ」

 全てを素直に受け入れようと思った。
 向き合う、話し合う、そしてティアリィの気持ちを、ミスティに伝え、同じよう、ミスティの気持ちも教えてもらうのだ。
 これからも共にいたいのなら、そうする以外にはない。
 まだ気持ちは落ち着き切ってはいなくて。やっぱりミスティを前にしたらきっと、逃げ出したくなるんだろう、そう思った。
 今度は怖い、そうも思うかもしれない。
 でも、それでは嫌だしダメなのだ。
 逃げずに向き合って、話し合って。
 そう出来るぐらいには、気持ちを落ち着けてしまわないと。ミスティのことを好きな気持ちを認めて、それと向き合わなければいけない。
 あと1週間。
 それでは、どう考えても足りない気がした。
 まだ、落ち着けない、向き合えない。
 もっとしっかりしたい。でも。
 2か月近く。
 こんなにも長い間、ミスティと会わなかったのは、それこそ、あの、6年前。自分の気持ちに気付けた、ミスティが国を空けた時以来だった。
 それ以外では本当に、ミスティと離れたことなんてないのだ。
 そうして改めてミスティのことを思うと、単純に会いたい、そう思う。
 この視察は楽しかった。
 勿論、仕事はしっかりこなしたけれど、普段のことを全部忘れて、妹と観光を思いっきり楽しんだ。
 自分の国の中の話だというのに、初めて見る物がたくさんあって、初めて行く場所もたくさんあった。
 勿論、おおざっぱに大抵のことは知っている。でもそれはあくまでも報告があった分のみ、書面上でのことばかりで。
 目で見て、実際に触れてみる。それには確かに意味がある、そう感じた視察だった。
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