5 / 21
04
しおりを挟むそれ以来、和凪は俺が驚くぐらいには頻繁に、俺へと声をかけてくるようになった。
「は、端総、」
と、はじめ苗字で呼んできたのを、
「リユでいいよ」
同じクラスなんだしと、何も考えず名前で呼ぶように促したのは俺の方。
「なら! ……俺も、カナデ、で」
自分のことも、との言葉にも頷いて、名前で呼び合うようになったのは、二回目に言葉を交わした時。
ちなみに入学式の翌日である。
その時にはそれとなく、俺の中学までの様子などを知る者も増えてきているのか、控えめながら気軽に声をかけてくる者が出てきていて、俺も当たり前に、新しいクラスメイトと交流を図ったりなどをし始めていた。
和凪もそんな中の一人で、他の奴らと同様に対応したに過ぎない。
これまで友人には「リユ」と、下の名前で呼ばれることの方が多かったからそれでいいと。
「お前、見た目そんなんだけど、とっつきやすいよな」
と、言ってきたのは和凪とは違うクラスメイト。
俺は、
「そんなん、ってなんだよ」
なんて、笑って返した。多分、日本人離れした髪色とかのことを言っているんだろうな、と。
うちの高校は自由な校風とは言え、俺ぐらいの明るい髪色の生徒が多いってわけではなかったから。
開いたピアス穴や、着崩した制服も相俟って、素行が良くないのではないかと思われることは多かった。
もっとも、見た目以外でそこまでおかしなことなんてしていないつもりなのだけれど。
ちなみに、中学の時の教師からの評判も、「チャラい割に真面目」だったりしたのだが、それはともかく。
とは言え、それでも、これまでは和凪のようなタイプが、こちらにかかわってくることはあまりなかった。
運動系の部活動に勤しんでいる奴らは、同じ部活の生徒同士で行動することが多く、どちらかと言わずとも女子といることの多い俺とは、ありていに言ってグループが違う。
話が合わないことも多いのだ。
不仲になったことがあるわけではなかったが、かと言って過度に親しくしたこともなく。そういった意味で和凪は、俺が初めて関わる人種と言っていい。俺と目が合う度、頬を赤らめる所も含めて、だ。
(女の子みたいな反応だなぁ……)
と、思わなくもなかったが、それでも男同士。そういう性質のやつなのだろうと、あまり気にしたりなんてしなかった。
和凪の方から話しかけてくることの方が多かったというのもある。
和凪は、俺以外ではやはり、同じ部活の生徒と親しくしているようで、女子からはどうやら、少しばかり遠巻きにされているらしい。きっと、体格の良さも相俟って、迫力がありすぎるからなのだろう。
そんな風だったから、ただ、気にせずにはいられなかっただけ。
「ねぇねぇ、シロキカナデのことなんだけどさぁー」
なんて言いながら、カナが調べたのだと和凪について教えてくれたのは、俺が親しくするにしては和凪が、これまでにはいなかったタイプだったからだと思われた。
0
あなたにおすすめの小説
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ある新緑の日に。
立樹
BL
高校からの友人の瑛に彼女ができてから、晴臣は彼のことが好きなのだと認識した。
けれど、会えば辛くなる。でも、会いたい。
そんなジレンマを抱えていたが、ある日、瑛から
「肉が食べたい」と、メールが入り、久しぶりに彼に会うことになった。
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる