お前の取り柄は顔以外

愛早さくら

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 でかい図体の和凪は、近くへと寄って来られると、正直言って暑苦しい。
 迫力があるなと思わずには、いられなかった。
 けれど同時に、和凪がいいヤツだと言うのは、親しく接するようになってすぐに知った。
 こちらのどんな意見だって否定しないし、否、誰のとこも悪く言っているところなんて見たことがない。
 例えば、俺がよくつるんでいるカナやミズホのことを、

「ああいう派手な子達ってさ、やっぱ軽かったり・・・・・・すんの?」

 などと、下世話に揶揄する発言を聞けば、俺が何かを言う前に和凪が、

「彼女達がかわいいからって、そういう言い方はどうかと思うぞ。偏見は良くないんじゃないか?」

 などと、窘めたりするのだが、その時の口調も強かったりなど、しなかったのだ。
 とは言え、窘められた奴は面白くなさそうな顔をするのだが、直ぐにソイツの良い部分を続けて告げて、取りなしたりなどもして、険悪なまま終わる、なんてこともなく、俺は、

(上手いな)

 と思うこともしばしばだった。参考にしようと思うこともあるほどだ。
 他でも、暑苦しいとは思っても、俺も男だ。体格の良さなどは憧れこそすれ、悪いようには思えない。
 加えて頭も良ければ、陸上部のエースだけあって、運動も出来る。

(完璧超人ってやつか?)

 なんて思う程。

(強いて難を上げるなら顔だなぁ。イケメンすぎる)

 少なくとも、俺の好みではないな、と思いながら眺めた。
 もっとも、男である時点で、好み云々からは外れるのだが。
 そうして一ヶ月も経つ頃には、和凪はすっかり、男子の中で一番仲が良い友人と言うやつにまでなっていた。
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