ヴァーチャル・ラブ ~いつもあなたを好きでした。~

楠瀬 飛鳥

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本編

妄想

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昨日から唯のスマホは使えない。いわゆる料金の未納。『お客さまの都合で、、、。』ってやつだ。
本当に困った奴である。でも、その原因は、唯だけの責任ではない。僕にもあるのだ。
僕は、唯の電話番号を知らない。だから、電話はいつも唯の方から、かけてきてくれる。
その理由は、前にも聞いた。唯の真面目さがそのままに出た理由だ。
でも、こんな時、唯の番号され知っていれば、僕がかけてあげられたのに、、、とも思う。
でも、それでは、いけないのだ。唯の信念を曲げてしまうことになる。意志の堅い唯も、
その魅力の一つかもしれないからだ。また、今日は僕にとっても仕事上で重要な一日だ。
とても大事な会議に出席する。ほとんどが僕より先輩の人たちの輪に入って、様々な内容を討論する日だ。
僕の発言する順番が回ってくる。緊張していてもいざとなると腰が座るとよく言われるが、
この日も如才なく報告と発言を終えた。こんな重要な任務を終えてほっと一息付いて時だった。
ジャケットの上着に忍ばせておいたスマホが震えている。「クライアントから電話かな?」と思った。
でも、その振動は、すぐに止んだ。
『おやっ?』と思った。
最近、昼間からメールを送ってくるのは、唯しかいない。でも、唯のスマホは使えないはずだ。
確認したい気持ちを押さえて、討論会は終了した。がしかし、まだ僕には任務が残っていた。
同じ会議に出席していたお偉い方とのアポイントが残っていたのだ。
メールを確認したい僕の気持ちとは裏腹に会場を替えての折衝が始まった。
先方がトイレにたった隙を狙って、メールを確認する。もうタイトルだけでもいいと思った。
そんな僕の目に飛び込んできたのが『復活!』の文字だった。すぐに唯だと解った。

『やった~!』と叫んだのは、言うまでもない。

アポイントを終えた僕は、国会が近くに見えるその建物の喫煙室に向かった。
唯からのメールを確認したい。その一心だった。喜びのメールを確認した後、僕は事務所に戻った。

----しかし、目まぐるしい一日だった。

そう思ったのは、もう夜の19:30だ。でも、もういつでもまた唯にメールができると思うと夜が
待ち遠しいとさえ思った。そんな気も知らないで、唯から例の先輩と残業になるとの知らせを受ける。
『まだ、いたのかよ。あのオトコ!』と思ったが、よく考えれば僕の年下なのだ。
苦笑しながら、唯にメールを打った。がしかし、今日はメールが送れない?
何度、やっても繋がらないのだ。苛つきを覚えながら、何度もメールを出してみる。
ちゃんと届いているかも解らない。唯からの返事は来ない。その唯はあの先輩と一緒。

僕の心の苛つきは頂点に昇りつめようとしていた。

唯が心配で、頭を使う仕事はできないと判断した僕は、機械的に進めることの出来る仕事に切り替えた。
それから、どれくらいの時間が過ぎたであろう。
とうとう、飽和状態を超えて、心配で手が震え始めたのだ。

『唯からの返事が来ない。その唯はあの先輩と一緒。』そう考えるだけで、頭が勝手な妄想を始めた。

 “誰もいないフロアに唯と先輩。仕事に熱中する唯に先輩が近付く。
「おう、ちゃんと仕事してんじゃん!」
「あぁ、お疲れ様です。先輩は終わったんですか?」
「そろそろな!」

唯が、視線を自分のデスクに戻すと同時に先輩の手が唯の手にかかる。
「何をするんですか?」
遅かった。唯はもう、両手を掴まれている。力強い先輩の手がしっかりと唯の手首を押さえているのだ。

「この間のことが忘れられない、、、。もっともっと。」

唯の手首が紐で縛られていく。二人しかいないフロア。警備員も別のフロアを巡回中だ。

「修!助けて!」

叫びだしそうな唯の口にもタオルが噛ませられる。
床にほうり出され、もう何もできないでいる唯。先輩のなすがままにスーツの上着のボタンを解かれ、
力任せに1つ空いたシャツのボタンに手を掛け、1つずつ解かれていく。。。シャツのボタンは全開だ。いくら唯がもがいても、、、。もがけば、もがくほどに先輩の気分は欲情する。唯の足首に先輩の膝が乗る。

もうダメだ。

スカートをたくし上げられ、、、、。あらわになった、唯の下半身を先輩が『いい眺めだ』と言わんばかりに見下ろしている。観念した唯も抵抗するのを止め、ぐったりしている。そんなタイミングを見計らってか、先輩の身体が唯の身体に近付いていく。唯は、目を閉じ、、、。

「修、ごめん。私、、、何もできなかった、、。修との約束守れなかったね。。。」
唯の心の声が聞こえてきそうだ。”

僕は、ふっと我に返った。

もう仕事にならない。唯のことを考えると仕事への活力になるのも事実だ、
しかし、こうして仕事にならないこともあるのだ。人の気持ちとは、不思議なものでちょっとかけ違った
だけで180度、向きを変えてしまう。さてと、仕事を持ち帰って、唯からのメールでも気長に待つことと
しましょうか?そんな独り言をいいながら、家路を急いだ。
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