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第一部第二章幼児期編
第十三話【友達いねぇじゃん!】
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あれから一年ほど経ち、まだ実力は遠いとは言えアインスの相手をコルチカムがする事になった頃、アインスは街で初めて友達が出来た。
きっかけは、そろそろいつものランニングコースに飽きて別のコースを決めようと、午後の自由時間を使って街を散歩しているときの事だった。
「なんか面白いお店とか無いかなぁ」
(俺今更気づいたけどそう言う情報交換する友達いねぇじゃん!まぁ確かにメイドにでも聞けば良い店はわかるかもしれないけど...)
「どっちかって言うとあんまり人に知られてないけどめっちゃ美味しい喫茶店みたいなところが良いなぁ」
(まぁ俺まだまだ子供なんだけどね!)
そんなこんなで街をぶらぶら歩いていると、普段アインスが剣で訓練をしている時のような、金属同士がぶつかり合う音が聞こえた。
「何してるんだろ...ちょっと覗いてくか」
完全に興味本位で本来の目的も忘れて細い路地を抜けて、住宅群を抜けた所に川があり、その横には鍛冶屋があった。
「煙突あるしこの音からして鍛冶屋で確定だな...ちょっとだけ覗いてみよ」
前世でも鍛治が得意だという同級生は何人か見が実際に見た事はないその存在に強く心が惹かれていた。
「だから何度言ったら分かる⁉︎鉄が冷え切る前にしっかり打つんだよ!」
「はい!」
「もっと腰に力入れろ!」
「は、はい‼︎」
(俺と同い年ぐらいなのに頑張ってるなぁ)
アインスは同い年の子を見つけた喜びと、この歳で過酷な特訓をしている事に関心した。
「よしっ今日はこんなもんでいいだろ、顔洗って休憩してきな」
「hっ...はぁ、はい...」
どうやら今日の分の特訓は終わったらしい、アインスも自分が思わず見入っていた事に気づき、直ぐに立ち去ろうとしていたが、
「あれ?父さんお客さん来てるよ?」
(まずい見つかった⁉︎って別にやましい事して無いし大丈夫か)
「あぁ?今日は仕事は受け付けてねぇぞ?休日だからな」
勘違いされているようなので正直に話す。
「あぁいえ、すいません珍しくてつい覗いてしまいました...」
「なんだ珍しい客だと思ったらただの冷やかしかよ...そうだ!お前ここに来たのも何かの縁だ、こいつの友達になってくれないか?」
(結構ハッキリ言う人なんだな...まぁ俺も丁度友達欲しかったしいいか)
"うちの技術を盗み見やがって!"と、もっとでかい要求をされた訳では無いので素直に要求に乗る事にした。
「僕はアインスです、これからよろしくね」
「僕ツヴァイ」
「すまんなぁ鍛治しかない俺が男手ひとつで育てたからこいつ同い年との関わりが無いんだ...」
「あぁ...お隣さんも居ませんもんね」
(お隣さんが居ないのは俺も同じだな...)
その後は特訓の終わったツヴァイと川辺で遊んだ。
「また一緒に遊ぼう!」
「うーん遊べるとしたら土日かなぁ」
ツヴァイはちょっと人見知りだっただけらしく慣れると普通に遊べた。
遊ぶと言ってもゲーム機のない世界、流れの緩やかな川辺で水に触れる程度で終わった。
「じゃあまた来週の土日ね!」
そうして元気になったツヴァイと別れを告げ、帰路に着いた。
「結局ランニングコース見なかったじゃん...」
満足気に家に帰ってからやっと今日の本来の予定を思い出した。
久々に同世代の子供と純粋に遊べた幸せで、ランニングコースの件がすっかり頭から抜けていた。
「明日も行こ...」
と言うわけで次の日の自由時間、またアインスはランニングコースを模索していた。今日はツヴァイの所には寄らない。
「朝から肉屋の前を通るのは胃に優しくないなぁ」
「逆に花屋は清々しくて良いなぁ」
「ギルド系の建物は朝は人多いから離れた道にしよ」
そんな感じでスムーズにランニングコースを決めた。また、毎朝ランニングしている為、街の人とも顔見知りになってきていた。
帰り道に貰った串焼きを頬張りながら帰り、次の日からは心機一転して新しいコースを走った。
きっかけは、そろそろいつものランニングコースに飽きて別のコースを決めようと、午後の自由時間を使って街を散歩しているときの事だった。
「なんか面白いお店とか無いかなぁ」
(俺今更気づいたけどそう言う情報交換する友達いねぇじゃん!まぁ確かにメイドにでも聞けば良い店はわかるかもしれないけど...)
「どっちかって言うとあんまり人に知られてないけどめっちゃ美味しい喫茶店みたいなところが良いなぁ」
(まぁ俺まだまだ子供なんだけどね!)
そんなこんなで街をぶらぶら歩いていると、普段アインスが剣で訓練をしている時のような、金属同士がぶつかり合う音が聞こえた。
「何してるんだろ...ちょっと覗いてくか」
完全に興味本位で本来の目的も忘れて細い路地を抜けて、住宅群を抜けた所に川があり、その横には鍛冶屋があった。
「煙突あるしこの音からして鍛冶屋で確定だな...ちょっとだけ覗いてみよ」
前世でも鍛治が得意だという同級生は何人か見が実際に見た事はないその存在に強く心が惹かれていた。
「だから何度言ったら分かる⁉︎鉄が冷え切る前にしっかり打つんだよ!」
「はい!」
「もっと腰に力入れろ!」
「は、はい‼︎」
(俺と同い年ぐらいなのに頑張ってるなぁ)
アインスは同い年の子を見つけた喜びと、この歳で過酷な特訓をしている事に関心した。
「よしっ今日はこんなもんでいいだろ、顔洗って休憩してきな」
「hっ...はぁ、はい...」
どうやら今日の分の特訓は終わったらしい、アインスも自分が思わず見入っていた事に気づき、直ぐに立ち去ろうとしていたが、
「あれ?父さんお客さん来てるよ?」
(まずい見つかった⁉︎って別にやましい事して無いし大丈夫か)
「あぁ?今日は仕事は受け付けてねぇぞ?休日だからな」
勘違いされているようなので正直に話す。
「あぁいえ、すいません珍しくてつい覗いてしまいました...」
「なんだ珍しい客だと思ったらただの冷やかしかよ...そうだ!お前ここに来たのも何かの縁だ、こいつの友達になってくれないか?」
(結構ハッキリ言う人なんだな...まぁ俺も丁度友達欲しかったしいいか)
"うちの技術を盗み見やがって!"と、もっとでかい要求をされた訳では無いので素直に要求に乗る事にした。
「僕はアインスです、これからよろしくね」
「僕ツヴァイ」
「すまんなぁ鍛治しかない俺が男手ひとつで育てたからこいつ同い年との関わりが無いんだ...」
「あぁ...お隣さんも居ませんもんね」
(お隣さんが居ないのは俺も同じだな...)
その後は特訓の終わったツヴァイと川辺で遊んだ。
「また一緒に遊ぼう!」
「うーん遊べるとしたら土日かなぁ」
ツヴァイはちょっと人見知りだっただけらしく慣れると普通に遊べた。
遊ぶと言ってもゲーム機のない世界、流れの緩やかな川辺で水に触れる程度で終わった。
「じゃあまた来週の土日ね!」
そうして元気になったツヴァイと別れを告げ、帰路に着いた。
「結局ランニングコース見なかったじゃん...」
満足気に家に帰ってからやっと今日の本来の予定を思い出した。
久々に同世代の子供と純粋に遊べた幸せで、ランニングコースの件がすっかり頭から抜けていた。
「明日も行こ...」
と言うわけで次の日の自由時間、またアインスはランニングコースを模索していた。今日はツヴァイの所には寄らない。
「朝から肉屋の前を通るのは胃に優しくないなぁ」
「逆に花屋は清々しくて良いなぁ」
「ギルド系の建物は朝は人多いから離れた道にしよ」
そんな感じでスムーズにランニングコースを決めた。また、毎朝ランニングしている為、街の人とも顔見知りになってきていた。
帰り道に貰った串焼きを頬張りながら帰り、次の日からは心機一転して新しいコースを走った。
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