大昔の小説

シャイ

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保健室の先生と生徒の秘密

Act 1-4

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「……んっ、あ、…あれ…?」

暗闇から目が覚めると目の前にはあまり馴染みのない天井が広がった。白い天井に白い毛布。恐らくベッドの上だ。それを確認してやっと気づいた。俺はとうとうやらかしてしまった。ボールが衝突して倒れてしまったんだ、きっと。ぼやける頭を抱えベッドから降りようとすると静止の言葉がかかった。聞き覚えのある声にドキリとする。

「駄目だよ、橘君」

ベッドを仕切るカーテンが開かれ、ずっと会いたかった人がいた。でもどうして?もう、保健室には来ないでって言ったのは先生の方なのに。

「君ねー、高熱あるのにどうして動こうとするの?安静にしてなさい」

カーテン止まりだった千代先生が寄っ掛かってきて、俺はされるがままになった。

「でも…、俺……お、れは……」

ズキズキと急に痛みだす頭を抱えた。くそ、急になんなんだよ。ああ、風邪か…。
ふるふると頭の痛みを取り除こうと首を振る。しかし、それはまったく逆効果で…。振れば振るほど頭が刺激され、痛くなるわけだ。そんなことを考えている暇など俺にはなく…。

「橘君…、どうしてそんなに嫌がるのかな…?」

ぐっと身をのりだして、俺の髪を解く。頭は痛いし、体はだるいし逃げることなんてできるわけもなく…。

「い…、嫌がるも何も…先生…が…俺のこと…嫌なんじゃ…」
「…ち、やっぱり気にしてたか…」
「え、?」

先生の違和感にぶるりと背筋が震える。な…、何だろう…?

「これから俺のやること言うことに口出しするなよ。質問ならあとで聞く」

惚けた声を出すよりもくぐもった声が口から漏れる。

「んっ…うぅ…」

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