40 / 43
第一章
ぼくとくろさきのかんけい(8)
しおりを挟む
ユウキが部屋で何をしているのか、奴隷2人――というとユウキに拒否反応が出るので、女性2人と言い換えよう――は知らなかった。
唯一わかっているのは、鍛冶場で起きた例の現象、……いや、はっきり言えば『異常』だけだ。
加えて、マリーにだけわかっているのは、隣の部屋を渦巻く魔力の奔流。物理的な壁があると言っても、所詮安宿の壁なので、隣室との境を隔てる壁から漏れ出して来る魔力に気付いて戦慄を隠すだけで心中穏やかではない。
マリーだけにわかると言うのであればそれでもいいだろうが、魔力の動きを目で追える類の人物が見たら大騒ぎになる可能性すらある。
まぁ、こんな夜中に魔力の奔流が安宿の一室内で渦巻いているなど、誰も想像しないだろうから構わないと言えば構わないが、それでも絶対にないと断言できない時点で、気が気ではないというのがマリーの心中だ。
明日になったら、人前であの神器を使うのを――いや、正確にはあの神器で通信を行うのを、だが――ちゃんとやめるように言って聞かせるべきだろう。一度目の前で見せてもらった通信の様子を、マリー以外の人物が見ていたら。そしてその魔力の奔流に気付いてしまったら、きっと大変なことになるに違いない。
幸いにも、マリーとニーナは同じ意見で、そしてユウキはふたりに優しい主人なので、きっとちゃんと話せば聞いてくれるだろう。
ユウキは実験を繰り返していた。
ツールに異世界を反映し、そこにあるものを触れる。
ツールに元世界を反映し、そこにあるものを触れる。
この辺に関しては、元世界にいた時と挙動は同じだ。触れるし、ユウキが動けばツールの場所も動く。
わかっていたことだが再確認。
次にやるべきは、あの番組でやったのと同じ実験だ。
このために、小さな鉄屑を鍛冶場から多めに拾っておいた。
ツールに元世界を反映し、鉄屑をツールの上から落としてみる。
カツン、と音を立てて、足元に鉄屑が落ちた。
「……元世界から異世界には移動できたのになぁ」
できた、はずなのだ。現にカッターや鉛筆はあのタレントの視界から消えたのだから。
だとすれば、何か条件が異なるのだろうか。
「……そういえば、元世界で携帯試した時って」
僅かに思い出した違和感に気付く。
そういえば、通信部がツールに触れた時、携帯は圏外になっていた気がする。
だが、こっちの世界に持ってきてしまったスマホがちゃんと通信できているのは何故だろう。
何か理由があるのだ。
試しに、とツールにスマホを翳してみる。
「――あ」
少しの時間を空けて、スマホが電波を見失った。
元世界を映しているはずのツールの中で、携帯の電波が切れるとはどういうことだろうか。
まさか壊れたということはないだろうか、と携帯をツールから外してみれば、数秒送れて電波が戻る。
「……うーん?」
どうにもこうにもわからないことだらけだ。
ため息を吐きながら、ユウキはインターネットブラウザを開く。
何かヒントになりそうなものは、と考えると、あの番組くらいしか、思い付かなかった。
「――にお住まいの為我井 勇樹君、13歳中学生からのご依頼です」
最初の方が切れていたが、少しだけ覚えのある女性アナウンサーの言葉が流れ始めると、ユウキは少し音量を落とした。
「僕には、他の人に見えないとあるものが見えます」
ユウキが送った手紙の文章が読み上げられ、「これの謎を調べてもらえないでしょうか、お願いします」という締めまでを読み上げる途中、局長と呼ばれる大物俳優が「へぇー」「あらー不思議」などと相槌を打つ。
シーンはすぐに探偵役のお笑い芸人を映し、少しの笑いを誘った後、ユウキの記憶より少し古い町並みを映し出した。
「君がユウキ君か」
「あ、はいこんにちは」
あらかじめ少し打ち合わせをし、その収録は外で行われた。
テレビ用の受け答えを簡単に決められた上で、実際のツールの検証だけは一発取り――テレビ局の良心的に、たとえイカサマだろうとそれはちゃんとやろうということらしい――ということだったと覚えている。
そこで、簡単にツールについての説明をするが、その説明が少しわかりにくかったせいか、打ち合わせの中でその説明も少し修正された。リアリティを持たせるため、探偵抜きで。
その上で、玄関先でユウキと探偵の初対面、というのが探偵役の芸人との出会いだ。
「つまりこの辺やな?こんな感じで」
「もうちょっとこの辺……あ、はいその辺です」
細かく言えば多分少し違うんだろうけど、と思いながら答えつつ、ユウキはとりあえずそれでよしとすることにした。
テレビ的にも、あまり長引かせるのもアレだと思ったのもあるが。
「ほんで、ちょうどここに見える樹があるんやんな?」
「あ、今はないです。ただ、歩いてると樹だけじゃなくて色々見えるところがあって」
説明が長くなると思ったのだろうか、一度カットされ、少し場所を移すことになった。
「樹があるんやんな?」
再びカメラが回され、さっき聞いたのと同じテンションで探偵が尋ねた。
「だったらその樹の皮一枚剥いたらどうなるん?」
そう尋ねられ、探偵役はユウキの話を聞いてから、少し質問を用意していたんだろうと気付く。
その着眼点はユウキが考えたこともなかったところだが、……まぁ樹の皮を剥くくらいならいいか、とやってみることにした。これが樹を切り倒してみたら、とかであれば断ったかもしれないが。
少し堅くて苦労はしたが、樹の皮を剥がすことはできた。
それを取り出そうとしたら、ツールから出した瞬間に、まるで最初からなかったかのように、持っていたはずの手からそれは消えた。
探偵役はひどく残念がり、そのあといくつもの実験を繰り返し、最後にはその存在を信じてくれるように、「夢があるな」という言葉を残した。
最後に探偵役が「アレビビりまっせ!」と笑いを取っているところで動画を止めた。
あの時自分が何を思っていたのか、何を考えていたのか。
状況が朧気なものから、少しづつ現実に蘇るような感覚。
あの時、ユウキはあの樹の皮に、「あぁこれ、ツールから出すことは出来ないんだろうな」と考えていたはずだ。現実にそれがツールから出ずに消えたことも、「あぁやっぱり」としか考えていなかった。
でも、こっちに来てからはどうだろう。
あの時、ユウキはこの世界を認識していだろうか。
非現実的な、画面の中の出来事だと思ってはいなかったか。
ツールに指を入れても、それが本当にツールの向こうに行ったと認識していたわけではない。
ツールの中を今は前の世界だと認識している。
……だから前の世界からの電波が来る。黒崎とも繋がり、携帯会社に電話も繋がる。
世界はユウキが認識しているものに限るのではないだろうか。
世界認識すれば、ユウキがいる位置に限り、ツールの範囲だけそこは認識した世界となる?
いやいやいや、何そのご都合主義な理論。
自らの考えを否定し、ユウキは苦笑した。
それでも、今電波が途絶えたのは確かだ。
スマホではなく、指をツールに触れながらスマホを見る。
――圏外。
「……あれ?」
つまり、スマホがツールに入った時に圏外という仮説は間違いで、指……いや、ユウキ自身がツールに触れると電波が途絶えるということになるのか。
どういう理屈だろう。
それさえわかれば、あっちとこっちでやり取りできたりしないだろうか。
ニーナやマリーの体毛を向こうに送ったり、……体毛って言うとちょっとアレだけど。
向こうにいる人をこっちにって言うのは、ちょっと無理ゲーな気がするけど。
どう考えても普通は無理だろうけど。
唯一わかっているのは、鍛冶場で起きた例の現象、……いや、はっきり言えば『異常』だけだ。
加えて、マリーにだけわかっているのは、隣の部屋を渦巻く魔力の奔流。物理的な壁があると言っても、所詮安宿の壁なので、隣室との境を隔てる壁から漏れ出して来る魔力に気付いて戦慄を隠すだけで心中穏やかではない。
マリーだけにわかると言うのであればそれでもいいだろうが、魔力の動きを目で追える類の人物が見たら大騒ぎになる可能性すらある。
まぁ、こんな夜中に魔力の奔流が安宿の一室内で渦巻いているなど、誰も想像しないだろうから構わないと言えば構わないが、それでも絶対にないと断言できない時点で、気が気ではないというのがマリーの心中だ。
明日になったら、人前であの神器を使うのを――いや、正確にはあの神器で通信を行うのを、だが――ちゃんとやめるように言って聞かせるべきだろう。一度目の前で見せてもらった通信の様子を、マリー以外の人物が見ていたら。そしてその魔力の奔流に気付いてしまったら、きっと大変なことになるに違いない。
幸いにも、マリーとニーナは同じ意見で、そしてユウキはふたりに優しい主人なので、きっとちゃんと話せば聞いてくれるだろう。
ユウキは実験を繰り返していた。
ツールに異世界を反映し、そこにあるものを触れる。
ツールに元世界を反映し、そこにあるものを触れる。
この辺に関しては、元世界にいた時と挙動は同じだ。触れるし、ユウキが動けばツールの場所も動く。
わかっていたことだが再確認。
次にやるべきは、あの番組でやったのと同じ実験だ。
このために、小さな鉄屑を鍛冶場から多めに拾っておいた。
ツールに元世界を反映し、鉄屑をツールの上から落としてみる。
カツン、と音を立てて、足元に鉄屑が落ちた。
「……元世界から異世界には移動できたのになぁ」
できた、はずなのだ。現にカッターや鉛筆はあのタレントの視界から消えたのだから。
だとすれば、何か条件が異なるのだろうか。
「……そういえば、元世界で携帯試した時って」
僅かに思い出した違和感に気付く。
そういえば、通信部がツールに触れた時、携帯は圏外になっていた気がする。
だが、こっちの世界に持ってきてしまったスマホがちゃんと通信できているのは何故だろう。
何か理由があるのだ。
試しに、とツールにスマホを翳してみる。
「――あ」
少しの時間を空けて、スマホが電波を見失った。
元世界を映しているはずのツールの中で、携帯の電波が切れるとはどういうことだろうか。
まさか壊れたということはないだろうか、と携帯をツールから外してみれば、数秒送れて電波が戻る。
「……うーん?」
どうにもこうにもわからないことだらけだ。
ため息を吐きながら、ユウキはインターネットブラウザを開く。
何かヒントになりそうなものは、と考えると、あの番組くらいしか、思い付かなかった。
「――にお住まいの為我井 勇樹君、13歳中学生からのご依頼です」
最初の方が切れていたが、少しだけ覚えのある女性アナウンサーの言葉が流れ始めると、ユウキは少し音量を落とした。
「僕には、他の人に見えないとあるものが見えます」
ユウキが送った手紙の文章が読み上げられ、「これの謎を調べてもらえないでしょうか、お願いします」という締めまでを読み上げる途中、局長と呼ばれる大物俳優が「へぇー」「あらー不思議」などと相槌を打つ。
シーンはすぐに探偵役のお笑い芸人を映し、少しの笑いを誘った後、ユウキの記憶より少し古い町並みを映し出した。
「君がユウキ君か」
「あ、はいこんにちは」
あらかじめ少し打ち合わせをし、その収録は外で行われた。
テレビ用の受け答えを簡単に決められた上で、実際のツールの検証だけは一発取り――テレビ局の良心的に、たとえイカサマだろうとそれはちゃんとやろうということらしい――ということだったと覚えている。
そこで、簡単にツールについての説明をするが、その説明が少しわかりにくかったせいか、打ち合わせの中でその説明も少し修正された。リアリティを持たせるため、探偵抜きで。
その上で、玄関先でユウキと探偵の初対面、というのが探偵役の芸人との出会いだ。
「つまりこの辺やな?こんな感じで」
「もうちょっとこの辺……あ、はいその辺です」
細かく言えば多分少し違うんだろうけど、と思いながら答えつつ、ユウキはとりあえずそれでよしとすることにした。
テレビ的にも、あまり長引かせるのもアレだと思ったのもあるが。
「ほんで、ちょうどここに見える樹があるんやんな?」
「あ、今はないです。ただ、歩いてると樹だけじゃなくて色々見えるところがあって」
説明が長くなると思ったのだろうか、一度カットされ、少し場所を移すことになった。
「樹があるんやんな?」
再びカメラが回され、さっき聞いたのと同じテンションで探偵が尋ねた。
「だったらその樹の皮一枚剥いたらどうなるん?」
そう尋ねられ、探偵役はユウキの話を聞いてから、少し質問を用意していたんだろうと気付く。
その着眼点はユウキが考えたこともなかったところだが、……まぁ樹の皮を剥くくらいならいいか、とやってみることにした。これが樹を切り倒してみたら、とかであれば断ったかもしれないが。
少し堅くて苦労はしたが、樹の皮を剥がすことはできた。
それを取り出そうとしたら、ツールから出した瞬間に、まるで最初からなかったかのように、持っていたはずの手からそれは消えた。
探偵役はひどく残念がり、そのあといくつもの実験を繰り返し、最後にはその存在を信じてくれるように、「夢があるな」という言葉を残した。
最後に探偵役が「アレビビりまっせ!」と笑いを取っているところで動画を止めた。
あの時自分が何を思っていたのか、何を考えていたのか。
状況が朧気なものから、少しづつ現実に蘇るような感覚。
あの時、ユウキはあの樹の皮に、「あぁこれ、ツールから出すことは出来ないんだろうな」と考えていたはずだ。現実にそれがツールから出ずに消えたことも、「あぁやっぱり」としか考えていなかった。
でも、こっちに来てからはどうだろう。
あの時、ユウキはこの世界を認識していだろうか。
非現実的な、画面の中の出来事だと思ってはいなかったか。
ツールに指を入れても、それが本当にツールの向こうに行ったと認識していたわけではない。
ツールの中を今は前の世界だと認識している。
……だから前の世界からの電波が来る。黒崎とも繋がり、携帯会社に電話も繋がる。
世界はユウキが認識しているものに限るのではないだろうか。
世界認識すれば、ユウキがいる位置に限り、ツールの範囲だけそこは認識した世界となる?
いやいやいや、何そのご都合主義な理論。
自らの考えを否定し、ユウキは苦笑した。
それでも、今電波が途絶えたのは確かだ。
スマホではなく、指をツールに触れながらスマホを見る。
――圏外。
「……あれ?」
つまり、スマホがツールに入った時に圏外という仮説は間違いで、指……いや、ユウキ自身がツールに触れると電波が途絶えるということになるのか。
どういう理屈だろう。
それさえわかれば、あっちとこっちでやり取りできたりしないだろうか。
ニーナやマリーの体毛を向こうに送ったり、……体毛って言うとちょっとアレだけど。
向こうにいる人をこっちにって言うのは、ちょっと無理ゲーな気がするけど。
どう考えても普通は無理だろうけど。
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
平凡な王太子、チート令嬢を妻に迎えて乱世も楽勝です
モモ
ファンタジー
小国リューベック王国の王太子アルベルトの元に隣国にある大国ロアーヌ帝国のピルイン公令嬢アリシアとの縁談話が入る。拒めず、婚姻と言う事になったのであるが、会ってみると彼女はとても聡明であり、絶世の美女でもあった。アルベルトは彼女の力を借りつつ改革を行い、徐々にリューベックは力をつけていく。一方アリシアも女のくせにと言わず自分の提案を拒絶しないアルベルトに少しずつひかれていく。
小説家になろう様で先行公開中
https://ncode.syosetu.com/n0441ky/
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる