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紅雷の昇格3
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月に一度の本部でのミーティング。毎月月末に組織一同が集い、売上、ノルマの発表、諸連絡が行われる。一同、と言っても幹部はボスと現場の2人しか出てこない。
都心にある雑居ビルに見える、年季の入ったビルが本部である。地上8階、地下2階の全10階、すべて組織のものである。
紅雷と雪音もミーティングのために本部に出向いた。地上4階にあるミーティングルームに入る。定刻10分前ということもあり、結構な人数が集っていた。
一般的な大型会議室同様、前方にスクリーンや司会席があり、スクリーンに向かっていくつもの長テーブルとパイプ椅子が配置されている。役付きである紅雷と雪音は前方に指定席があり、いつものようにそこに座った。
「よう、おつかれ。」
紅雷たちが座った前の席に座っていた男が振り返り、二人に声をかけてきた。
「お疲れ様です、虎。」
雪音が返す。紅雷は無反応である。
「・・・ユキ、また見ないうちに美人になったな。」
「1ヶ月で人間はそんなに変わりませんよ。」
会うたびに行われるやり取りである。虎は現場に出ている最古参で最年長でもある。紅雷と雪音を実の子供のように可愛がっており、他の後輩たちからも慕われている。仕事以外では穏やかな、頼れる人物である。紅雷と雪音にとっても信頼できる数少ない人間である。
「そういえば怪我は治ったのか?半月前、負傷報告書出してたろ。」
「一応出しただけで、軽傷ですよ。もう治ってます。ご心配おかけしました。」
「いくら軽傷でも1日で復帰するのはどうかと思う。」
隣で黙っていた紅雷が会話に参加する。紅雷としては、虎に同調して欲しくて発言したが、
「さすが、新進気鋭の雪音様は違うな。」
紅雷の願いは届かず、虎は豪快に笑っている。
「始まりますよ。」
部屋全体が暗くなり、演台だけにスポットが当たり、この組織の長、ボスが現れた。
都心にある雑居ビルに見える、年季の入ったビルが本部である。地上8階、地下2階の全10階、すべて組織のものである。
紅雷と雪音もミーティングのために本部に出向いた。地上4階にあるミーティングルームに入る。定刻10分前ということもあり、結構な人数が集っていた。
一般的な大型会議室同様、前方にスクリーンや司会席があり、スクリーンに向かっていくつもの長テーブルとパイプ椅子が配置されている。役付きである紅雷と雪音は前方に指定席があり、いつものようにそこに座った。
「よう、おつかれ。」
紅雷たちが座った前の席に座っていた男が振り返り、二人に声をかけてきた。
「お疲れ様です、虎。」
雪音が返す。紅雷は無反応である。
「・・・ユキ、また見ないうちに美人になったな。」
「1ヶ月で人間はそんなに変わりませんよ。」
会うたびに行われるやり取りである。虎は現場に出ている最古参で最年長でもある。紅雷と雪音を実の子供のように可愛がっており、他の後輩たちからも慕われている。仕事以外では穏やかな、頼れる人物である。紅雷と雪音にとっても信頼できる数少ない人間である。
「そういえば怪我は治ったのか?半月前、負傷報告書出してたろ。」
「一応出しただけで、軽傷ですよ。もう治ってます。ご心配おかけしました。」
「いくら軽傷でも1日で復帰するのはどうかと思う。」
隣で黙っていた紅雷が会話に参加する。紅雷としては、虎に同調して欲しくて発言したが、
「さすが、新進気鋭の雪音様は違うな。」
紅雷の願いは届かず、虎は豪快に笑っている。
「始まりますよ。」
部屋全体が暗くなり、演台だけにスポットが当たり、この組織の長、ボスが現れた。
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