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蒼海の凶鳥
首都解放
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空港上空は、思ったよりも静かだった。
「……来るぞ」
フーシェンの声が落ちるのとほぼ同時に、
レーダーに複数の反応が浮かび上がった。
「MiG-29C、六機。スクランブル上がりだな」
スナイパーが淡々と告げる。
「数だけは揃えてきたわね」
ブリュンヒルデが鼻で笑う。
「クラウ隊、迎撃。リカは高度維持、全体を見る」
「了解」
リカは操縦桿を引き、YF-23を一段上に置いた。
自分が動く必要はない。
この空は、もう彼らのものだ。
MiG-29Cは旧式ではない。
だが、状況が悪すぎた。
空港周辺の防空網はすでに叩かれ、地上レーダーは沈黙
統制は崩れている。
「右二機、私が行く」
フーシェンが前に出た。
「左四機、もらった」
スナイパーが続く。
次の瞬間、空は再び戦場になった。
ミサイルの航跡が交差し、
MiGの一機が火を噴いて落ちる。
「一機撃墜」
フーシェン。
スナイパーは言葉すら発さない。
代わりに、レーダーから敵影が一つ消える。
「……三機目、落ちた」
残るMiGたちは、すでに混乱していた。
「隊長、こいつら……引いてます」
ブリュンヒルデ。
「追うな。空港を潰す」
フーシェンの判断は早かった。
MiG-29C、六機中六機撃破。
空港上空から、敵戦闘機の気配は消えた。
「防空能力、喪失」
オウルアイが確認する。
『空港施設への攻撃を許可する』
クラウ隊は高度を下げた。
滑走路。
燃料タンク。
格納庫。
一つ一つ、確実に破壊されていく。
「滑走路、使用不能」
「管制塔、沈黙」
空港は、完全に機能を失った。
そのまま進路を取り、次の目標へ。
議事堂。
司令部施設。
象徴を叩く作戦だ。
「……抵抗、ほとんどないな」
スウィンダラーが呟く。
「もう終わってるのよ」
ブリュンヒルデ。
JDAMが落ち、
建物の一角が崩れる。
無線に、敵側の混乱が混じり始めた。
『隕石付きの飛行機を見たというのは本当か?!』
『隕石付きの戦闘機は、発見次第最優先で撃ち落とせ!』
『くそ……隕石付きの飛行機だ。あいつは死神だ』
リカは、少しだけ眉をひそめた。
(……私、何もしてないんだけど)
それでも、名前だけが独り歩きしていく。
敵部隊は、急速に崩れていった。
抵抗は散発的になり、
部隊単位で投降が始まる。
のちに判明することになる。
この戦いで捕虜となった敵兵は、十数万人に及んだ。
「おいおい……」
スウィンダラーが苦笑する。
「俺たち、化け物扱いかよ」
「でしょうよ」
ブリュンヒルデが肩をすくめる。
「リカなしでも、私たち結構やってるし」
「それにリカが追加と……」
スナイパーが言う。
「一国くらい、潰せそうだな」
「……実際、潰しかけてるし」
「確かに」
誰かが小さく笑った。
残党はまだ存在する。
だが、もはや脅威ではない。
ポーラリアは――解放された。
街のあちこちで、鐘の音が鳴り響く。
教会の鐘だ。
地上を見下ろすと、
瓦礫の隙間から、市民たちがこちらを見上げている。
手を振っている。
「……見える?」
ブリュンヒルデ。
「見える」
リカ。
クラウ隊は、示し合わせたわけでもなく、
バンクから急降下し、
そのまま急上昇。
まるで曲芸飛行隊のような動きだった。
地上から、歓声が上がる。
(……守れた)
そのときまで、リカはそう思っていた。
「ミッション完了。RTB、かな?」
スウィンダラーが軽く言った、その瞬間。
空気が――変わった。
リカは、誰よりも早く気づいた。
「……方位315。北西より」
静かに、しかし確実に。
「高速で接近中の機影、五機」
一瞬の沈黙。
「「……レギンレイヴ、か」」
全員の声が、重なった。
「あいも変わらず、遅参ばっかりだな。あちらさんは」
スウィンダラー。
「やるっきゃないっしょ」
ブリュンヒルデが言った、その直後だった。
五機のうち一機だけが、こちらへ向かってくる。
残る四機は、反転した。
「……なんだ?」
フーシェン。
「分離した?」
そのとき、オープンチャンネルに、声が乗った。
低く、はっきりとした声。
『貴様らの相手は、私だ』
一機が、まっすぐこちらに向かってくる。
『さあ、隕石よ』
わずかな間。
『決着を、つけよう』
リカは、操縦桿を握り直した。
(……来た)
ポーラリアの空に、
新しい戦いの影が落ちた。
「……来るぞ」
フーシェンの声が落ちるのとほぼ同時に、
レーダーに複数の反応が浮かび上がった。
「MiG-29C、六機。スクランブル上がりだな」
スナイパーが淡々と告げる。
「数だけは揃えてきたわね」
ブリュンヒルデが鼻で笑う。
「クラウ隊、迎撃。リカは高度維持、全体を見る」
「了解」
リカは操縦桿を引き、YF-23を一段上に置いた。
自分が動く必要はない。
この空は、もう彼らのものだ。
MiG-29Cは旧式ではない。
だが、状況が悪すぎた。
空港周辺の防空網はすでに叩かれ、地上レーダーは沈黙
統制は崩れている。
「右二機、私が行く」
フーシェンが前に出た。
「左四機、もらった」
スナイパーが続く。
次の瞬間、空は再び戦場になった。
ミサイルの航跡が交差し、
MiGの一機が火を噴いて落ちる。
「一機撃墜」
フーシェン。
スナイパーは言葉すら発さない。
代わりに、レーダーから敵影が一つ消える。
「……三機目、落ちた」
残るMiGたちは、すでに混乱していた。
「隊長、こいつら……引いてます」
ブリュンヒルデ。
「追うな。空港を潰す」
フーシェンの判断は早かった。
MiG-29C、六機中六機撃破。
空港上空から、敵戦闘機の気配は消えた。
「防空能力、喪失」
オウルアイが確認する。
『空港施設への攻撃を許可する』
クラウ隊は高度を下げた。
滑走路。
燃料タンク。
格納庫。
一つ一つ、確実に破壊されていく。
「滑走路、使用不能」
「管制塔、沈黙」
空港は、完全に機能を失った。
そのまま進路を取り、次の目標へ。
議事堂。
司令部施設。
象徴を叩く作戦だ。
「……抵抗、ほとんどないな」
スウィンダラーが呟く。
「もう終わってるのよ」
ブリュンヒルデ。
JDAMが落ち、
建物の一角が崩れる。
無線に、敵側の混乱が混じり始めた。
『隕石付きの飛行機を見たというのは本当か?!』
『隕石付きの戦闘機は、発見次第最優先で撃ち落とせ!』
『くそ……隕石付きの飛行機だ。あいつは死神だ』
リカは、少しだけ眉をひそめた。
(……私、何もしてないんだけど)
それでも、名前だけが独り歩きしていく。
敵部隊は、急速に崩れていった。
抵抗は散発的になり、
部隊単位で投降が始まる。
のちに判明することになる。
この戦いで捕虜となった敵兵は、十数万人に及んだ。
「おいおい……」
スウィンダラーが苦笑する。
「俺たち、化け物扱いかよ」
「でしょうよ」
ブリュンヒルデが肩をすくめる。
「リカなしでも、私たち結構やってるし」
「それにリカが追加と……」
スナイパーが言う。
「一国くらい、潰せそうだな」
「……実際、潰しかけてるし」
「確かに」
誰かが小さく笑った。
残党はまだ存在する。
だが、もはや脅威ではない。
ポーラリアは――解放された。
街のあちこちで、鐘の音が鳴り響く。
教会の鐘だ。
地上を見下ろすと、
瓦礫の隙間から、市民たちがこちらを見上げている。
手を振っている。
「……見える?」
ブリュンヒルデ。
「見える」
リカ。
クラウ隊は、示し合わせたわけでもなく、
バンクから急降下し、
そのまま急上昇。
まるで曲芸飛行隊のような動きだった。
地上から、歓声が上がる。
(……守れた)
そのときまで、リカはそう思っていた。
「ミッション完了。RTB、かな?」
スウィンダラーが軽く言った、その瞬間。
空気が――変わった。
リカは、誰よりも早く気づいた。
「……方位315。北西より」
静かに、しかし確実に。
「高速で接近中の機影、五機」
一瞬の沈黙。
「「……レギンレイヴ、か」」
全員の声が、重なった。
「あいも変わらず、遅参ばっかりだな。あちらさんは」
スウィンダラー。
「やるっきゃないっしょ」
ブリュンヒルデが言った、その直後だった。
五機のうち一機だけが、こちらへ向かってくる。
残る四機は、反転した。
「……なんだ?」
フーシェン。
「分離した?」
そのとき、オープンチャンネルに、声が乗った。
低く、はっきりとした声。
『貴様らの相手は、私だ』
一機が、まっすぐこちらに向かってくる。
『さあ、隕石よ』
わずかな間。
『決着を、つけよう』
リカは、操縦桿を握り直した。
(……来た)
ポーラリアの空に、
新しい戦いの影が落ちた。
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