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来たるべき敵
一航戦の誇り
1944年3月22日、午前8時30分。
小柳冨次少将率いる第二艦隊の追撃に
ハルゼー機動艦隊が煙幕を展開し離脱を図る中
日本の艦隊後方に位置していた空母機動部隊は、ついにその牙を剥いた。
旗艦「長門」の号令を受けた五航戦「瑞鶴」と
奇跡の復帰を遂げた一航戦「赤城」の飛行甲板では
艦載機の発艦準備が急ピッチで進められていた。
「赤城」の飛行甲板には、ずらりと並んだ艦載機が
出撃の時を待っていた。零戦五二型18機、天山16機、そして彗星一二型24機。
パイロットたちの顔には、帝都の惨状を聞いた怒りと、必ずこの戦いに勝つという強い決意が満ちていた。
「皆、聞け!この空の向こうに、帝都を焼いた敵がいる
我らの使命は、奴らをこの海に沈めることだ!
命惜しまず 敵艦隊を海中に没せしめよ!」
発艦指揮官の号令が、飛行甲板に響き渡る。
パイロットたちは、敬礼と共に各々の機体へと乗り込んでいく。
ミッドウェー海戦の傷跡を乗り越え
再び戦場に戻ってきた「赤城」の姿は、将兵の士気を大きく高めていた。
一方、僚艦の「瑞鶴」からも、同様に発艦準備が進められていた。
零戦五二型16機、天山8機、彗星一二型甲28機。
そして、軽空母の千歳、千代田、瑞鳳、祥鳳からも
合わせて零戦五二型28機、爆装零戦38機が発艦準備を整えていた。
日本の今出せる総力を結集したこの航空隊は
ハルゼー艦隊への最後の攻撃を仕掛けるべく、準備を整えていたのだ。
午前9時 第一次攻撃隊発艦
日本の艦載機隊は、次々と空母から発艦し
ハルゼー艦隊へと向かっていった。
彼らの目標は、帝都空襲の元凶である米空母部隊だ。
「赤城」航空隊は、米空母「エンタープライズII」に狙いを定めた。
零戦五二型がヘルキャットと激しい空戦を繰り広げる中
天山と彗星は、対空砲火の嵐の中を突き進んでいく。
「エンタープライズ」の艦橋では
日本の攻撃機が迫ってくるのを見て、艦長が絶叫する。
「対空砲火、撃ち方始め!全弾、叩き込め!」
艦橋前後部に備えられた5インチ両用砲
艦の両舷スポンソンのボフォース40㎜、エリコン20㎜が
曳光弾で空中に線を描きながら火を吹く
その火線に捉えられた日本機は一機、また一機と
はらりはらりと木の葉が舞うように堕ちていく
しかし、「赤城」航空隊の攻撃は熾烈だった。
彼らは、敵の対空砲火をものともせず、次々と爆弾と魚雷を投下していく。
二十五番爆弾3発、五十番爆弾2発が飛行甲板に命中し、巨大な火柱を上げる。
さらに、天山が放った魚雷4本が艦腹に直撃。
ドォォォン!
「エンタープライズ」は、その巨体を大きく揺らし、炎と煙に包まれていく。
機関部に浸水が始まり、艦の航行は不可能となった。
ハルゼー提督は、沈みゆく旗艦から脱出を余儀なくされる。
帝都空襲を成功させた米機動艦隊の旗艦は
日本の決死の攻撃によって、この海にその命を終えた。
しかし、その代償も大きかった。
一航戦「赤城」航空隊は、この攻撃で約半数が未帰還となり、壊滅的な被害を負う。
「エンタープライズ」への攻撃が続く中
「赤城」自身も米軍の残存艦載機による集中攻撃を受けていた。
日本の艦隊から発艦した艦載機は、ほとんどが敵空母への攻撃に向かっており
「赤城」の周囲には護衛の戦闘機が少なかった。
米軍のTBFアヴェンジャー雷撃機が、低空で「赤城」に迫る。
「赤城」の対空砲手たちは、血の滲むような思いで砲弾を装填し、必死に撃ち返した。
「左舷に敵機!撃て!撃ちまくれ!」
しかし、敵機の数は多く、その攻撃は正確だった。
2本の魚雷が、無防備な「赤城」の艦腹に命中する。
ドォォン!
衝撃で「赤城」は大きく傾き、格納庫に積まれた弾薬が誘爆。
火炎が格納庫内を包み込み、飛行甲板は炎に包まれる。
さらに、SB2Cヘルダイヴァー爆撃機が投下した1000lb爆弾2発が命中。
艦は炎上し、発着艦は不可能となった。
「火災発生!格納庫が誘爆!機関部にも火が回っています!」
艦橋にいる艦長は、静かに命令を下した。
「総員、退艦…」
奇跡の復帰を遂げた空母「赤城」は、その復帰後最初の出撃で
その短い命を終えることになった。炎上する艦体は
まるで最後の咆哮を上げるかのように、黒煙を天高く噴き上げていた。
「赤城」が沈んでいく中、「瑞鶴」航空隊と軽空母戦隊航空隊は
米空母「ヨークタウンII」と「エセックス」**への攻撃を続けていた。
「ヨークタウンII」は、松島航空隊の攻撃で被弾した損傷を応急修理していたが
「瑞鶴」航空隊の猛攻は、その修理を無に帰した。
五十番爆弾2発が命中し、再び飛行甲板に大穴が空く。
これで「ヨークタウンII」は、二度と艦載機を発着艦させることはできなくなった。
しかし、米軍の第二次攻撃隊は「赤城」を失った日本の機動艦隊の中で
最も巨大な空母「瑞鶴」を目標に定めていた。
「瑞鶴」には、敵機の集中攻撃が襲いかかる。
次々と放たれる魚雷と爆弾。「瑞鶴」の艦長は、冷静に回避行動を続ける。
「取舵いっぱい!回避!」
至近弾の水柱が、次々と艦の周りに立ち上がる。
その水柱が巨大な壁となり、一時的に「瑞鶴」の艦影が見えなくなるほどだった。
誰もが、もう終わったかと思ったその瞬間、水柱を突き破って
「瑞鶴」は白波を立てながら回避行動を続ける。
その姿は、まるで不死鳥のようだった。
しかし、その幸運も遂に尽きた。1発の1000lb爆弾が
後部飛行甲板に命中。大穴が空き、発着艦は不可能となる。
これで「瑞鶴」もまた、戦線から離脱せざるを得なくなった。
日本の空母機動部隊は、この熾烈な空母戦で、「赤城」を失い
「瑞鶴」撃破という甚大な被害を負った。
しかし、彼らは米軍の旗艦「エンタープライズ」を撃沈し
「ヨークタウン」を戦闘不能に追い込むという、大きな戦果を挙げた。
小柳冨次少将率いる第二艦隊の追撃に
ハルゼー機動艦隊が煙幕を展開し離脱を図る中
日本の艦隊後方に位置していた空母機動部隊は、ついにその牙を剥いた。
旗艦「長門」の号令を受けた五航戦「瑞鶴」と
奇跡の復帰を遂げた一航戦「赤城」の飛行甲板では
艦載機の発艦準備が急ピッチで進められていた。
「赤城」の飛行甲板には、ずらりと並んだ艦載機が
出撃の時を待っていた。零戦五二型18機、天山16機、そして彗星一二型24機。
パイロットたちの顔には、帝都の惨状を聞いた怒りと、必ずこの戦いに勝つという強い決意が満ちていた。
「皆、聞け!この空の向こうに、帝都を焼いた敵がいる
我らの使命は、奴らをこの海に沈めることだ!
命惜しまず 敵艦隊を海中に没せしめよ!」
発艦指揮官の号令が、飛行甲板に響き渡る。
パイロットたちは、敬礼と共に各々の機体へと乗り込んでいく。
ミッドウェー海戦の傷跡を乗り越え
再び戦場に戻ってきた「赤城」の姿は、将兵の士気を大きく高めていた。
一方、僚艦の「瑞鶴」からも、同様に発艦準備が進められていた。
零戦五二型16機、天山8機、彗星一二型甲28機。
そして、軽空母の千歳、千代田、瑞鳳、祥鳳からも
合わせて零戦五二型28機、爆装零戦38機が発艦準備を整えていた。
日本の今出せる総力を結集したこの航空隊は
ハルゼー艦隊への最後の攻撃を仕掛けるべく、準備を整えていたのだ。
午前9時 第一次攻撃隊発艦
日本の艦載機隊は、次々と空母から発艦し
ハルゼー艦隊へと向かっていった。
彼らの目標は、帝都空襲の元凶である米空母部隊だ。
「赤城」航空隊は、米空母「エンタープライズII」に狙いを定めた。
零戦五二型がヘルキャットと激しい空戦を繰り広げる中
天山と彗星は、対空砲火の嵐の中を突き進んでいく。
「エンタープライズ」の艦橋では
日本の攻撃機が迫ってくるのを見て、艦長が絶叫する。
「対空砲火、撃ち方始め!全弾、叩き込め!」
艦橋前後部に備えられた5インチ両用砲
艦の両舷スポンソンのボフォース40㎜、エリコン20㎜が
曳光弾で空中に線を描きながら火を吹く
その火線に捉えられた日本機は一機、また一機と
はらりはらりと木の葉が舞うように堕ちていく
しかし、「赤城」航空隊の攻撃は熾烈だった。
彼らは、敵の対空砲火をものともせず、次々と爆弾と魚雷を投下していく。
二十五番爆弾3発、五十番爆弾2発が飛行甲板に命中し、巨大な火柱を上げる。
さらに、天山が放った魚雷4本が艦腹に直撃。
ドォォォン!
「エンタープライズ」は、その巨体を大きく揺らし、炎と煙に包まれていく。
機関部に浸水が始まり、艦の航行は不可能となった。
ハルゼー提督は、沈みゆく旗艦から脱出を余儀なくされる。
帝都空襲を成功させた米機動艦隊の旗艦は
日本の決死の攻撃によって、この海にその命を終えた。
しかし、その代償も大きかった。
一航戦「赤城」航空隊は、この攻撃で約半数が未帰還となり、壊滅的な被害を負う。
「エンタープライズ」への攻撃が続く中
「赤城」自身も米軍の残存艦載機による集中攻撃を受けていた。
日本の艦隊から発艦した艦載機は、ほとんどが敵空母への攻撃に向かっており
「赤城」の周囲には護衛の戦闘機が少なかった。
米軍のTBFアヴェンジャー雷撃機が、低空で「赤城」に迫る。
「赤城」の対空砲手たちは、血の滲むような思いで砲弾を装填し、必死に撃ち返した。
「左舷に敵機!撃て!撃ちまくれ!」
しかし、敵機の数は多く、その攻撃は正確だった。
2本の魚雷が、無防備な「赤城」の艦腹に命中する。
ドォォン!
衝撃で「赤城」は大きく傾き、格納庫に積まれた弾薬が誘爆。
火炎が格納庫内を包み込み、飛行甲板は炎に包まれる。
さらに、SB2Cヘルダイヴァー爆撃機が投下した1000lb爆弾2発が命中。
艦は炎上し、発着艦は不可能となった。
「火災発生!格納庫が誘爆!機関部にも火が回っています!」
艦橋にいる艦長は、静かに命令を下した。
「総員、退艦…」
奇跡の復帰を遂げた空母「赤城」は、その復帰後最初の出撃で
その短い命を終えることになった。炎上する艦体は
まるで最後の咆哮を上げるかのように、黒煙を天高く噴き上げていた。
「赤城」が沈んでいく中、「瑞鶴」航空隊と軽空母戦隊航空隊は
米空母「ヨークタウンII」と「エセックス」**への攻撃を続けていた。
「ヨークタウンII」は、松島航空隊の攻撃で被弾した損傷を応急修理していたが
「瑞鶴」航空隊の猛攻は、その修理を無に帰した。
五十番爆弾2発が命中し、再び飛行甲板に大穴が空く。
これで「ヨークタウンII」は、二度と艦載機を発着艦させることはできなくなった。
しかし、米軍の第二次攻撃隊は「赤城」を失った日本の機動艦隊の中で
最も巨大な空母「瑞鶴」を目標に定めていた。
「瑞鶴」には、敵機の集中攻撃が襲いかかる。
次々と放たれる魚雷と爆弾。「瑞鶴」の艦長は、冷静に回避行動を続ける。
「取舵いっぱい!回避!」
至近弾の水柱が、次々と艦の周りに立ち上がる。
その水柱が巨大な壁となり、一時的に「瑞鶴」の艦影が見えなくなるほどだった。
誰もが、もう終わったかと思ったその瞬間、水柱を突き破って
「瑞鶴」は白波を立てながら回避行動を続ける。
その姿は、まるで不死鳥のようだった。
しかし、その幸運も遂に尽きた。1発の1000lb爆弾が
後部飛行甲板に命中。大穴が空き、発着艦は不可能となる。
これで「瑞鶴」もまた、戦線から離脱せざるを得なくなった。
日本の空母機動部隊は、この熾烈な空母戦で、「赤城」を失い
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