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第二章 里帰り
第五話 ポポ
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アンチェンの町は、上空から見ていた通り直ぐ近くにあり、ディコの家も町に入ってさほど遠くない場所に建っていた。
「ポポ?」
出されたお茶をすすりながら、フラムが首を傾げる。
テーブルには、家で心配そうに待っていたディコの父親も同席している。
「ええ、あそこに住んでいるフリゴメは、元々はディコのペットだったんです」
「あのバカでかいフリゴメが?」
それには父親が首を振る。
「いえ、元々はあんなに大きくなかったんです」
椅子に座っているディコが、寂しそうに片隅に置かれているさほど大きくない空の水槽を見詰めている。
「なるほど、私のフラントと同じ変異種って事か」
「はい、ディコが川で拾って来たんですが、その時はあの水槽より遥かに小さくて。私達もフリゴメは知っていますし、それほど大きくならないだろうと高を括るっていたんですが、直ぐに水槽が追いつかない程に大きくなり、止む無く私が大滝の上から流してしまったんです」
「私に黙って……」
ディコは涙ぐむ。
「あれ以上大きくなったら家ではとても飼えないんだ。ゴメンよ」
「ディコ、お父さんの気持ちも分かってあげて」
「そのまま海まで流れていけばと思ったんですが……」
「滝壺に居ついてあんなに大きくなったって訳ね」
「はい……」
「なるほどね」
フラムは腕を組み、目を瞑って考え込む。
「いいわ。私が何とかしましょう」
ディコと両親は不思議そうな顔をフラムに向ける。
「どうして関係もないあなたが?」
「それが大ありでヤンス」
「魔獣が喋った!?」
ディコの両親が声を揃えて驚く。
「またこの件ね」
フラムは溜息を洩らす。パルの短い説明をして、直ぐに本題に戻る。
「元々私はそのポポの髭を求めてここに来たんです」
「髭を?」
「ええ、仕事の依頼で必要なようなので」
「そうですか」
「でもそれって、ポポを殺すってこと?」
ディコが不安そうな声を洩らす。
「ああ大丈夫、心配しないで。欲しいのはポポの髭だけだから。フリゴメの髭は斬ってもしばらくして伸びてくるはずだし、ちゃんと傷付けないように斬るからね」
「本当?」
頷くフラムの笑みを見て、ディコはようやく安心したようだった。
「ただ、あそこは警備が厳しいですよ」
「皮肉にもあれだけ大きくなったポポが観光資源の一つになってしまっていて、ポポに近付く事も厳しくなってしまって。ディコもポポが大きくなるまでは近くに行って見に行っても余り咎められる事もなかったんですが、最近特にポポを捕獲しようとする人が多くなって来て、警備が強化されたんです」
「多分、目的は私と同じでしょうね。まあ、警備の方は後で考えるとして、とりあえず観光客は居ない方がいいんだけど」
「それなら、あと一時間程すれば観光できる時間は終わると思うんですけど」
「なら、早く動いた方がよさそうね。あの、川の下流に少し開けた土地がありませんか?」
「土地ですか? それなら少し下流にあると思うんですが」
「私が案内する」
真っ先に声を上げたのはディコだ。
「おい、ディコお前」
「ポポを何とかしてくれるって言うんだもん。私も少しは役に立ちたい」
毅然とした言葉にも、両親は不安気な顔を見合わせる。
「危険な事はさせませんよ。何かありそうだったら、私が責任を持って守りますから」
不安が拭えた訳ではないが、フラムの後押しもあってディコが案内する事になった。
「ポポ?」
出されたお茶をすすりながら、フラムが首を傾げる。
テーブルには、家で心配そうに待っていたディコの父親も同席している。
「ええ、あそこに住んでいるフリゴメは、元々はディコのペットだったんです」
「あのバカでかいフリゴメが?」
それには父親が首を振る。
「いえ、元々はあんなに大きくなかったんです」
椅子に座っているディコが、寂しそうに片隅に置かれているさほど大きくない空の水槽を見詰めている。
「なるほど、私のフラントと同じ変異種って事か」
「はい、ディコが川で拾って来たんですが、その時はあの水槽より遥かに小さくて。私達もフリゴメは知っていますし、それほど大きくならないだろうと高を括るっていたんですが、直ぐに水槽が追いつかない程に大きくなり、止む無く私が大滝の上から流してしまったんです」
「私に黙って……」
ディコは涙ぐむ。
「あれ以上大きくなったら家ではとても飼えないんだ。ゴメンよ」
「ディコ、お父さんの気持ちも分かってあげて」
「そのまま海まで流れていけばと思ったんですが……」
「滝壺に居ついてあんなに大きくなったって訳ね」
「はい……」
「なるほどね」
フラムは腕を組み、目を瞑って考え込む。
「いいわ。私が何とかしましょう」
ディコと両親は不思議そうな顔をフラムに向ける。
「どうして関係もないあなたが?」
「それが大ありでヤンス」
「魔獣が喋った!?」
ディコの両親が声を揃えて驚く。
「またこの件ね」
フラムは溜息を洩らす。パルの短い説明をして、直ぐに本題に戻る。
「元々私はそのポポの髭を求めてここに来たんです」
「髭を?」
「ええ、仕事の依頼で必要なようなので」
「そうですか」
「でもそれって、ポポを殺すってこと?」
ディコが不安そうな声を洩らす。
「ああ大丈夫、心配しないで。欲しいのはポポの髭だけだから。フリゴメの髭は斬ってもしばらくして伸びてくるはずだし、ちゃんと傷付けないように斬るからね」
「本当?」
頷くフラムの笑みを見て、ディコはようやく安心したようだった。
「ただ、あそこは警備が厳しいですよ」
「皮肉にもあれだけ大きくなったポポが観光資源の一つになってしまっていて、ポポに近付く事も厳しくなってしまって。ディコもポポが大きくなるまでは近くに行って見に行っても余り咎められる事もなかったんですが、最近特にポポを捕獲しようとする人が多くなって来て、警備が強化されたんです」
「多分、目的は私と同じでしょうね。まあ、警備の方は後で考えるとして、とりあえず観光客は居ない方がいいんだけど」
「それなら、あと一時間程すれば観光できる時間は終わると思うんですけど」
「なら、早く動いた方がよさそうね。あの、川の下流に少し開けた土地がありませんか?」
「土地ですか? それなら少し下流にあると思うんですが」
「私が案内する」
真っ先に声を上げたのはディコだ。
「おい、ディコお前」
「ポポを何とかしてくれるって言うんだもん。私も少しは役に立ちたい」
毅然とした言葉にも、両親は不安気な顔を見合わせる。
「危険な事はさせませんよ。何かありそうだったら、私が責任を持って守りますから」
不安が拭えた訳ではないが、フラムの後押しもあってディコが案内する事になった。
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