百合好き転生令嬢は、黒髪に生まれたことで親族たちから疎まれていますが、念願通り百合に囲まれ今日も幸せです

tataku

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第5話 世界の話

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 少しだけ、今の世界の話をしよう。
 
 魔力が高いことこそが誉れの世界であり、男性より女性の方が圧倒的に魔力が高く、貴族社会は殆どが女性の世界。

 しかも、お互いの魔力により子供を授かる事ができるため、女性同士で子をもうけることができる。

 魔力が高い者同士であればあるほど、生まれてくる子供の魔力は高くなると信じられていた。それ故に、位の高い貴族は魔力の高い女性同士の結婚が一般的。

 
 序列として、平民、下級貴族、中級貴族、上級貴族、特級貴族(ブロード家はここに含まれる)、王族、の順となる。

 教会はこの序列の枠組みにはないが、実質王国の直属の組織であり、教会のトップである聖女は、特級貴族よりも権威があると言われている。
 
 平民は殆どが魔力を持っていないため、普通の男女の結婚しかないし、逆に同性同士の結婚は禁止されている。
 
 
 
 髪の色は力を表すひとつの象徴となっている。(因みに、髪の色と瞳の色は同じなのが一般的)


 火の力を扱う、ブロード家は赤い髪。

 水の力を扱う、オーシャン家は青い髪。

 土の力を扱う、エルデ家は茶色い髪。

 風の力を扱う、ミラージュ家は緑の髪。


 総じて、魔力の低いものほど髪の色が薄くなっていく。

 例えば、ブロード家の領地内の場合、魔力の低い一般市民ほど、髪の色が薄くなり――白に近いピンク色となっていく。

 
 私の黒髪はどこの領地にもない髪の色。


 そのため、親族の人間には不吉な色だと言われた。
 


 ◆ ◆ ◆


 
 貴族はより魔力の高い者を引き入れようとする傾向がある。

 ブロード家領主となった母も女性同士の結婚。ただ、もう一人の母は平民出身で、魔力はなかった。低いのではなく、まったく魔力がない。そんな人間――彼女だけだと、誰かが言っていた。

 それでも、領主はその平民に一目惚れし、メイドとして働かせ、恋愛のすえに結ばれた。それは多分、すごく珍しい話――と言うよりは、ありえない話といった方が正しい。

 平民だった母――レオナお母様は、私を産んですぐに亡くなった。

 聞いたことはないけれど、本当に恋愛の末に結ばれたのだろうか? 特級貴族の母、ラウラお母様に迫られ、拒否できる人間などいるのだろうか? 領主である母が相手を本当に愛していたのは、疑いようのない事実のため、あまり野暮なことは考えたくないのだが。

 百合好きのオタクとしては、女性同士が結婚できる――と言うのは、中々にポイントが高い。しかし、そこに愛がないのならば、何の萌にもなりませんがね! だけど、そんなことはないと、私は信じていますよ!



 ◆ ◆ ◆

 

 普通は魔力の高い者のほうに赤ん坊が産まれる。しかし、私はレオナお母様のほうから産まれ、妹はラウラお母様の方で産まれた。

 そのためか、私と妹は全く似ていない。妹は領主の母に似て、赤髪赤目の美少女であり、私は平民の母に似て、不吉な色と言われる黒髪黒目の地味な少女。
 
 別々の母体から産まれることは珍しい――と言うより、前代未聞のことらしく、当時はかなり話題になったらしい。しかも、相手は全く魔力がない者。女性同士の場合、お互い魔力が高くないと――子供はできない。そのため、その点でも一悶着あったとのこと。

 私とラナは、一般的な双子とは違う。だが、世間は私たちのことを双子として捉え、私とラナも、そのように認識している。

 

 ◆ ◆ ◆


 
 因みに、私は基本的に屋敷から出ない引きこもりだが、位の高い貴族のため、可愛い令嬢たちがたくさんブロード家の屋敷へと遊びに来てくれた。殆どの子たちは私をチヤホヤとしてくれるが、どこか距離を感じる。

 そう感じるのは――自分の黒髪に対して、コンプレックスを抱いているから?

 まぁ、色々あって――お茶会の作法とかもなんだかめんどくさいし、私は次第に彼女たちから距離を取り、彼女たちの百合百合しい姿を眺めながら一人満足していた。(その中でも当然、超絶美少女の妹はひときわ光輝いていましたよ!)
 
 前世の記憶が蘇るまでは特に、何も気にしていなかったけれど――こんな私でも、いずれは女性と結婚するのだろうか?

 この私があの令嬢たちのように百合百合することになるのだろうか?

 今までは百合を気にすることなく、女性同士のカップリングを想像してよだれを垂らしてきたんだけどもぉ。

 だからといってねぇ、自分自身の恋愛については一切考えてこなかったんだよぉ。女性同士の恋愛に夢中となりながらも、それを他人事のように考えていた私。

 それは――今の私も、昔の私も変わらない。

 だけど、前世の私はいずれ男性と結婚するものだと思っていたし、それが普通のことだと思っていた。

 だけども、今と昔の価値観がせめぎ合い、頭を抱えたくなってきた。

 うぉぉぁぁぁぁぁぁあああああ!

 なんだか、めちゃくちゃ騒ぎたくなってきた。

 薄い本のような展開を想像し、頭がパンクしてしまいそうだ。

 認めたくない。

 認めたくない、けど――――――――女の人とそうなることが、別に嫌なわけではない。

 それは多分、前世の私だって――――そう、なのかもしれない。

 いや、むしろ――――――――――ゴニョゴニョ。

 ――――――――――――――――――――――――うん。

 今日はもう、眠れる気がしないかな!






 ……言っときますけど、ひとりエッチとかもしたことないんだからね、私は!

 そう――私は、乙女なのだ!






 あぁぁぁぁ、駄目だ!

 やっぱり、自分の百合百合だけは想像したくなぁぁぁい!

 だってそれは、私にとっては神聖なものだから!

 

 うおぉぉぉぉぉぁぁぁぁ………………。
 


 やっぱ――眠れねぇぇぇぇ。

 って、いや待てよ、もしかしたらここ、夢の中?
 

 
 ……。


 
 あぁ。

 そうだった。

 カトレアと別れてすぐ、急に眠くなって、そのまま眠ったんだった。

 

 ……。


 
 てへっ☆
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