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第一章
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それから三日後。私が書いた宿題の手紙を読んで、またフォルトナー先生に誉めてもらった。
「素晴らしい。とても気持ちがこもった素晴らしい手紙です。これを実際に受け取ったらさぞや相手は喜ぶでしょうね」
こちらが恥ずかしくなるくらいにフォルトナー先生が誉めてくれる。
先生の指導方法はとにかく誉めて育てることなんだろうな。と誉められて悪い気はしない私は素直にありがとうございます。と言った。
「これからも定期的に手紙を書いてみてください。覚えたい単語があればお教えしますよ」
そう言って先生は毎回手紙を書く宿題を出すようになった。
勉強が進むと、他の科目のレポートも増えてきて、時には小テストを受け、座学は順調に進んだ。
だんだん勉強が進んでいくのは楽しかったが、文字をたくさん読めるようになると、私はあの手紙のことが気になり出した。
読むべきか読まざるべきか。悩んでいるうちに時間だけが過ぎ、倒れてから1ヶ月が過ぎていた。
相変わらず私の中身は愛理のままで、クリスティアーヌに戻る気配はない。
これはもうずっとこうかなと思いだし、もしそうなら、私はこれから自分がどうしていくべきか考え出した。
このままリンドバルク侯爵夫人として生活を続けることになれば、たぶん生活には一生困らない。
けれどいずれ夫が戻ってきて一緒に住むようになった時、うまく暮らしていけるのか。
政略結婚の末の悲劇。夫に別に愛する人が出来たら(もう、既にいる可能性だってある)私はまた捨てられるか名ばかりの妻として生活しなければならない。
中には結婚後に愛情が芽生える夫婦もあるだろうが、そんなに都合よくいくだろうか。
既に恒例となった夫への手紙も、日を追う毎に文章が長くなっている。
昨日先生に見せた手紙の内容は昨日受けた歌のレッスンについて。
楽器の演奏はピアノ以外あまり上達しなかったが、歌は少し低めのメゾソプラノ。上手だと誉められた。
上達したら聞いて欲しい。
それからお菓子を焼いて皆で食べたこと。
形は少し崩れたが甘過ぎないところが好評だった。
今度は料理にも挑戦してみる。
顔を覚えていない分、想像する夫の顔は手紙を書くたびに変わっている。
そう言えば、先生は毎回手紙を読んで持って帰るが、どうしているのだろう。
「奥様、よろしいでしょうか」
ダレクさんが部屋の扉を叩く。
「どうぞ」
私が答えると、ダレクさんが嬉しそうに入ってきた。
「どうしたんですか?」
いつも生真面目が服を着たような彼がこんな表情を見せることに驚いた。
「たった今届きました」
「何がですか?」
入り口までダレクさんを迎えるため歩きながら小首を傾げる。
よく見れば彼は封筒を乗せた銀のトレイを持っている。
「それは?」
「旦那様から奥様へのお手紙です。たった今早馬が持ってきました」
そう言って銀のトレイを私の前に掲げた。
それは私が目覚めて初めて届いた戦地の夫からの手紙だった。
「素晴らしい。とても気持ちがこもった素晴らしい手紙です。これを実際に受け取ったらさぞや相手は喜ぶでしょうね」
こちらが恥ずかしくなるくらいにフォルトナー先生が誉めてくれる。
先生の指導方法はとにかく誉めて育てることなんだろうな。と誉められて悪い気はしない私は素直にありがとうございます。と言った。
「これからも定期的に手紙を書いてみてください。覚えたい単語があればお教えしますよ」
そう言って先生は毎回手紙を書く宿題を出すようになった。
勉強が進むと、他の科目のレポートも増えてきて、時には小テストを受け、座学は順調に進んだ。
だんだん勉強が進んでいくのは楽しかったが、文字をたくさん読めるようになると、私はあの手紙のことが気になり出した。
読むべきか読まざるべきか。悩んでいるうちに時間だけが過ぎ、倒れてから1ヶ月が過ぎていた。
相変わらず私の中身は愛理のままで、クリスティアーヌに戻る気配はない。
これはもうずっとこうかなと思いだし、もしそうなら、私はこれから自分がどうしていくべきか考え出した。
このままリンドバルク侯爵夫人として生活を続けることになれば、たぶん生活には一生困らない。
けれどいずれ夫が戻ってきて一緒に住むようになった時、うまく暮らしていけるのか。
政略結婚の末の悲劇。夫に別に愛する人が出来たら(もう、既にいる可能性だってある)私はまた捨てられるか名ばかりの妻として生活しなければならない。
中には結婚後に愛情が芽生える夫婦もあるだろうが、そんなに都合よくいくだろうか。
既に恒例となった夫への手紙も、日を追う毎に文章が長くなっている。
昨日先生に見せた手紙の内容は昨日受けた歌のレッスンについて。
楽器の演奏はピアノ以外あまり上達しなかったが、歌は少し低めのメゾソプラノ。上手だと誉められた。
上達したら聞いて欲しい。
それからお菓子を焼いて皆で食べたこと。
形は少し崩れたが甘過ぎないところが好評だった。
今度は料理にも挑戦してみる。
顔を覚えていない分、想像する夫の顔は手紙を書くたびに変わっている。
そう言えば、先生は毎回手紙を読んで持って帰るが、どうしているのだろう。
「奥様、よろしいでしょうか」
ダレクさんが部屋の扉を叩く。
「どうぞ」
私が答えると、ダレクさんが嬉しそうに入ってきた。
「どうしたんですか?」
いつも生真面目が服を着たような彼がこんな表情を見せることに驚いた。
「たった今届きました」
「何がですか?」
入り口までダレクさんを迎えるため歩きながら小首を傾げる。
よく見れば彼は封筒を乗せた銀のトレイを持っている。
「それは?」
「旦那様から奥様へのお手紙です。たった今早馬が持ってきました」
そう言って銀のトレイを私の前に掲げた。
それは私が目覚めて初めて届いた戦地の夫からの手紙だった。
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