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カーターの言葉に唖然とする。
彼の背後ではパチパチと薪がはぜる音がする。
「何を……飲ませたの」
「聞いて驚け。お前が飲んだのは『狂乱の淑女』と言われるいわく付きの媚薬だ」
「『狂乱の淑女』?何よそれ……媚薬?」
「ハハハハ、いつも取り澄ましたお前のそんな顔が見られるとはな!」
上半身を起こし呆然とする私の顔を見て、椅子に座り背もたれに体を預けて高らかに笑う。
ぎしぎしと彼の重みに椅子が軋む。
気のせいか、目の前のカーターの姿がぼやけてくる。悪寒が走り心拍が上がる。
「効果は確実らしい。処女でもかなりらしいぞ」
勝ち誇ったように椅子をゆらゆらと動かしながらそわそわとする。
前の二本の椅子の脚が浮いたり落ちたり、まるで子どもが椅子をおもちゃに遊んでいるようだ。
「………う」
次に前側の椅子の脚が浮いた瞬間、私は膝だちから一気に前へ体を倒してカーターに体当たりした。
「わああああ!」
自分の体重もありカーターの体が後ろに倒れ込み、後ろの暖炉に突っ込んだ。
「ぎゃあああああっっっっっ」
髪に火が燃え移り彼がジタバタする。
「わあぁぁぁ、た、助けてくれー」
床に転がり椅子や机にぶつかりながら必死で火を消そうとする。
手足を縛られている私が助けられるわけがなく、巻き込まれないように何とか身をよじって逃れる。
「あ……」
悪寒から次に体が火照りだし、体の奥からじんわりと熱が滲み出てくる。
「は、あ……」
その時、馬の嘶きと蹄の音が聞こえて、ドタドタと足音がしたかと思ったら、小屋の扉が勢いよく開いた。
「セレニア!」
「ジー……」
扉を開けて駆け寄ってきたのはジーンクリフト様だった。
「ベラーシュ!」
彼は小屋の中の状況を一瞥し、後ろから来たベラーシュの名を呼ぶと自分は私の元へ駆け寄ってきた。
「じっとしていろ」
腰に提げた短剣を抜き私の手足の綱を断ち切った。
「怪我は?」
「だ、だい……」
言いかけて目の前に腰を屈めて顔を覗き込むジーンクリフト様の香りが鼻を刺激した。
「どうした?」
支えようと触れる手の熱も、まるで焼きごてを押し付けられたような熱さに感じる。どくどくと血が体を駆け巡る音が頭に響き、股の間にこれまで体験したことのない熱が集まってくる。
「大将……」
ベラーシュが呼び掛け、そちらを向くと息はあるものの、髪の毛が焼け落ち顔にひどい火傷を負ったカーターが横たわっていた。
「何があった?」
ヒューヒューと壊れた笛の音のような息をしている。
「カーター………は……薬……」
「薬?」
足元に転がる小瓶を目にしてそれをジーンクリフト様が持ち上げる。
「何を飲まされた?まさか毒か?」
顔色を変えて訊ねるジーンクリフト様に対し、力無く首を振る。
「薬……『きょうら………の……』ああ……」
「セレニア」
初めて感じる身体中を突き抜ける恍惚感に体が仰け反る。ジーンクリフト様から発せられる雄の気配が私を狂わせる。
「閣下!」
別の誰かの声がしてジーンクリフト様がそちらを向く。
「クリオ」
「う!」
火傷を負ったカーターの様子を見、それから私の様子を見て眉をしかめた。
「クリオ、セレニアの様子がおかしい。怪我はしていないようだが、震えている。何かを飲まされたようだが、毒ではないらしい。『きょうら……』とは?」
「まさか、『狂乱の淑女』ですか?」
クリオが驚いて声をあげた。
彼の背後ではパチパチと薪がはぜる音がする。
「何を……飲ませたの」
「聞いて驚け。お前が飲んだのは『狂乱の淑女』と言われるいわく付きの媚薬だ」
「『狂乱の淑女』?何よそれ……媚薬?」
「ハハハハ、いつも取り澄ましたお前のそんな顔が見られるとはな!」
上半身を起こし呆然とする私の顔を見て、椅子に座り背もたれに体を預けて高らかに笑う。
ぎしぎしと彼の重みに椅子が軋む。
気のせいか、目の前のカーターの姿がぼやけてくる。悪寒が走り心拍が上がる。
「効果は確実らしい。処女でもかなりらしいぞ」
勝ち誇ったように椅子をゆらゆらと動かしながらそわそわとする。
前の二本の椅子の脚が浮いたり落ちたり、まるで子どもが椅子をおもちゃに遊んでいるようだ。
「………う」
次に前側の椅子の脚が浮いた瞬間、私は膝だちから一気に前へ体を倒してカーターに体当たりした。
「わああああ!」
自分の体重もありカーターの体が後ろに倒れ込み、後ろの暖炉に突っ込んだ。
「ぎゃあああああっっっっっ」
髪に火が燃え移り彼がジタバタする。
「わあぁぁぁ、た、助けてくれー」
床に転がり椅子や机にぶつかりながら必死で火を消そうとする。
手足を縛られている私が助けられるわけがなく、巻き込まれないように何とか身をよじって逃れる。
「あ……」
悪寒から次に体が火照りだし、体の奥からじんわりと熱が滲み出てくる。
「は、あ……」
その時、馬の嘶きと蹄の音が聞こえて、ドタドタと足音がしたかと思ったら、小屋の扉が勢いよく開いた。
「セレニア!」
「ジー……」
扉を開けて駆け寄ってきたのはジーンクリフト様だった。
「ベラーシュ!」
彼は小屋の中の状況を一瞥し、後ろから来たベラーシュの名を呼ぶと自分は私の元へ駆け寄ってきた。
「じっとしていろ」
腰に提げた短剣を抜き私の手足の綱を断ち切った。
「怪我は?」
「だ、だい……」
言いかけて目の前に腰を屈めて顔を覗き込むジーンクリフト様の香りが鼻を刺激した。
「どうした?」
支えようと触れる手の熱も、まるで焼きごてを押し付けられたような熱さに感じる。どくどくと血が体を駆け巡る音が頭に響き、股の間にこれまで体験したことのない熱が集まってくる。
「大将……」
ベラーシュが呼び掛け、そちらを向くと息はあるものの、髪の毛が焼け落ち顔にひどい火傷を負ったカーターが横たわっていた。
「何があった?」
ヒューヒューと壊れた笛の音のような息をしている。
「カーター………は……薬……」
「薬?」
足元に転がる小瓶を目にしてそれをジーンクリフト様が持ち上げる。
「何を飲まされた?まさか毒か?」
顔色を変えて訊ねるジーンクリフト様に対し、力無く首を振る。
「薬……『きょうら………の……』ああ……」
「セレニア」
初めて感じる身体中を突き抜ける恍惚感に体が仰け反る。ジーンクリフト様から発せられる雄の気配が私を狂わせる。
「閣下!」
別の誰かの声がしてジーンクリフト様がそちらを向く。
「クリオ」
「う!」
火傷を負ったカーターの様子を見、それから私の様子を見て眉をしかめた。
「クリオ、セレニアの様子がおかしい。怪我はしていないようだが、震えている。何かを飲まされたようだが、毒ではないらしい。『きょうら……』とは?」
「まさか、『狂乱の淑女』ですか?」
クリオが驚いて声をあげた。
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