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119 二通の書簡
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金を皆に分配し終え、諸々の後始末を終えて領主館へついた頃には日はとっくに暮れていた。
ローリィの怪我の具合については救護所での当番を終えた医師のホークから報告を受けていたが、実際に彼女を見るまでは安心できなかった。
帰宅して一番に出迎えてくれたのはジャックだった。チャールズはともに戻ってきたのでいなくて当然だったが、彼がいると王都の屋敷に戻ってきたと錯覚してしまう。
「久しいな、ジャック」
「旦那様もおかわりございませず……いえ、何かご心境の変化でもございましたか?」
ここに来てからまだ半月ほどなのでそれほど変化はないはずだが、自分では何も変わっていないと思いながら、昨日からのローリィとのことを思いだし、自分でも気づかない変化があったのかも知れないと苦笑する。
「いい意味で言ってくれているのか?」
実際には彼女とのことだけでなく、グスタフのことや殺人、今日のパレードでのこと、そして顔役たちの頼みと、問題は山積みである。
「もちろんでございます。それで……旦那様、ご帰宅してすぐで申し訳ないのですが、こちらの書簡を宰相様からお預かりしてまいりました」
「わかった。書斎で読もう」
ジークからの書簡とあっては無視できない。
チャールズやウィリアムたちとはそこで別れた。
玄関口をさっと見渡すが、ローリィの姿は見えないのでジャックに訊いた。
「ローリィは、何ともなかったか?祭りで少々無茶をした。医師から話は訊いているが……」
「……パレードのことを聞いたマーサさんにひどく叱られていましたが、今はシリアたちとともに仕事をしていると思います」
「マーサに叱られた?」
「それについては私がその場におりましたが、予定より早く帰宅した彼女たちに何があったかきいたマーサさんが、無茶をしたと彼女を自室で説教するために連れていかれました」
その場にいたチャールズが説明する。
マーサの説教の長さがどういうものかよく知っているだけに、その光景が目に浮かぶ。
説教の長さはそのままマーサの相手に対する愛情の深さに比例するが、説教される方はたまったものではない。
すでにマーサにいやというほど説教をされているなら、今日はもうそっとしておいてやるのがいいかもしれない。
説教という名目で彼女を膝に乗せたり口づけしたりしたことを思いだし、書簡を握りながら思わず口元が弛む。
「旦那様?」
ジャックに声をかけられ、我に帰る。良くできた執事なので、心の中では思うところがあっても特に何も言わない。
顔を引き締め、慌てて書斎へと向かった。
ジャックがジークから預かってきた書簡には、この前の書簡からわかったことが記されていた。
シュルス近くの三貴族に対するその後の調査でわかったこと。
三人にはそれぞれ家族がいるが、子どもはいたりいなかったり、いても上は成人間近の年齢から幼子まで色々で、そこに共通項はない。
三人を結びつけるもの。
辺境の地にいること。趣味と言えるものは狩猟。領地の管理の傍ら、特に今の時期は狩猟が解禁されシーズンなので、足しげく通っているということだった。ほぼ各日に森へ行っている。三人が向かうのはそれぞれの領地近くの森で、領地境で接しているのはナジェット領とアルセ領、アヴィエ領はアルセ領と接してはいるが、ナジェット領とは接していない。三人の伯爵、侯爵が同時に同じ森で遭遇することはない。どこかで三人を結びつけている存在があるはず。
そう思って三人を見張っていると見えてきたもの。
森以外に三人が通っているのはティオファニアの教会だ。
「教会……」
不特定多数の人が出入りしても、どんな身分の人間が出入りしても不自然でない場所。
三人が元々信心深かったかどうかは不明だ。だが、彼らの財産が教会に流れているのは事実らしい。
そして六年前の三人の行動についてわかったこと。彼らはこちらがマイン国が戦争をしかけようとしていると察する前から武器や傭兵を集めていたようだった。
明らかに戦争が起こることを事前に察知していて、戦争を契機に成り上がろうとしていたのではないか、とジークは憶測している。
と、なれば、彼らが裏で糸をひいて戦争を起こそうとしていた可能性も出てくる。だが、戦争が実際に起こらなかったことで彼らは大損をしたことになる。自分に対して少なからず恨みを持っていてもおかしくない。
引き続き調査を進めると書簡にはあった。
それからジェスティア先々王の兄弟や叔父たちのその後。
特に行方不明と言われているレイエバール殿。アルセ領のセイリオ殿。三番目と四番目のオーグ、ブルーノ殿。
オーグ殿は先の調査のとおり男色で、後を継ぐ男子はいなかった。生前、自分の性的嗜好について、男にしか興味がなかったことに安堵していたということだった。自分の子や孫に無駄な王権への期待を持たせることもなく、また、それを利用しようとする者に巻き込まれることもないと、周囲に語っていたそうだ。
ジークの書簡には王権への野心もなしと断定できるとあった。
もう一人、ブルーノ殿。
生まれたのは娘ばかり。こちらも先の報告のとおり。
母親は平民だったが、そこそこ裕福な家の娘で、晩年まで平穏無事に暮らしていたようだ。
ナジェット領にはいたが、当時のナジェット侯爵、今の侯爵の父はブルーノの人柄に惚れ込み、彼に適齢期の令嬢方を紹介したようだが、彼が選んだのは商人の娘だった。
娘であれば王位継承もない。彼も娘たちに不要な野心は抱かぬよう諭していたそうだ。平民としての人生を謳歌したらしい。
然るにブルーノ殿とその子孫にも不審な点はなしと判断できるだろう。
レイエバール殿の墓は確かにカーマイン侯爵家の墓地にあった。
亡くなったのはジェスティア先々王即位より二年後。
そしてセイリオ殿が亡くなったのもほぼ同時期だった。
カーマイン侯爵家でのレイエバール殿の生活を伺い知る情報は少ない。彼は侯爵家預かりとなってから殆ど邸内に引きこもり、限られた者としか接触しなかったようだ。
最初の頃は王族の彼に取り入ろうと侯爵家へ面会に訪れる者もいたが、引きこもり一年を経つ頃には訪れる者も皆無となったようだ。
現在のカーマイン侯爵はレイエバール殿の死後誕生したため、彼のことを知る使用人も現在は誰もおらず、彼の死に際を知るものは一人としていない。
レイエバール殿の最後の頃に接触していたのは先代侯爵と、ティオファニア教の司祭。またティオファニア教だ。
引き続きティオファニア教の司祭の方や高齢により退職した当時の使用人を探してみるとあった。
表向きには独身となっているレイエバール殿だが、落胤と呼べる子を残している可能性はある。
セイリオ殿についても同様のことが言える。
精神的に弱く、立ち場的にも一番王権から遠かったが、他の方々が権力を失っている中、間違いなく王子だったのだから、資格は十分にある。
アルセ領内に住居を与えられ療養していたとあるが、日に日に病状は悪化し、時折発狂して騒ぎ立てたと思ったらぶつぶつと何やら繰り返し呟いていたと、当時治療に携わっていた医師の記録にあったということだ。
病状の悪化とともに誰もが世話を嫌がり、彼の死に際まで側に居たのは乳兄弟の男と医師だけだということだった。
乳兄弟の男はセイリオ殿が亡くなり、埋葬を済ませた後の所在が掴めていないとのことだ。年齢を考えれば本人はすでに亡くなっている。
乳兄弟の行方も念のため追ってみる。とジークの書簡には記されていた。
そして、表向きの護衛騎士とは別に、エドワルド領内に暗部の者を放ったことも最後に付け加えてあった。
ジークに暗部の手配を頼むつもりであったが、既に手配済みだとは、仕事が早い。
ジークからの書簡を読み返し、色々考える。
三人の貴族たちが熱心に通うティオファニア教会。レイエバール殿とも何か繋がりがあるのか。
今のところ三人の貴族たちが教会に通う目的は不明だ。そこで誰かに会っているのか、単なる信仰心か。
グスタフらしき人物がこの地を彷徨いているとわかった今となってはジークの采配に感謝しなくてはならない。
どこにその者がいて、何人なのかはわからないが、いずれ接触してくるだろう。
ジークからの書簡だと言ったが、そこにもう一通書簡が入っていることに気づく。
開くとそこには何も記されていない。白紙だ。
だが、そこで白紙か、とはならない。
それはジークとは違う人物が、小さいときに自分と内緒の話をやりとりする時に使っていたのと同じ手法で書かれたものだと、微かに香る花の香りでわかった。
春から夏にかけて咲くリンディという青紫色の花がある。その花が終わると小さな実が付くのだが、食用にはならないその果実を絞った茶色い汁で字を書き乾かすと消える。再度水を付けた筆で紙を濡らすと字が浮かび上がってくる。
兄ともよくやりとりをしたが、これは兄からではない。ジークからでもない。
「まったく、普段のあいつからは想像もつかない、子どもじみたことをする……」
書斎に飾られた花瓶から花を抜き、指を突っ込み濡らしてそのまま書簡をなぞって浮き上がった文字を読む。
そこに書かれていた文章は子どもじみた手法には不似合いなものだった。
水が乾けば字は消える。書簡の最後にこれを読んだ後は破棄するようにと書かれていたとおりに、手紙を燃やした。
ジークが調べてもわからなかった事柄について、もう一通の書簡の差出人が答えをくれるかもしれない。だが、その答えを知るためにはもう少し時間が必要だ。
届いた他の書簡にも目を通し、山積みの書類にも目を通してサインするものはする。
祭りだからといって領主としての仕事が休みになることはない。全てに目を通していくと、時間はあっという間に過ぎた。
チャールズが警羅隊長フェリクスの訪問を告げにやって来た。
その後の調べでわかったことを報告に来たとのことだ。
殆ど終わった書類仕事を脇に避け、チャールズに書いた書簡や署名をした書類を渡して、フェリクスがやって来るのを待った。
ローリィの怪我の具合については救護所での当番を終えた医師のホークから報告を受けていたが、実際に彼女を見るまでは安心できなかった。
帰宅して一番に出迎えてくれたのはジャックだった。チャールズはともに戻ってきたのでいなくて当然だったが、彼がいると王都の屋敷に戻ってきたと錯覚してしまう。
「久しいな、ジャック」
「旦那様もおかわりございませず……いえ、何かご心境の変化でもございましたか?」
ここに来てからまだ半月ほどなのでそれほど変化はないはずだが、自分では何も変わっていないと思いながら、昨日からのローリィとのことを思いだし、自分でも気づかない変化があったのかも知れないと苦笑する。
「いい意味で言ってくれているのか?」
実際には彼女とのことだけでなく、グスタフのことや殺人、今日のパレードでのこと、そして顔役たちの頼みと、問題は山積みである。
「もちろんでございます。それで……旦那様、ご帰宅してすぐで申し訳ないのですが、こちらの書簡を宰相様からお預かりしてまいりました」
「わかった。書斎で読もう」
ジークからの書簡とあっては無視できない。
チャールズやウィリアムたちとはそこで別れた。
玄関口をさっと見渡すが、ローリィの姿は見えないのでジャックに訊いた。
「ローリィは、何ともなかったか?祭りで少々無茶をした。医師から話は訊いているが……」
「……パレードのことを聞いたマーサさんにひどく叱られていましたが、今はシリアたちとともに仕事をしていると思います」
「マーサに叱られた?」
「それについては私がその場におりましたが、予定より早く帰宅した彼女たちに何があったかきいたマーサさんが、無茶をしたと彼女を自室で説教するために連れていかれました」
その場にいたチャールズが説明する。
マーサの説教の長さがどういうものかよく知っているだけに、その光景が目に浮かぶ。
説教の長さはそのままマーサの相手に対する愛情の深さに比例するが、説教される方はたまったものではない。
すでにマーサにいやというほど説教をされているなら、今日はもうそっとしておいてやるのがいいかもしれない。
説教という名目で彼女を膝に乗せたり口づけしたりしたことを思いだし、書簡を握りながら思わず口元が弛む。
「旦那様?」
ジャックに声をかけられ、我に帰る。良くできた執事なので、心の中では思うところがあっても特に何も言わない。
顔を引き締め、慌てて書斎へと向かった。
ジャックがジークから預かってきた書簡には、この前の書簡からわかったことが記されていた。
シュルス近くの三貴族に対するその後の調査でわかったこと。
三人にはそれぞれ家族がいるが、子どもはいたりいなかったり、いても上は成人間近の年齢から幼子まで色々で、そこに共通項はない。
三人を結びつけるもの。
辺境の地にいること。趣味と言えるものは狩猟。領地の管理の傍ら、特に今の時期は狩猟が解禁されシーズンなので、足しげく通っているということだった。ほぼ各日に森へ行っている。三人が向かうのはそれぞれの領地近くの森で、領地境で接しているのはナジェット領とアルセ領、アヴィエ領はアルセ領と接してはいるが、ナジェット領とは接していない。三人の伯爵、侯爵が同時に同じ森で遭遇することはない。どこかで三人を結びつけている存在があるはず。
そう思って三人を見張っていると見えてきたもの。
森以外に三人が通っているのはティオファニアの教会だ。
「教会……」
不特定多数の人が出入りしても、どんな身分の人間が出入りしても不自然でない場所。
三人が元々信心深かったかどうかは不明だ。だが、彼らの財産が教会に流れているのは事実らしい。
そして六年前の三人の行動についてわかったこと。彼らはこちらがマイン国が戦争をしかけようとしていると察する前から武器や傭兵を集めていたようだった。
明らかに戦争が起こることを事前に察知していて、戦争を契機に成り上がろうとしていたのではないか、とジークは憶測している。
と、なれば、彼らが裏で糸をひいて戦争を起こそうとしていた可能性も出てくる。だが、戦争が実際に起こらなかったことで彼らは大損をしたことになる。自分に対して少なからず恨みを持っていてもおかしくない。
引き続き調査を進めると書簡にはあった。
それからジェスティア先々王の兄弟や叔父たちのその後。
特に行方不明と言われているレイエバール殿。アルセ領のセイリオ殿。三番目と四番目のオーグ、ブルーノ殿。
オーグ殿は先の調査のとおり男色で、後を継ぐ男子はいなかった。生前、自分の性的嗜好について、男にしか興味がなかったことに安堵していたということだった。自分の子や孫に無駄な王権への期待を持たせることもなく、また、それを利用しようとする者に巻き込まれることもないと、周囲に語っていたそうだ。
ジークの書簡には王権への野心もなしと断定できるとあった。
もう一人、ブルーノ殿。
生まれたのは娘ばかり。こちらも先の報告のとおり。
母親は平民だったが、そこそこ裕福な家の娘で、晩年まで平穏無事に暮らしていたようだ。
ナジェット領にはいたが、当時のナジェット侯爵、今の侯爵の父はブルーノの人柄に惚れ込み、彼に適齢期の令嬢方を紹介したようだが、彼が選んだのは商人の娘だった。
娘であれば王位継承もない。彼も娘たちに不要な野心は抱かぬよう諭していたそうだ。平民としての人生を謳歌したらしい。
然るにブルーノ殿とその子孫にも不審な点はなしと判断できるだろう。
レイエバール殿の墓は確かにカーマイン侯爵家の墓地にあった。
亡くなったのはジェスティア先々王即位より二年後。
そしてセイリオ殿が亡くなったのもほぼ同時期だった。
カーマイン侯爵家でのレイエバール殿の生活を伺い知る情報は少ない。彼は侯爵家預かりとなってから殆ど邸内に引きこもり、限られた者としか接触しなかったようだ。
最初の頃は王族の彼に取り入ろうと侯爵家へ面会に訪れる者もいたが、引きこもり一年を経つ頃には訪れる者も皆無となったようだ。
現在のカーマイン侯爵はレイエバール殿の死後誕生したため、彼のことを知る使用人も現在は誰もおらず、彼の死に際を知るものは一人としていない。
レイエバール殿の最後の頃に接触していたのは先代侯爵と、ティオファニア教の司祭。またティオファニア教だ。
引き続きティオファニア教の司祭の方や高齢により退職した当時の使用人を探してみるとあった。
表向きには独身となっているレイエバール殿だが、落胤と呼べる子を残している可能性はある。
セイリオ殿についても同様のことが言える。
精神的に弱く、立ち場的にも一番王権から遠かったが、他の方々が権力を失っている中、間違いなく王子だったのだから、資格は十分にある。
アルセ領内に住居を与えられ療養していたとあるが、日に日に病状は悪化し、時折発狂して騒ぎ立てたと思ったらぶつぶつと何やら繰り返し呟いていたと、当時治療に携わっていた医師の記録にあったということだ。
病状の悪化とともに誰もが世話を嫌がり、彼の死に際まで側に居たのは乳兄弟の男と医師だけだということだった。
乳兄弟の男はセイリオ殿が亡くなり、埋葬を済ませた後の所在が掴めていないとのことだ。年齢を考えれば本人はすでに亡くなっている。
乳兄弟の行方も念のため追ってみる。とジークの書簡には記されていた。
そして、表向きの護衛騎士とは別に、エドワルド領内に暗部の者を放ったことも最後に付け加えてあった。
ジークに暗部の手配を頼むつもりであったが、既に手配済みだとは、仕事が早い。
ジークからの書簡を読み返し、色々考える。
三人の貴族たちが熱心に通うティオファニア教会。レイエバール殿とも何か繋がりがあるのか。
今のところ三人の貴族たちが教会に通う目的は不明だ。そこで誰かに会っているのか、単なる信仰心か。
グスタフらしき人物がこの地を彷徨いているとわかった今となってはジークの采配に感謝しなくてはならない。
どこにその者がいて、何人なのかはわからないが、いずれ接触してくるだろう。
ジークからの書簡だと言ったが、そこにもう一通書簡が入っていることに気づく。
開くとそこには何も記されていない。白紙だ。
だが、そこで白紙か、とはならない。
それはジークとは違う人物が、小さいときに自分と内緒の話をやりとりする時に使っていたのと同じ手法で書かれたものだと、微かに香る花の香りでわかった。
春から夏にかけて咲くリンディという青紫色の花がある。その花が終わると小さな実が付くのだが、食用にはならないその果実を絞った茶色い汁で字を書き乾かすと消える。再度水を付けた筆で紙を濡らすと字が浮かび上がってくる。
兄ともよくやりとりをしたが、これは兄からではない。ジークからでもない。
「まったく、普段のあいつからは想像もつかない、子どもじみたことをする……」
書斎に飾られた花瓶から花を抜き、指を突っ込み濡らしてそのまま書簡をなぞって浮き上がった文字を読む。
そこに書かれていた文章は子どもじみた手法には不似合いなものだった。
水が乾けば字は消える。書簡の最後にこれを読んだ後は破棄するようにと書かれていたとおりに、手紙を燃やした。
ジークが調べてもわからなかった事柄について、もう一通の書簡の差出人が答えをくれるかもしれない。だが、その答えを知るためにはもう少し時間が必要だ。
届いた他の書簡にも目を通し、山積みの書類にも目を通してサインするものはする。
祭りだからといって領主としての仕事が休みになることはない。全てに目を通していくと、時間はあっという間に過ぎた。
チャールズが警羅隊長フェリクスの訪問を告げにやって来た。
その後の調べでわかったことを報告に来たとのことだ。
殆ど終わった書類仕事を脇に避け、チャールズに書いた書簡や署名をした書類を渡して、フェリクスがやって来るのを待った。
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