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20=澄人の気持ち=
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「何してる!」
寝室の扉がけたたましく開け放たれた。
「澄人……桜!」
手足を拘束されてアイマスクをつけた桜と、その中で果てた澄人を交互に見る。
静かに泣いている桜に駆け寄った阿澄は、気だるそうな澄人を引き剥がして言った。
「お前、何してるんだ」
「何って、セックス」
「了承を取らずに桜を襲ったのか?」
「うん、阿澄のふりした」
はぁっと吐き出された息に、阿澄は顔を顰める。
「酔ってるな」
「うん、でもすぐに気づかれちゃった。ま、さすがにバレるだろうとは思ってたけど」
しれっと言う澄人に、阿澄は怒気を飛ばす。
「だから、拘束したのか」
「そうだよ。逃げられちゃ堪んないもんね」
桜を抱き寄せた阿澄は、拘束を解いてアイマスクを外す。涙でぐちゃぐちゃになった顔を抱えて抱き寄せ、頭を胸元に引き寄せながら言った。
「とにかく出ていけ。見張り交代だ」
「了解」
悪びれもせず出ていく澄人を、阿澄はずっと睨み続けていた。
やがて澄人が出ていく音が聞こえ、阿澄は腕の力を抜いて桜を見た。
「ごめん、桜。痛いところないか?」
無言で首を横に振る桜に、阿澄はキスをして言う。
「今、俺にできる事あるか?体を洗って欲しいとか、放っておいて欲しいとか、上書きして欲しいとか」
不安そうな桜の顔が阿澄に向かう。
「嫌いになったりしない?」
驚いた顔をした阿澄は、ゆっくり首を横に振る。
「桜を?なるわけない」
「汚れたとか、思わない?」
「思わない。あれでも弟だし……澄人の気持ちに気が付かなかった俺のせいだ」
その言葉で、桜の目からボロボロ涙が溢れる。
「また……私を愛してくれる?」
阿澄は桜の頬を両手で包んで優しくキスをした。
「もちろんだ、桜」
ちゅ、くちゅ、っと音を立て、キスはどんどん深くなる。
「は……ん……阿澄……」
澄人に掻き乱されてすでにあそこはぐちゃぐちゃだ。
「桜、足広げて」
躊躇う桜の足を、阿澄はぐっと力を入れて広げる。
その間に顔を近づけると、指を中に挿れて澄人の体液を掻き出す。
陰核をちゅぅうっと吸いながら、鉤形にした指を膣から出し入れした。
「あっ、はぁ、はぁ、阿澄……そんなこと」
「涙が止まるまで愛してやる」
「うん……」
たんっと腕をついた阿澄が、上体を起こして桜を組み敷く。
「挿れるぞ」
こくりと頷く桜。
「あ……はぁ、阿澄」
熱い息が溢れる。
「桜、そんなに締めてくるな」
「なにも、して、ない」
ぐちゅ、ぐちゅっと静かに奥を突く阿澄。しかしそれを一気に抜くと、白い液体が掻き出される。
「あぁ!」
抜く時にも感じる桜に、上からキスをしながらまた中に挿れる。再度、ぐちゅ、ぐちゅと掻き混ぜると一気に引き抜くを繰り返した。
「桜」
呼ばれた桜は薄く目を開ける。揺れる反動で涙が溢れた。
「綺麗だ、桜。怒らずに答えてほしい」
こくりと頷く桜に、阿澄は真剣な眼差しを向けて聞いた。
「澄人を嫌いになったか?」
「あっ……阿澄、動い……たら……答え……られ……な……」
「頷くだけでもいい」
「なって……ない……」
必死に応える桜に、阿澄は更に問いかける。
「それなら、澄人でも感じたか?」
桜は少し戸惑いを見せたが、阿澄から顔を背けて横を向くと、小さく頷いた。
「桜」
呼ばれた桜は涙目で阿澄を見る。
「愛してる」
驚きで見開かれる瞳。
「どうしてそんな顔をしてるんだ」
薄く微笑む阿澄から問われた桜は、また涙を流して言った。
「だって、思ってなかった……から」
ぐっと桜の中に押し入って、その上半身に覆い被さる。腰を引き寄せると、桜の背中に手を回して強く抱きしめた。
「俺は桜が澄人を選んでも、ずっと愛し続ける。澄人もそうかもしれないが、こんな俺達を嫌いにならないでくれ」
「そんな、阿澄」
桜も阿澄を強く抱きしめ返し、泣きながら答えた。
「阿澄が好き。愛してる。だから、嫌いになんてなれるはずない……」
「桜」
ぐっと腰が動く。
「あっ」
再開される動きとその刺激に、桜の腰も合わせて動く。その動きは濃厚なキスを交わしながら、涙が熱気に変わるまで続けられた。
その日は阿澄に抱きしめられたまま眠った。
翌朝になっても澄人は帰ってきておらず、心配になった桜は出かける直前、阿澄に聞いた。
「大丈夫だ。反省してどっかで一晩明かしたんだろう」
「今日は帰って来る?」
「あぁ、桜が嫌じゃなければ、一緒に夕食にしよう」
「うん……」
戸惑うような桜の様子に、阿澄はそっと頭に手を置いて言う。
「桜の嫌がることはしない」
無言で頷く桜を抱き寄せて、額の上の方にキスを落とした阿澄。
暖かい抱擁に送り出されて会社へ向かった。
その日の仕事を無事に終えた桜は、少し寝不足でふらつくのを感じながら電車に揺られていた。帰宅時の混み合った電車で、ぼんやりしていたのがダメだったのか、ふと気がつくと背後に人が立っていて、お尻に手が当たっている。
電車の揺れと共に動く手は、痴漢と呼ぶには中途半端で、だが確実に不快な感触を桜に与えている。じっとしているわけにもいかず、体をズラすようにした桜。それでもついてくる手に、どうしようかと途方に暮れる。
反転させて横になんとか移動しようとしていると、不意に腕を掴まれて引き寄せられる。
「桜」
抱き寄せられてその腕の中に閉じ込められる。
「澄、人……」
抱きしめられたまま反転した澄人。扉と澄人に挟まれた桜は、ほっと大きく息をついた。
「ありがとう澄人。助かった……」
そう言うが澄人は桜と目を合わせない。混み合った電車の中で、ただ黙って揺られていた。
「ごめん……」
しばらくして、澄人がポツリと謝ってきた。
桜はただ頷いて、降りるまで澄人の袂を掴んでいた。
駅に着くと、澄人が離れようとしたので、桜は掴んでいた手にギュッと力を入れた。
「買い物、付き合って」
「え……でも」
「仕事?」
否定の動作を見た桜は、スーパーの方に澄人を引いていく。
「澄人はどうして電車に乗ってたの?」
「ターゲットが乗ったから。でもあの人混みで見失って探してたんだ……そしたら桜が痴漢にあってた」
はっとして立ち止まった桜。
「一緒にいるところ、見られたらまずい?」
「ううん、大丈夫だと思う」
いつもと違って少し元気のない澄人に、桜は近寄って言った。
「それなら、一緒に帰ろう?晩御飯、何か食べたいものある?」
スーパーを指差して言う桜に、泣きそうな顔の澄人が近寄ってきてギュッと抱きしめた。
「ごめん、桜。僕、やっぱり桜が好きだ。阿澄が一番で良いから、僕の事も愛して」
「澄人……」
「ごめん。こんなこと言っても困らせるだけだよね……」
スッと離れようとした澄人を、桜の手は逃すまいと服を掴む。
「すぐに答えは出せないけど、ちゃんと考える。だから、今日は一緒に帰ろう?」
澄人は無言で頷き、桜に連れられてスーパーへと入っていく。
それを樹が見ているとも知らずに。
その日、阿澄は見張りがあるようで家にはいなかった。
澄人は居た堪れなかったのか、ご飯だけ食べるとすぐに外出してしまう。
一人取り残された桜は、リビングのソファーに座ってぼんやりと過ごした。
何が正解なの分からず、どう行動して良いのかも分からない。膝を抱えて考えたまま、桜はソファーで寝てしまった。
「誰かに痴漢されて……」
ボソボソと声が聞こえて、桜は薄く目を開けた。
寝室の奥のベッドにいつの間にか移動している。リビングには阿澄と澄人がいるのか、一条の光が隙間から差している。
報告なのか、言い争いなのか分からないが、桜は起き上がって確認する体力がなかった。
「二人と、明日、ちゃんと話そう……」
そう小さく呟いて、再び目を閉じた。
寝室の扉がけたたましく開け放たれた。
「澄人……桜!」
手足を拘束されてアイマスクをつけた桜と、その中で果てた澄人を交互に見る。
静かに泣いている桜に駆け寄った阿澄は、気だるそうな澄人を引き剥がして言った。
「お前、何してるんだ」
「何って、セックス」
「了承を取らずに桜を襲ったのか?」
「うん、阿澄のふりした」
はぁっと吐き出された息に、阿澄は顔を顰める。
「酔ってるな」
「うん、でもすぐに気づかれちゃった。ま、さすがにバレるだろうとは思ってたけど」
しれっと言う澄人に、阿澄は怒気を飛ばす。
「だから、拘束したのか」
「そうだよ。逃げられちゃ堪んないもんね」
桜を抱き寄せた阿澄は、拘束を解いてアイマスクを外す。涙でぐちゃぐちゃになった顔を抱えて抱き寄せ、頭を胸元に引き寄せながら言った。
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「了解」
悪びれもせず出ていく澄人を、阿澄はずっと睨み続けていた。
やがて澄人が出ていく音が聞こえ、阿澄は腕の力を抜いて桜を見た。
「ごめん、桜。痛いところないか?」
無言で首を横に振る桜に、阿澄はキスをして言う。
「今、俺にできる事あるか?体を洗って欲しいとか、放っておいて欲しいとか、上書きして欲しいとか」
不安そうな桜の顔が阿澄に向かう。
「嫌いになったりしない?」
驚いた顔をした阿澄は、ゆっくり首を横に振る。
「桜を?なるわけない」
「汚れたとか、思わない?」
「思わない。あれでも弟だし……澄人の気持ちに気が付かなかった俺のせいだ」
その言葉で、桜の目からボロボロ涙が溢れる。
「また……私を愛してくれる?」
阿澄は桜の頬を両手で包んで優しくキスをした。
「もちろんだ、桜」
ちゅ、くちゅ、っと音を立て、キスはどんどん深くなる。
「は……ん……阿澄……」
澄人に掻き乱されてすでにあそこはぐちゃぐちゃだ。
「桜、足広げて」
躊躇う桜の足を、阿澄はぐっと力を入れて広げる。
その間に顔を近づけると、指を中に挿れて澄人の体液を掻き出す。
陰核をちゅぅうっと吸いながら、鉤形にした指を膣から出し入れした。
「あっ、はぁ、はぁ、阿澄……そんなこと」
「涙が止まるまで愛してやる」
「うん……」
たんっと腕をついた阿澄が、上体を起こして桜を組み敷く。
「挿れるぞ」
こくりと頷く桜。
「あ……はぁ、阿澄」
熱い息が溢れる。
「桜、そんなに締めてくるな」
「なにも、して、ない」
ぐちゅ、ぐちゅっと静かに奥を突く阿澄。しかしそれを一気に抜くと、白い液体が掻き出される。
「あぁ!」
抜く時にも感じる桜に、上からキスをしながらまた中に挿れる。再度、ぐちゅ、ぐちゅと掻き混ぜると一気に引き抜くを繰り返した。
「桜」
呼ばれた桜は薄く目を開ける。揺れる反動で涙が溢れた。
「綺麗だ、桜。怒らずに答えてほしい」
こくりと頷く桜に、阿澄は真剣な眼差しを向けて聞いた。
「澄人を嫌いになったか?」
「あっ……阿澄、動い……たら……答え……られ……な……」
「頷くだけでもいい」
「なって……ない……」
必死に応える桜に、阿澄は更に問いかける。
「それなら、澄人でも感じたか?」
桜は少し戸惑いを見せたが、阿澄から顔を背けて横を向くと、小さく頷いた。
「桜」
呼ばれた桜は涙目で阿澄を見る。
「愛してる」
驚きで見開かれる瞳。
「どうしてそんな顔をしてるんだ」
薄く微笑む阿澄から問われた桜は、また涙を流して言った。
「だって、思ってなかった……から」
ぐっと桜の中に押し入って、その上半身に覆い被さる。腰を引き寄せると、桜の背中に手を回して強く抱きしめた。
「俺は桜が澄人を選んでも、ずっと愛し続ける。澄人もそうかもしれないが、こんな俺達を嫌いにならないでくれ」
「そんな、阿澄」
桜も阿澄を強く抱きしめ返し、泣きながら答えた。
「阿澄が好き。愛してる。だから、嫌いになんてなれるはずない……」
「桜」
ぐっと腰が動く。
「あっ」
再開される動きとその刺激に、桜の腰も合わせて動く。その動きは濃厚なキスを交わしながら、涙が熱気に変わるまで続けられた。
その日は阿澄に抱きしめられたまま眠った。
翌朝になっても澄人は帰ってきておらず、心配になった桜は出かける直前、阿澄に聞いた。
「大丈夫だ。反省してどっかで一晩明かしたんだろう」
「今日は帰って来る?」
「あぁ、桜が嫌じゃなければ、一緒に夕食にしよう」
「うん……」
戸惑うような桜の様子に、阿澄はそっと頭に手を置いて言う。
「桜の嫌がることはしない」
無言で頷く桜を抱き寄せて、額の上の方にキスを落とした阿澄。
暖かい抱擁に送り出されて会社へ向かった。
その日の仕事を無事に終えた桜は、少し寝不足でふらつくのを感じながら電車に揺られていた。帰宅時の混み合った電車で、ぼんやりしていたのがダメだったのか、ふと気がつくと背後に人が立っていて、お尻に手が当たっている。
電車の揺れと共に動く手は、痴漢と呼ぶには中途半端で、だが確実に不快な感触を桜に与えている。じっとしているわけにもいかず、体をズラすようにした桜。それでもついてくる手に、どうしようかと途方に暮れる。
反転させて横になんとか移動しようとしていると、不意に腕を掴まれて引き寄せられる。
「桜」
抱き寄せられてその腕の中に閉じ込められる。
「澄、人……」
抱きしめられたまま反転した澄人。扉と澄人に挟まれた桜は、ほっと大きく息をついた。
「ありがとう澄人。助かった……」
そう言うが澄人は桜と目を合わせない。混み合った電車の中で、ただ黙って揺られていた。
「ごめん……」
しばらくして、澄人がポツリと謝ってきた。
桜はただ頷いて、降りるまで澄人の袂を掴んでいた。
駅に着くと、澄人が離れようとしたので、桜は掴んでいた手にギュッと力を入れた。
「買い物、付き合って」
「え……でも」
「仕事?」
否定の動作を見た桜は、スーパーの方に澄人を引いていく。
「澄人はどうして電車に乗ってたの?」
「ターゲットが乗ったから。でもあの人混みで見失って探してたんだ……そしたら桜が痴漢にあってた」
はっとして立ち止まった桜。
「一緒にいるところ、見られたらまずい?」
「ううん、大丈夫だと思う」
いつもと違って少し元気のない澄人に、桜は近寄って言った。
「それなら、一緒に帰ろう?晩御飯、何か食べたいものある?」
スーパーを指差して言う桜に、泣きそうな顔の澄人が近寄ってきてギュッと抱きしめた。
「ごめん、桜。僕、やっぱり桜が好きだ。阿澄が一番で良いから、僕の事も愛して」
「澄人……」
「ごめん。こんなこと言っても困らせるだけだよね……」
スッと離れようとした澄人を、桜の手は逃すまいと服を掴む。
「すぐに答えは出せないけど、ちゃんと考える。だから、今日は一緒に帰ろう?」
澄人は無言で頷き、桜に連れられてスーパーへと入っていく。
それを樹が見ているとも知らずに。
その日、阿澄は見張りがあるようで家にはいなかった。
澄人は居た堪れなかったのか、ご飯だけ食べるとすぐに外出してしまう。
一人取り残された桜は、リビングのソファーに座ってぼんやりと過ごした。
何が正解なの分からず、どう行動して良いのかも分からない。膝を抱えて考えたまま、桜はソファーで寝てしまった。
「誰かに痴漢されて……」
ボソボソと声が聞こえて、桜は薄く目を開けた。
寝室の奥のベッドにいつの間にか移動している。リビングには阿澄と澄人がいるのか、一条の光が隙間から差している。
報告なのか、言い争いなのか分からないが、桜は起き上がって確認する体力がなかった。
「二人と、明日、ちゃんと話そう……」
そう小さく呟いて、再び目を閉じた。
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