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episode.7
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「―――父さん、スイス行きの話だけど……俺にやらせて欲しい」
「おぉ、決断できたか。Deal ! 」
「でも条件がひとつある。彼女も連れて行きたい」
「……んー、そうきたか。兄さんに要相談か、でもな」
「彼女と結婚して配偶者として連れて行きたいんだ」
「――!?」
俺の決断に父さんは面くらって驚いた。そして冷静になり俺を諭す。
「結婚はまだ早いと思う。葵には優先すべき事が他にもあって、その都度たくさんの選択肢があるし。今ひとつの事に執着するのは、可能性を狭めてしまうんじゃないかな?」
自分でも結婚という決断はあまりに早いとは思う。父さんの言い分だってド正論だ。でもひとつだけ完全に間違ってる。
真白は、俺にとって真白は、その他選択肢のひとつじゃない!
「……俺の中で真白は、どの選択肢より優位になる存在なんだ。父さんと母さんが離婚して、壊れそうだった俺にいつも力をくれたのは真白だった。今の俺があるのも、真白が犠牲になってまで希望をくれたからだよ。結婚もスイス行きも真白が選ぶかわからないけど、俺達ふたりでなら、可能性を予測より拡げられると思う。今が、俺と真白のふたりで羽ばたくチャンスなんだ!」
「……現実は、そんなに甘くないぞ?」
重みを利かせて父さんは言った。
俺はこれまでの苦渋を噛み砕くようにして、軽々しく出した答えじゃない事を訴える。
「俺達……運命に惑わされて、たくさん涙して……幸せを、掴むことがどんなに難しいか知ってる。そうやってまた巡り会えた大事な子だから、俺はもうずっと、真白を離したくない。結婚は俺のけじめとして申し込みたいんだ」
俺は真白だけを愛し続ける―――他の誰にも、目移りしたりなんてしない。
「……わかった。いつの間にこんな成長したんだろうな……父さんのほうが学ばされるよ。先方のご両親に承諾を得るんだぞ? そしたら父さんも挨拶に伺うよ」
俺の決心に父さんがうなずくと強張った肩の力が抜けた。「ありがとう、父さん」と感謝の気持ちを伝えると、見たことのない涙目を隠して、なんとも無い振りをする。
俺と父さんの間にあった、愛情の示し方についてのわだかまりが、もしかしたら和解する方向へ歩み始めたのかもしれなかった。
こうしてこれから進む道が決まったわけだが、早急に解決しなければならない問題が発生する。
自分ではどうにもならなくて純平に助けを求めた。
「純平? あのさ、真白の指のサイズ知ってる?」
「や~、幼馴染だからってそこまではわからんよ? ちょっと待って、若菜に聞いてみよ……」
純平が彼女を呼んでスピーカーに切り替わったのか、突発な甲高い声で俺の耳は撃たれる。
「きゃあ~! 神崎くん、真白に指輪プレゼントするの!? もうすぐ誕生日だもんね! 真白、東京に行くんでしょう!?」
「っ……う、うん」
「私の家にも遊びに来てくれるって! それで柚子の家にも寄って、それから東京行くって聞いたよ! 初めてのお泊りだって、きゃあぁっ!」
「葵、ごめん。若菜、ちょっと落ち着こうか?」
散々茶化された後、真白の薬指のサイズは7号だろうという結論に至った。情報を元に婚約指輪を買いに行って……気恥ずかしいような、身が引き締まるような。
真白へのプロポーズに一歩踏み出した実感が湧く。
そして、俺は―――。
真白のお父さんに認めてもらうため、退勤時を見計らって職場へ足を運んだ。
突然訪問した俺を見てお父さんは目を真ん丸くしていたが、雪が降りそうな夜空の下、理由よりも早く車に乗るよう促され従った。
俺が何か重大な話を持ってきたのだと悟ってくれたのか、近くのレトロな雰囲気の喫茶店に俺を連れて行き、慣れた感じで珈琲を2つ頼みテーブル席に着いた。
「こんな田舎の店だから19時には閉店なんだ。長居はできないよ」
コートを脱ぐなり珈琲が運ばれてきて、真白のお父さんは牽制するように俺を見つめる。
だよな……俺、この人から娘を略奪するような敵だ。でも、俺にとっても、真白のことをあきらめない戦いなんだ!
「真白と結婚してスイスに行きたいと思っています」
「――――――君はいつも唐突に私を驚かすね。いろいろと過程を省きすぎじゃないか?」
「あ。時間がないかと……」
「返事を考える要素がなさ過ぎるだろう……」
呆れ顔な真白のお父さんに言われた俺は、スイスで働く叔父のサポートをする事、真白も連れて行きたいから婚姻を結びたい事、緊張しながら話をさせてもらった。
「……向こうは豊かな自然があって真白も気に入ると思います。絵を描くにも健康のためにも良い環境です。ふたりで支え合って挑戦する機会にできたらと考えています」
お父さんは微動だにせず聞き取った後、溜息を吐きながら内容を消化したようだ。
「君は、ずるいな。私ができない事をさらっとこなして、私のもとから真白もさらって行くのか……」
「……あ、笑うとこですか?」
「シャレじゃないよ、まったく」
「すいません……」
お父さんはさらに深い溜息をつく。簡単にうなずける話ではないと承知している……真白を大事にしていれば、している程。
案の定、返事は重たい吐息となって何度も空間を飛んでいった。
「……なぜ、なぜ君は、先に私へ、この話をしに来たんだ? 真白にはまだ話していないんだろう?」
「はい……お父さんの許可をいただいてから、プロポーズをするつもりです」
「……私から真白を説得して欲しい、理由でもないようだが?」
「……真白は、お父さんの幸せなくして、ここから羽ばたこうとしないからです」
「――!!」
俺がお父さんに会いに来た本当の理由……
それは、真白の気持ちを、認めてもらうため。
「真白が絵を描けなくなってしまったのは、俺が原因を作ったせいです。進路を絶ってしまった責任も俺にあります。真白の描く絵にはみんなを幸せにする力があるから……また絵が描けるように、真白が心から絵を描きたいと思えるように、なってくれたらと願っているし、俺にできる事はどんな協力もします。でも……俺だけの気持ちじゃ、真白は自分の才能を大きく羽ばたかせようとしないんです……」
「……私の、私の足が原因なのか?」
その理由に狼狽えてお父さんは顔を少々引き攣らせた。悲しそうな表情に俺の顔も歪んでいく。
だけど、これを認めてもらわなければ、真白も俺も新しく挑戦する道へ進むことができない。
「真白が絵を描き始めたきっかけは、お父さんの怪我だったと聞きました。とても怖かったと……たぶん、小さいなりに真白も必死だったと思います。繊細な心で感じ取ったお父さんの苦痛を、今でも胸の奥で抱えているはずです。それに真白は生まれ育ったこの町をとても大事にしていて、高校最後のコンクールに描いた作品も、山から望めるこの町の景色でした……」
美しい虹が架かり燦めく星が降り注いだ―――。
真白の町に幸せが訪れる、そんな期待を持てる、希望溢れる景色だった。
その奇跡のような現象が……お父さんにも起きて欲しい―――。
真白はそう願っているはずなんだ。
「……真白が私の足をいつも心配している事はわかっている。だがこれ以上どうにもできないのに何を――」
「あきらめないで欲しいんです」
「!?」
「難しくても、希望を捨てないで……真白はお父さんと羽ばたくことを夢に見ているんだと思います」
「っ……」
お父さんの震える視線が俺の眼差しにしがみついているようで……俺は強く、強く強く見つめ続けた。
「真白の夢を俺も一緒に支えたい気持ちです。それをお父さんに認めてもらうため、俺は今日来ました」
伝われっ、真白と俺の気持ち、お父さんに―――。
「―――ふっ、君が事件の謝罪に訪れた時から……いつかコイツが私を懐柔しに来るんだろうと予感がしてたんだよ。あまりに予測より早いけれどね……それで……思った以上に頼もしいヤツだ」
「え……?」
「駅まで送ろう。着くまで車中で今後について詳しく聞かせてくれ。冷めないうちに早く飲みなさい」
「お父さん……」
やんわりと笑顔を見せ、俺の話を受け入れてくれたかと思いきや、むっとして険しい表情を見せる。
「……君にお父さんと呼ばれるのは不愉快だな」
「じゃあ、なんと呼べば?」
「……お、お父さんでいいよ、っ」
「ぷっ。はい、お父さん」
思わず俺が吹き出すと余計にムスッとなって機嫌を損ねる。
「まったく虫が好かんヤツだ。こんな寒い日にやって来て、マフラーがあって良かったな」
「あ、これ真白が編んでくれたんです」
「知ってるよ! 一生懸命編んでる横で見てたからねっ」
「あ、やっぱり……羨ましいですか?」
「っ……君ねぇ、―――」
お父さんは真白と怒り方がそっくりだった。頑固そうだと思っていた真白のお父さんは、意外にも表情の豊かな人で……俺とお父さんはなかなか気が合う良い相性、という事はまだ真白にはナイショだ。
―――2月11日。真白の19歳の誕生日。
今日真白は地元に近い空港から東京に初めてやって来る。
「葵くん? これから飛行機乗るね」
「うん、羽田に迎えに行くよ。じゃあ、また後で」
自室で受けた真白からの電話を終え、スマホをポケットにしまう。それから机に置いたリングケースを手に取った。
……喜んで、くれるかな?
愛おしい彼女の表情を思い浮かべて、プレゼントも大事にポケットへ。そして俺は顔を上げ、改めて決意を心に刻み込む。
机上にかけた真白からのプレゼント『幸せなアオイ世界』。
いつでも、どんなときも。
たくさんの虹色の星達が、まばゆい希望の光をくれる。
さあ!
俺の、幸せな葵世界で。
一番真っ白に燦めく大切な星に―――永遠の愛を捧げに行こう。
『寂しがりな青のブルース』完
「おぉ、決断できたか。Deal ! 」
「でも条件がひとつある。彼女も連れて行きたい」
「……んー、そうきたか。兄さんに要相談か、でもな」
「彼女と結婚して配偶者として連れて行きたいんだ」
「――!?」
俺の決断に父さんは面くらって驚いた。そして冷静になり俺を諭す。
「結婚はまだ早いと思う。葵には優先すべき事が他にもあって、その都度たくさんの選択肢があるし。今ひとつの事に執着するのは、可能性を狭めてしまうんじゃないかな?」
自分でも結婚という決断はあまりに早いとは思う。父さんの言い分だってド正論だ。でもひとつだけ完全に間違ってる。
真白は、俺にとって真白は、その他選択肢のひとつじゃない!
「……俺の中で真白は、どの選択肢より優位になる存在なんだ。父さんと母さんが離婚して、壊れそうだった俺にいつも力をくれたのは真白だった。今の俺があるのも、真白が犠牲になってまで希望をくれたからだよ。結婚もスイス行きも真白が選ぶかわからないけど、俺達ふたりでなら、可能性を予測より拡げられると思う。今が、俺と真白のふたりで羽ばたくチャンスなんだ!」
「……現実は、そんなに甘くないぞ?」
重みを利かせて父さんは言った。
俺はこれまでの苦渋を噛み砕くようにして、軽々しく出した答えじゃない事を訴える。
「俺達……運命に惑わされて、たくさん涙して……幸せを、掴むことがどんなに難しいか知ってる。そうやってまた巡り会えた大事な子だから、俺はもうずっと、真白を離したくない。結婚は俺のけじめとして申し込みたいんだ」
俺は真白だけを愛し続ける―――他の誰にも、目移りしたりなんてしない。
「……わかった。いつの間にこんな成長したんだろうな……父さんのほうが学ばされるよ。先方のご両親に承諾を得るんだぞ? そしたら父さんも挨拶に伺うよ」
俺の決心に父さんがうなずくと強張った肩の力が抜けた。「ありがとう、父さん」と感謝の気持ちを伝えると、見たことのない涙目を隠して、なんとも無い振りをする。
俺と父さんの間にあった、愛情の示し方についてのわだかまりが、もしかしたら和解する方向へ歩み始めたのかもしれなかった。
こうしてこれから進む道が決まったわけだが、早急に解決しなければならない問題が発生する。
自分ではどうにもならなくて純平に助けを求めた。
「純平? あのさ、真白の指のサイズ知ってる?」
「や~、幼馴染だからってそこまではわからんよ? ちょっと待って、若菜に聞いてみよ……」
純平が彼女を呼んでスピーカーに切り替わったのか、突発な甲高い声で俺の耳は撃たれる。
「きゃあ~! 神崎くん、真白に指輪プレゼントするの!? もうすぐ誕生日だもんね! 真白、東京に行くんでしょう!?」
「っ……う、うん」
「私の家にも遊びに来てくれるって! それで柚子の家にも寄って、それから東京行くって聞いたよ! 初めてのお泊りだって、きゃあぁっ!」
「葵、ごめん。若菜、ちょっと落ち着こうか?」
散々茶化された後、真白の薬指のサイズは7号だろうという結論に至った。情報を元に婚約指輪を買いに行って……気恥ずかしいような、身が引き締まるような。
真白へのプロポーズに一歩踏み出した実感が湧く。
そして、俺は―――。
真白のお父さんに認めてもらうため、退勤時を見計らって職場へ足を運んだ。
突然訪問した俺を見てお父さんは目を真ん丸くしていたが、雪が降りそうな夜空の下、理由よりも早く車に乗るよう促され従った。
俺が何か重大な話を持ってきたのだと悟ってくれたのか、近くのレトロな雰囲気の喫茶店に俺を連れて行き、慣れた感じで珈琲を2つ頼みテーブル席に着いた。
「こんな田舎の店だから19時には閉店なんだ。長居はできないよ」
コートを脱ぐなり珈琲が運ばれてきて、真白のお父さんは牽制するように俺を見つめる。
だよな……俺、この人から娘を略奪するような敵だ。でも、俺にとっても、真白のことをあきらめない戦いなんだ!
「真白と結婚してスイスに行きたいと思っています」
「――――――君はいつも唐突に私を驚かすね。いろいろと過程を省きすぎじゃないか?」
「あ。時間がないかと……」
「返事を考える要素がなさ過ぎるだろう……」
呆れ顔な真白のお父さんに言われた俺は、スイスで働く叔父のサポートをする事、真白も連れて行きたいから婚姻を結びたい事、緊張しながら話をさせてもらった。
「……向こうは豊かな自然があって真白も気に入ると思います。絵を描くにも健康のためにも良い環境です。ふたりで支え合って挑戦する機会にできたらと考えています」
お父さんは微動だにせず聞き取った後、溜息を吐きながら内容を消化したようだ。
「君は、ずるいな。私ができない事をさらっとこなして、私のもとから真白もさらって行くのか……」
「……あ、笑うとこですか?」
「シャレじゃないよ、まったく」
「すいません……」
お父さんはさらに深い溜息をつく。簡単にうなずける話ではないと承知している……真白を大事にしていれば、している程。
案の定、返事は重たい吐息となって何度も空間を飛んでいった。
「……なぜ、なぜ君は、先に私へ、この話をしに来たんだ? 真白にはまだ話していないんだろう?」
「はい……お父さんの許可をいただいてから、プロポーズをするつもりです」
「……私から真白を説得して欲しい、理由でもないようだが?」
「……真白は、お父さんの幸せなくして、ここから羽ばたこうとしないからです」
「――!!」
俺がお父さんに会いに来た本当の理由……
それは、真白の気持ちを、認めてもらうため。
「真白が絵を描けなくなってしまったのは、俺が原因を作ったせいです。進路を絶ってしまった責任も俺にあります。真白の描く絵にはみんなを幸せにする力があるから……また絵が描けるように、真白が心から絵を描きたいと思えるように、なってくれたらと願っているし、俺にできる事はどんな協力もします。でも……俺だけの気持ちじゃ、真白は自分の才能を大きく羽ばたかせようとしないんです……」
「……私の、私の足が原因なのか?」
その理由に狼狽えてお父さんは顔を少々引き攣らせた。悲しそうな表情に俺の顔も歪んでいく。
だけど、これを認めてもらわなければ、真白も俺も新しく挑戦する道へ進むことができない。
「真白が絵を描き始めたきっかけは、お父さんの怪我だったと聞きました。とても怖かったと……たぶん、小さいなりに真白も必死だったと思います。繊細な心で感じ取ったお父さんの苦痛を、今でも胸の奥で抱えているはずです。それに真白は生まれ育ったこの町をとても大事にしていて、高校最後のコンクールに描いた作品も、山から望めるこの町の景色でした……」
美しい虹が架かり燦めく星が降り注いだ―――。
真白の町に幸せが訪れる、そんな期待を持てる、希望溢れる景色だった。
その奇跡のような現象が……お父さんにも起きて欲しい―――。
真白はそう願っているはずなんだ。
「……真白が私の足をいつも心配している事はわかっている。だがこれ以上どうにもできないのに何を――」
「あきらめないで欲しいんです」
「!?」
「難しくても、希望を捨てないで……真白はお父さんと羽ばたくことを夢に見ているんだと思います」
「っ……」
お父さんの震える視線が俺の眼差しにしがみついているようで……俺は強く、強く強く見つめ続けた。
「真白の夢を俺も一緒に支えたい気持ちです。それをお父さんに認めてもらうため、俺は今日来ました」
伝われっ、真白と俺の気持ち、お父さんに―――。
「―――ふっ、君が事件の謝罪に訪れた時から……いつかコイツが私を懐柔しに来るんだろうと予感がしてたんだよ。あまりに予測より早いけれどね……それで……思った以上に頼もしいヤツだ」
「え……?」
「駅まで送ろう。着くまで車中で今後について詳しく聞かせてくれ。冷めないうちに早く飲みなさい」
「お父さん……」
やんわりと笑顔を見せ、俺の話を受け入れてくれたかと思いきや、むっとして険しい表情を見せる。
「……君にお父さんと呼ばれるのは不愉快だな」
「じゃあ、なんと呼べば?」
「……お、お父さんでいいよ、っ」
「ぷっ。はい、お父さん」
思わず俺が吹き出すと余計にムスッとなって機嫌を損ねる。
「まったく虫が好かんヤツだ。こんな寒い日にやって来て、マフラーがあって良かったな」
「あ、これ真白が編んでくれたんです」
「知ってるよ! 一生懸命編んでる横で見てたからねっ」
「あ、やっぱり……羨ましいですか?」
「っ……君ねぇ、―――」
お父さんは真白と怒り方がそっくりだった。頑固そうだと思っていた真白のお父さんは、意外にも表情の豊かな人で……俺とお父さんはなかなか気が合う良い相性、という事はまだ真白にはナイショだ。
―――2月11日。真白の19歳の誕生日。
今日真白は地元に近い空港から東京に初めてやって来る。
「葵くん? これから飛行機乗るね」
「うん、羽田に迎えに行くよ。じゃあ、また後で」
自室で受けた真白からの電話を終え、スマホをポケットにしまう。それから机に置いたリングケースを手に取った。
……喜んで、くれるかな?
愛おしい彼女の表情を思い浮かべて、プレゼントも大事にポケットへ。そして俺は顔を上げ、改めて決意を心に刻み込む。
机上にかけた真白からのプレゼント『幸せなアオイ世界』。
いつでも、どんなときも。
たくさんの虹色の星達が、まばゆい希望の光をくれる。
さあ!
俺の、幸せな葵世界で。
一番真っ白に燦めく大切な星に―――永遠の愛を捧げに行こう。
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