とある中年男性の転生冒険記

うしのまるやき

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第4話 ほう、こんな感じになっているのですか。

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 まだ日は暮れていないが、今やっておいた方がいいことはたくさんある。まずは、狩ったウサギさん達の解体だ。解体のかの字もしたことがないため、頼りになるのは生前に読んでおいた本の記憶である。どうせ時間もかかるだろうから1体だけを解凍した。今更ながら水術はとても便利で、これで凍らせた場合はこちらがいじらない限り氷のままだ。これは何かに使えそうだ。今後に期待かな。


 今更だけど、解凍後のウサギを鑑定してみる。


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『一角うさぎ』・・・見たまんまの通りじゃ。肉と毛皮は需要があるのう。肉の味は中の上といったところかのう。毛皮はもふもふじゃぞ。内臓は残念ながら需要はない。

 あと、これはほとんど知られていない情報じゃが、腸に関しては何かを入れるのに使えるかもしれん。肉なんかを詰めて保存するのもいいかもしれんの。それと、特徴の角はそこそこ堅いから、何か突き刺したりするのにも役立つぞい。

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 ・・・・・・。名前だけを鑑定したつもりだったが、こちらの知りたいことを先回りしてコメントしてきやがる。ということは、これ鑑定結果というよりアマデウスさんの直々のコメント? いや、非常に助かるのだが、神様って暇なのか? まあ、そこら辺の事情はさておき折角の貴重な情報をいただいたのだから、ありがたく今後に生かしていこう。


「一角うさぎで肉と毛皮が獲れる、か。それより一角うさぎで腸詰めのウィンナーが作れるのか。これは期待できるな。鍋はともかく皿は解決できそうだから茹でるのは問題ないが、あとは味付けかな。塩胡椒は今手元にないし、今後も手に入るかわからない。とりあえず採ってきた植物などで味を確認してからにしますか。っていっている場合ではなかった。さっさと解体しないと。」


 解体は困難を極めた。もう、最初はおっかなびっくりやっていたため、時間がかかるは、先に進まないはでとにかく大変だった。こんなに大変だったとは。最初のウサギは肉こそしっかり取れたものの、毛皮がぼろぼろになってしまった。ウサギさんゴメンよ。ただ、丁寧に確認しながらやったため、2体目3体目とこなしていくうちにコツというものをつかめたような気がした。


 解体の結果は、肉3体分で20キロくらい、とりあえずまた凍ってもらう。毛皮は2体分で畳2畳分くらいあった。失敗しまくった1体目の毛皮も後で何かに使えそうなので、とっておくことにする。だってもったいないじゃん。大事に使わないと申し訳ない気持ちでいっぱいになるし。何よりモフモフだし。


 骨については、肉が残っていてさながらスペアリブみたいだったので、もちろん冷凍保存しておいた。チャームポイント? の角は折らないと無理かなあ、と思っていたが、死んでしまうと案外簡単に根元から引っこ抜くことができたので、ありがたくいただくことにする。


 腸詰めについては後のお楽しみということで、今回は泣く泣く処分した、ということにしておいてください。決して一緒に処分してしまった訳ではありませんので、そこのところよろしくお願い申し上げます。


 解体が終わった後は、採取した木の実などの植物について鑑定したり、水術で水分を飛ばして乾燥させたりした。香草が何種類か見つかったが正直区別がつかないので、その辺は香りや味別に分けてしまいましょう。薬草も混じっていたが、これも種類がわからないので以下同文だ。


 次は食器になりそうな木の実を2つに割る作業だ。パーム椰子のような形をしていたのでナイフでぎこぎこと切っていくと、刃が通りづらいところにぶつかった。いつもならそこであきらめるが、食器がないと調理ができない。流石の水術も器なしでは煮たりできないからだ。あきらめずに頑張っているといい具合に真っ二つに割れてくれた。残念ながら中身は空だった。ココナッツジュースみたいなもの期待していたのに。しかしきれいに割れてくれたおかげで食器を2個手に入れたのと同じだ。これでまともな飯に一歩近づいた。長かった(泣)。


 何日分になるかはわからないが、とりあえずたっぷりのお肉を手に入れたので、1体のうち一部をスープに入れ、残りは水術で水分をなくして干し肉にしておく。木の実で作った食器にわき水をいれて肉を投入。肉に合いそうな香草を入れて、隠し味兼塩味としてに最初にもらった干し肉を少し入れてから水を加熱する。水術で低温調理できるのが強みだ。火が使えないから、ステーキとかは無理ですがね。できあがりは、非常においしゅうございました。木などを使って蒸すのもアリではないかと思う。でも、塩ほしい。岩塩の調査も候補に入れていこう。


 食事が終わった後ウサギの角に触れ、堅さなどを確かめていた。強めに突いても角は欠けることなく、さっくりと土壁に突き刺さった。何かに使えそうなので、次の探索の時にはナイフと一緒に持っておくとしましょうか、などと考えていたときにふと思いついたので確かめてみることにした。


 私が使えるスキルは格闘術と水術の2種類である。先ほどの解体で解体スキルが付いててくれるとありがたいが、これは期待しないでおきますか。ウサギの角で武器を連想しろといったら、ほとんどの人は槍にたどりつくはずだ。しかし、私には槍スキルはない。覚えることに期待しながら槍を訓練するよりも格闘術の範囲で何とかしたい。そこで思いついたのが、パイルバンカーのような使い方だ。両腕の外側に角をつけて殴る感覚でこれを射出する感じにする。固定する道具などないので、解体でボロボロになってしまったウサギの毛皮を水術で固定する。射出に関しては角ではなく、角のように氷を射出させて放つ。いくら一角うさぎの角が堅いとはいっても、それ以上に堅い素材はいくらでも存在するし、そんなものにぶつけたら角は折れてしまうだろう。そんなことはできないので水術で氷の角を作ってそれを射出する感じだ。


 考えながらいろいろ試していたらできてしまった。ウサギの角を添え木にして毛皮を包帯のようにぐるぐる巻きにして氷でくっつけた程度だが、とりあえず戦闘などで普通に使えれば問題なし。いずれは固定部分など作るなり作ってもらうなりして急ごしらえ状態からは脱却したい。それにしても我ながらいいできである。何よりウサギの素材で作ってあるのがすばらしい。なにせモフモフなのである。


「折角なので名前を付けることにしましょうか。ウサギの素材でできているからバニー、いや『バーニィ』とでも名付けますか。では、早速バーニィでの攻撃訓練開始。」


 はしゃぎたい気持ちに任せて訓練してしまうと間違いなく寝落ちコースが待っているので、幾分テンションを押さえつつ攻撃手段を模索した。基本バンカーなので、まっすぐ打ち抜くのが基本だ。ここは譲れない。とはいえ至近距離のみだと遠距離相手では手も足も出ないので、射出できるようにする。射出するのは水術で作った氷だから、弾数など気にする必要がない、ということで採用。早速壁打ちだ。


 やはりテンションは抑えきれず、少しトリガーハッピー状態になってしまったが、壁打ちでの結果はなかなか良いものだった。一撃で自分の半分くらいの範囲の穴ができあがった。一撃でこれほどの穴ができるのなら風呂場や洗濯場ができそうだ。今の広さではそんな余裕がないので、バーニィの練習もかねてねぐらの範囲を広げてから、洗濯用の小さめの穴、そしてお風呂用の大きめの穴がついに完成した。


「念願の風呂場ができました(泣)。洗濯場もできたからようやく服が洗える。ようやく汗だくのきつい状態から脱出できる。」


 あまりの嬉しさに思わす声を出してしまう。


 早速、洗濯場と風呂場に水をためて、服を洗濯場に放り込んでぬるま湯程度の温度にして回転させてしばらく放置。自分自身は快適な温度にしたお湯につかりご満悦だ。贅沢を言うなら洗剤や石鹸、せめてそういった用途のものがほしい。次の日の探索で探してみますか。頼みましたよアマデウスさん。


「ああ、これですよ、これ。」


 実際に風呂に入って出てきた言葉がこれである。言葉を出さずにはいられないというものです。どれだけ風呂に入ろうと、洗濯しようと、水術で乾かせるのですから快適この上ないです。


 洗濯と風呂により心身ともにサッパリとして今度は眠気が襲ってきたので、素直に寝ることにした。折角ウサギの毛皮があるので、それを敷いて眠ることにした。みごとなモフモフ感に眠気もさらに強くなり睡魔に無条件降伏する形で眠りに落ちた。


 モフモフのおかげで朝早くどころか昼頃になりようやく目が覚めた。今日はどうしようか特に決めていなかったので、まずは自分が成長しているか確認するべく鑑定をば。


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 名前 < アイス >  種族 【 人間 】


 年齢 < 35 >   職業 【 なし 】


 レベル  12


 能力値  変化無しなので省略


 [スキル] 水術(2)、 格闘術(4)、 解体(1)


 [称号]アマデウス神の加護(極)

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「ありゃ、レベルは上がってないですな。一角うさぎ3匹程度だと上がらないレベルなんですかね。これからしばらく狩をしてレベルがどうなるか確認が必要かな。スキルは、っと、こちらはそれなりに上がっているか。水術はあれだけ使っても2か。どちらにせよ修行あるのみかな。お、解体スキルがついた。これは嬉しい。」


 今日は時間があまりなさそうだから、植物素材の探索といきますか。石鹸や洗剤になものが欲しいし。
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